内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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内部被ばくと健康被害

長崎平和宣言 2019年(全文)

[解説]  長崎平和宣言が、長崎市長によって、発表されました。本来ならば、日本の首相が訴えなければならない事がすべて入っています。  比べて、またしても、安倍晋三氏(恥ずかしくて首相と呼べない)のあいさつは、昨年とどこが違うのか分からない、国際情勢無視、戦争被ばく国の責任も感じられないものでした。興味がある方は読売新聞でも探して読んでみて下さい。  長崎平和宣言の素晴らしいのは、これが一市長やスタッフの作文ではないところから産まれたからです。被爆者7団体を含む平和宣言起草委員会の討議の上に作られています。   核兵器が爆風と熱線と放射線によって多くの人々を惨たらしく殺しただけでなく、放射線により、後遺症を生み出し、ケロイドに苦しむ被爆者の姿についても語っています。長崎の被爆者代表は、被爆後も放射線による、度重なるがんの後遺症について語り、長崎平和宣言が語り尽くすことが出来なかった被爆の実相を明らかにしました。  原爆はアメリカが投下しました。そのアメリカがまた、「使いやすい」小型核兵器の開発に今年2019年1月から乗り出し、2019年2月には、臨界前核実験をやっていたことが明らかになっています。2019年2月、米朝首脳会談が、非核化への道のりを示すことなく、決裂したのは、北朝鮮の問題ではなく、アメリカの新核戦略と核実験によって、破壊されたのではないでしょうか?北朝鮮にすべての核兵器の放棄を要求しながら、朝鮮半島でも「使える」小型核兵器をアメリカだけは開発する、そんな交渉がまとまるでしょうか?日本の新聞、テレビは一つとして、アメリカによる、北朝鮮への非核化要求と、アメリカの核軍拡の問題を指摘していません。しかし、この長崎平和宣言は、アメリカの小型核兵器開発、臨界前核実験を批判し、また、アメリカの一方的な中距離核戦力全廃条約の破棄を批判しています。 本来、日本の首相が訴えるべき内容だ、と思います。そして、核兵器禁止条約への参加と批准、何よりも、日本からアメリカに働きかけて、アメリカの核兵器禁止条約への参加と、アメリカの核兵器の削減に向けたみちすじを日本が描くべきです。日本自体の核兵器の有用性を語るべきではありません。  沖縄県、玉城デニー知事の訴えとともに、長崎市、田市長の田上富久市長の提言こそ、日本が安全保障政策の基軸に据えるべきです。沖縄辺野古新基地も、アメリカの小型核も入りません。朝鮮半島を非核兵器地帯にして、アメリカが韓国、日本に配備している核兵器を撤去と同時に、北朝鮮の核兵器放棄を求めるべきです。  以下、本日発表された、長崎平和宣言2019年全文をお読み下さい。     長崎平和宣言 2019年(全文) 2019年8月9日 長崎市長 田上富久 目を閉じて聴いてください。    幾千の人の手足がふきとび 腸わたが流れ出て 人の体にうじ虫がわいた 息ある者は肉親をさがしもとめて 死がいを見つけ そして焼いた 人間を焼く煙が立ちのぼり 罪なき人の血が流れて浦上川を赤くそめた  ケロイドだけを残してやっと戦争が終わった  だけど…… 父も母も もういない 兄も妹ももどってはこない  人は忘れやすく弱いものだから あやまちをくり返す だけど…… このことだけは忘れてはならない このことだけはくり返してはならない どんなことがあっても……  これは、1945年8月9日午前11時2分、17歳の時に原子爆弾により家族を失い、自らも大けがを負った女性がつづった詩です。自分だけではなく、世界の誰にも、二度とこの経験をさせてはならない、という強い思いが、そこにはあります。  原爆は「人の手」によってつくられ、「人の上」に落とされました。だからこそ「人の意志」によって、無くすことができます。そして、その意志が生まれる場所は、間違いなく、私たち一人ひとりの心の中です。  今、核兵器を巡る世界情勢はとても危険な状況です。核兵器は役に立つと平然と公言する風潮が再びはびこり始め、アメリカは小型でより使いやすい核兵器の開発を打ち出しました。ロシアは、新型核兵器の開発と配備を表明しました。そのうえ、冷戦時代の軍拡競争を終わらせた中距離核戦力(INF)全廃条約は否定され、戦略核兵器を削減する条約(新START)の継続も危機にひんしています。世界から核兵器をなくそうと積み重ねてきた人類の努力の成果が次々と壊され、核兵器が使われる危険性が高まっています。  核兵器がもたらす生き地獄を「繰り返してはならない」という被爆者の必死の思いが世界に届くことはないのでしょうか。  そうではありません。国連にも、多くの国の政府や自治体にも、何よりも被爆者をはじめとする市民社会にも、同じ思いを持ち、声を上げている人たちは大勢います。  そして、小さな声の集まりである市民社会の力は、これまでにも、世界を動かしてきました。1954年のビキニ環礁での水爆実験を機に世界中に広がった反核運動は、やがて核実験の禁止条約を生み出しました。一昨年の核兵器禁止条約の成立にも市民社会の力が大きな役割を果たしました。私たち一人ひとりの力は、微力ではあっても、決して無力ではないのです。  世界の市民社会の皆さんに呼びかけます。  戦争体験や被爆体験を語り継ぎましょう。戦争が何をもたらしたのかを知ることは、平和をつくる大切な第一歩です。  国を超えて人と人との間に信頼関係をつくり続けましょう。小さな信頼を積み重ねることは、国同士の不信感による戦争を防ぐ力にもなります。  人の痛みがわかることの大切さを子どもたちに伝え続けましょう。それは子どもたちの心に平和の種を植えることになります。  平和のためにできることはたくさんあります。あきらめずに、そして無関心にならずに、地道に「平和の文化」を育て続けましょう。そして、核兵器はいらない、と声を上げましょう。それは、小さな私たち一人ひとりにできる大きな役割だと思います。  すべての国のリーダーの皆さん。被爆地を訪れ、原子雲の下で何が起こったのかを見て、聴いて、感じてください。そして、核兵器がいかに非人道的な兵器なのか、心に焼き付けてください。  核保有国のリーダーの皆さん。核拡散防止条約(NPT)は、来年、成立からちょうど50年を迎えます。核兵器をなくすことを約束し、その義務を負ったこの条約の意味を、すべての核保有国はもう一度思い出すべきです。特にアメリカとロシアには、核超大国の責任として、核兵器を大幅に削減する具体的道筋を、世界に示すことを求めます。  日本政府に訴えます。日本は今、核兵器禁止条約に背を向けています。唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名、批准してください。そのためにも朝鮮半島非核化の動きを捉え、「核の傘」ではなく、「非核の傘」となる北東アジア非核兵器地帯の検討を始めてください。そして何よりも「戦争をしない」という決意を込めた日本国憲法の平和の理念の堅持と、それを世界に広げるリーダーシップを発揮することを求めます。  被爆者の平均年齢は既に82歳を超えています。日本政府には、高齢化する被爆者のさらなる援護の充実と、今も被爆者と認定されていない被爆体験者の救済を求めます。  長崎は、核の被害を体験したまちとして、原発事故から8年が経過した今も放射能汚染の影響で苦しんでいる福島の皆さんを変わらず応援していきます。  原子爆弾で亡くなられた方々に心から哀悼の意をささげ、長崎は広島とともに、そして平和を築く力になりたいと思うすべての人たちと力を合わせて、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に力を尽くし続けることをここに宣言します。   長崎市平和宣言文起草委員会規則 平成27年3月20日 規則第15号 (趣旨) 第1条 この規則は、長崎市附属機関に関する条例(昭和28年長崎市条例第42号)第3条の規定に基づき、長崎市平和宣言文起草委員会(以下「委員会」という。)について、必要な事項を定めるものとする。 (組織) 第2条 委員会は、委員長及び委員20人以内で組織する。 2 委員長は、市長をもつて充てる。 3 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。 4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。 (1) 学識経験のある者 (2) 被爆者 (3) 報道関係者 (4) 平和活動関係者 (5) 国際交流活動関係者 (6) その他市長が必要と認める者 (平31規則47・一部改正) (任期) 第3条 委員の任期は、委嘱の日からその日の属する年の8月9日までとし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 (会議) 第4条 委員会の会議は、委員長が招集し、その議長となる。 2 委員会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。 (関係人の出席) 第5条 委員会は、必要があると認めるときは、関係人の出席を求め、その意見を聴くことができる。 (庶務) 第6条 委員会の庶務は、原爆被爆対策部原爆資料館平和推進課において処理する。 (平28規則14・一部改正) (委任) 第7条 この規則に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮つて定める。 附 則 この規則は、平成27年4月1日から施行する。 附 則(平成28年3月22日規則第14号)抄 (施行期日) 1 この規則中第1条及び附則第3項から第33項までの規定は平成28年4月1日から、第2条の規定は平成28年7月1日から施行する。 附 則(平成31年4月12日規則第47号) この規則は、公布の日から施行する。

第一原発排気筒の解体 再び中止 2019年8月7日 NHK 福島放送局

[解説]  東京電力福島第一原発の1/2号機排気筒には、数シーベルト/時の高濃度の放射能が付着しています。この1/2号機排気筒は、2011年3月の原発事故で核燃料がメルトダウン、格納容器が爆発する恐れがあったため、格納容器内部で高まった放射能をベントをして、何度も放出させたところです。従って、高濃度のウラン、プルトニウム、アメリシウムなどが付着しています。  東京新聞が報道して明らかになったように、この高さ120メートルの排気筒の下から45メートル,66メートルの支柱と斜材の接合部計9カ所に破断や損傷が見つかっています。大地震で、いつ真っ二つに折れるか分からない状況です。すでに今年2019年3月には、解体工事を始める予定でした。しかし、モックアップ訓練(模型の鉄塔を作り実際に解体してみる)を積むため、として、同年5月に延期。しかし、同年5月になると「クレーンが3メートル長さが足りなかった」として、再び延期。同年78月に解体工事を再開、と発表しながら、8月2日に、更に8月6日に延期。更に更に8月7日に延期になり、昨日2019年8月7日の解体工事が中断した、というのが、以下、NHK 福島放送局のニュースです。  東京新聞 2018年12月5日 朝刊 4面 福島第一原発痛んだ排気筒はこう解体するより   図1 1/2号機排気筒の痛み具合 1,2,3   図2 痛み箇所4,5と、全体像   図3 福島第一原発痛んだ排気筒はこう解体する  このような詳しい原発報道するのは、東京新聞だけ。読むなら、東京新聞。地方でも、郵送料を追加で支払うと購読できます。問い合わせは、全般 電話 03-5226-5450。  また、朝日新聞の報道によれば、解体するクレーン車は750トンもあります。「高い放射線量、遠隔で操作 作業員の被曝対策 福島第一排気筒解体」2019年8月2日朝日新聞朝刊3面より。   図4 1/2号機排気筒の解体工事をするクレーン車  このような750トンもあるクレーン車を、もともと沼地である、福島第一原発の敷地に設置して、作業することが可能性なのでしょうか。クレーン車の重みで地盤沈下するのではないでしょうか?一時的なクレーン車ではなく、基盤作りから始めて、しっかりとした構造物を1/2号機排気筒の脇に作り、解体工事を行うべきではないでしょうか?しかし、原発建屋脇の治下には、配管、ケーブルなど様々な構造物が埋まっています。これらを付け替える、まては、閉鎖する、という気が遠くなるような作業が待っています。ですから、東京電力は安易なクレーン車作戦にでたのではないでしょうか?  また、カバーもなしに、排気筒をカットすることは、ベントで付着した高濃度の放射能を環境中に撒き散らすことになります。カバーをするべきです。これら懸念される問題点を解決する作業計画を東京電力は練り直すべきです。 以下はNHK 福島放送局のニュースです。こうしたニュースは、福島県限定であり、全国には流れません。「NHK NEWS WEB」で検索してみて下さい。以下のニュース題名をそのまま、入力、検索しても出てきません。意図的、計画的な情報統制です。出てくるのは2019年5月の「クレーンの長さが足りず、解体作業延期」のニュースばかりです。  編集者は、 「NHK NEWS WEB」以外に「NHK 福島放送局」「NHK 福島のニュース」「NHK 福井」をスマホのデスクトップに張り付けています。NHK 福井は、関西電力の原発再稼働やもんじゅトラブルのニュースを確認するためです。これも、多くは、NHK NEWS全体には流れず、検索しても出てきません。NHK 福井だけです。  以下、NHK福島放送局のニュースから。  第一原発排気筒の解体 再び中止 2019年8月7日  19:49 NHK 福島放送局 東京電力福島第一原子力発電所で、連日の猛暑の影響で中断していた高さ120メートルの排気筒を解体する作業が7日、6日ぶりに再開されました。しかし、排気筒を切断する装置に不具合が見つかり、東京電力は7日の作業を中止しました。 事故で核燃料が溶け落ちた福島第一原発の1号機と2号機のすぐ脇にある高さ120メートルの排気筒について、東京電力は今月1日に解体作業を始めましたが、猛暑が続き、作業員の熱中症などが懸念されたことから中断していました。その後、近くに休憩所を設けるなど対策が整ったとして、解体を再開することになり、7日午前9時すぎから、排気筒の上部に取り付けた装置で本体を切断する作業が始まりました。しかし、想定よりも装置の刃の減りが早かったことから、昼すぎに新しい刃に取り替えたものの、今度は4つある刃の1つが動かなくなりました。東京電力は原因の確認を進めましたが、時間がかかるとみられることから7日の作業は中止し、8日以降に延期することを決めました。排気筒は、原発の構内で最も高い構造物で、事故の際、放射性物質を含む気体が放出され内部が汚染されているうえ、水素爆発などの影響で鉄骨にひびも見つかっていて、東京電力は半分ほどのおよそ60メートルの高さまで解体する計画です。 [解説]  2019年8月1日、1/2号機排気筒解体工事を再開した時にも、開始30分で作業が中断しています。 排気筒解体作業開始も一時中断 2019年8月1日 14時23分   NHK 福島放送局 事故から8年4か月あまりがたった東京電力福島第一原子力発電所で、高さ120メートルある排気筒の解体作業が、1日から始まりました。切断を始める前に、装置に異常があることが分かり、一時、作業が中断しました。 作業は、1日午前7時24分に解体装置のつり上げが始まり、午前8時ごろから電線などが通る細かい管などの切断を開始する予定でした。しかし、つり上げを始めたおよそ30分後に、切断装置の動きに異常があることが分かり、解体作業を中断したということです。作業は午後に入って再開されました。

[解説]   NHKの政治マガジン。このレベルです。森山国対委員長の発言の問題点を一切、指摘しない政治マガジン、とは???  大本営発表マガジン、または、安倍晋三応援チャンネル、と名前を変えた方がいい。 バリアフリー「予測されぬ事に予算は慎むべき」森山氏 2019年7月31日  NHK政治マガジン 参議院選挙で重度の障害のある2人が当選したことを受けて、衆議院でもバリアフリー化を進めることについて、自民党の森山国会対策委員長は、慎重に検討すべきだという考えを示しました。 先の参議院選挙で、れいわ新選組から重度の障害のある2人が当選したことを受けて、29日、衆議院の議院運営委員会の理事会では、出席者から衆議院もバリアフリー化を進めるべきだという意見が出され、今後、対応を検討していくことになりました。 これについて、自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し、「衆議院にバリアフリーの対応が必要な議員がいるなら、急がなければいけないが、今のところ、そういうことはないので、予測されないことに予算を使うのは慎まなければいけない」と述べ、慎重に検討すべきだという考えを示しました。 一方、公明党の山口代表は、党の中央幹事会で、「障害を持つ議員の国会活動が保障されるような努力を参議院として可能なかぎり尽くしていく姿勢で臨みたい。そのことがひいては障害者の社会的な活動に寄与していく。国会がモデルを示すという意気込みで取り組んでいく姿勢が大切だ」と指摘しました。  

東京電力福島第一原発1/2号機排気筒解体は8月1日から工事再開 2019年7月25日 21時08分 NHK 福島放送局 福島 NEWS WEB

排気筒解体は8月上旬からに 2019年7月25日 21時08分   NHK 福島放送局  福島 NEWS WEB 福島第一原子力発電所で、延期されていた、高さ120メートルの排気筒の解体について、東京電力は、準備に時間がかかっていることから、今月下旬としていた工事の開始時期を来月上旬にすると発表しました。 福島第一原発の1号機と2号機の建物の隣にある高さ120メートルの排気筒は、内部に高い濃度の放射性物質が付着していて、ことし5月から解体が始まる予定でしたが、直前に作業で使うクレーンの高さが1.6メートルほど足りないことがわかり、延期されていました。東京電力は、クレーンを排気筒に近づけて高さの不足を補うため、周辺の路面の強度を高める工事などを進め、今月10日までに完了したということです。今月22日からは、解体に使う切断装置や遠隔操作のための通信機器の動作確認などを進めていますが、確認に時間がかかっていることや天候不良が続いたことから、東京電力は、今月下旬としていた解体工事の開始時期を来月上旬にすると発表しました。工事の開始は3か月近く遅れることになり、年内としていた解体の完了時期は年度内を目指すとしています。東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は「遠隔操作を用いて、これだけ大型の物を解体するのは初めての経験なので、今後もスケジュールありきではなく、安全第一で進めたい」と話しています。 福島第1原発 排気筒の解体作業開始 2日にも本体を切断へ 2019年8月1日 19:34  毎日新聞 解体作業が始まった東京電力福島第1原発1、2号機の共用排気筒。大型クレーンで切断装置をつるし、上端から輪切りにして撤去する=2019年8月1日(代表撮影)   東京電力は1日、福島第1原発1、2号機の共用排気筒(高さ約120メートル)の上半分を解体する作業を始めた。排気筒は2011年の事故の際、原子炉格納容器の圧力を下げるベント(排気)に使われたが、支柱が破断しており、解体で地震発生時の倒壊リスクを下げる。この日は周辺のはしごの一部などを切る作業を行い、2日に排気筒本体の解体を始める見通し。今年度中の撤去完了を目指す。 現在も排気筒周辺は放射線量が高い。作業員の被ばくを防ぐため、約200メートル離れた地点の大型バス車内から切断装置を遠隔操作するが、この日はトラブルで作業が一時中断される場面もあった。 カッターなどを備えた切断装置は、地元の工事会社「エイブル」(福島県大熊町)が開発。2日からの本体解体では、上部から約2メートルずつ輪切りにする予定。福島第1原発の磯貝智彦所長は「廃炉を進める上でリスクを低減するための大事な作業だ。安全第一でやっていく」と話した。    

南相馬市 坪倉正治先生のとんでも放射線教室「妊婦さんは妊娠していない大人に比べて、セシウムが身体の中に入ったとしても、より早く外に出すことができます」福島民友

[解説]  福島民友新聞社が、毎週日曜日に「坪倉先生の放射線教室」を連載しています。毎回、100ミリシーベルトの被ばくより、喫煙や大酒のみのほうごガンリスクが高く、放射線被ばくより生活習慣病にならないように気を付けることが、大切だ、などのとんでも放射線防護論を吹聴しています。  今回は何と「妊婦さんは妊娠していない大人に比べて、セシウムが身体の中に入ったとしても、より早く外に出すことができます」と。食べ物や呼吸とともに摂取した、放射性セシウムは妊婦さんの胎内の各臓器に蓄積します。胎盤を通じて胎児にも蓄積します。例え、一般成人よりも妊婦の方が、放射性セシウムを排泄するスピードが早い、と言っても、毎日1ベクレル食べているだけで、だんだん体内に蓄積していきます。成人のモデル(健康な白人男性、体重70kg)でも、毎日1ベクレルのセシウム137を食べ続けていくと、700日後には体内に140ベクレル蓄積します。これは、国際放射線防護委員会(ICRP)がPub111に報告しています。  これは、チェルノブイリ周辺住民の内部被ばくデータに基づくものです。チェルノブイリ原発事故後に多くの調査団、支援団体が入っていますが、その多くが放射能で汚染された地域住民に与えたアドバイスは、放射能で汚染された食べ物を出来るだけ食べず、放射能で汚染されていない食べ物を食べるように、ではありませんでした。政府が決めた基準値以下の放射能汚染された食べ物を食べることや、高濃度に放射能汚染されたキノコやベリー、川魚を食べるときは、何度も煮こぼしたり、酢漬けにしたりする、というアドバイスでした。果たして、チェルノブイリ周辺住民の健康状態は改善したのでしょうか?改善しませんでした。チェルノブイリ周辺住民の食べ物の汚染度は、100ベクレル/kgを超える放射性セシウムだったのでしょうか?いいえ、ウクライナの高放射能汚染地帯ナロジチ市でさえ、野菜や穀物はセシウム137だけで10~20ベクレル/kgです。キノコは数千~数万ベクレル/kg。(食品と暮らしの安全 小若順一氏ら調査)2017年7月ウクライナ、ナロジチ市中央病院院長マリア・パシェック氏によれば5~10ベクレル/kgの食品を食べている住民は、みな、健康を害しています。子どもたちは、全員病気です。あるクラス20人中2人は先天的奇形でした。40代半ばで多臓器がんにかかる男性、女性が長い間妊娠できず、やっと妊娠でき産んだ子どもを幼くして白血病で亡くしていました。繰り返しますが、これは100ベクレル/kgを超える放射性汚染食品を食べた結果ではなく、5~10ベクレル/kgほどの食品を食べた結果です。  上のグラフは、国際放射線防護委員会(ICRP)が作成した、1回だけセシウム137を1000ベクレル食べた後、安全な空気、水、食べ物を食べた場合の体内に放射性セシウムがどのくらいの時間が経過したら、体内の放射性セシウムが0ベクレルになるのか、と研究したものであると同時に、チェルノブイリ周辺住民がどのくらい放射性セシウムを食べていて、それがどれくらい体内に蓄積していくか、というグラフです。  毎日放射性セシウムを1日1ベクレル食べていくと、約700日後には、体内放射性セシウム濃度は、140ベクレルほどになる。  そして、ウクライナ、ナロジチ市の住民のように、毎日10~20ベクレル食べていくと、約700日後には、体内の放射性セシウム濃度は1400ベクレルを超える。おとなは1日だいたい2kg食べますから、毎日10~20ベクレル食べる、すなわち、5~10ベクレル/kgの食品を食べる、ということ。これはナロジチ市の食品の放射能汚染濃度とほぼ同じです。  これはチェルノブイリに支援に入った様々な団体の実測値に基づくものであり、いわば、人間をモルモット扱いにして得られたデータです。放射能汚染地帯住民に「放射性で汚染された食べ物は食べないように」とは言わず、「基準値以下の放射能汚染食品は安全ですよ」と言い続け、住民に放射能汚染食品を食べさせ続けさせた研究です。国際放射線防護委員会(ICRP)に言わせれば、これでも内部被ばく年間1ミリシーベルトにも行かない、と言います。しかし、実際のウクライナ、ナロジチ市住民は、子どもはみな病気、先天的奇形も産まれる、40代で多臓器がんで亡くなる。女性も妊娠できなくなる、子どもも幼くして白血病で亡くなる、状況です。  ウクライナ、ナロジチ市の食品の放射能汚染の状況ら、福島県南相馬市の食品の汚染状況とそっくりです。今のウクライナ、ナロジチ市の姿は、未来の南相馬市を写している、と言えます。  坪倉正治先生の言うことを信じていると、過酷な未来を迎えることになるでしょう。  自分も、子どもたちも、健康を維持する道。それは、できうる限り、放射能で汚染された食べ物を食べないこと、早めの保養に行くことです。セシウム137で数ベクレル/kgの放射能汚染の食品を食べ続けながら、健康を維持することは決してできません。   坪倉先生の放射線教室 妊婦の検査体制を整える 2019年07月28日 福島民友        原発事故後、放射線被ばくを抑えるためにさまざまな検査や対策が行われてきました。そしてその結果は報告書や論文にまとめられています。ここではその中のいくつかを紹介したいと思います。  南相馬市立総合病院では、2012年から通常の内部被ばく検査に加え、希望される市内の妊婦さんに対し、検査ができる体制を整えてきました。妊娠中には被ばくがより心配になるのは当然です。この検査は南相馬市の医師会長だった故・高橋亨平先生の声掛けで始まりました。  これまでの数年間に市内の約600人弱の妊婦さんを繰り返し計測し、誰からもセシウムを検出したことがありません。その一方で、いわゆる福島県産を避けるという状況は年々減ってきてはいるものの、依然として存在していました。  妊婦さんは妊娠していない大人に比べて、セシウムが身体の中に入ったとしても、より早く外に出すことができます。通常の大人でももうほぼ検出しないような状況の現在、妊婦さんの誰からも検出はしなかったことは特に驚くような結果ではありません。  この結果は、今回の原発事故後セシウムによる内部被ばくが妊婦さんおよび生まれてくるお子さんの健康に影響を与えることはないことを示しています。                    

壱岐市、白血病死亡率 玄海原発稼働後、約6倍に増加 2019年3月5日 壱岐新報

[追記]2019年9月28日 中村隆市氏facebookより画像を追加。 原発稼働後、約6倍に増加 驚愕の数値、専門機関による詳細な調査が必要 2019年3月5日 壱岐新報  図 玄海原発と壱岐市の位置関係 玄海原⼦⼒発電所と原発周辺⾃治体との⽩⾎病死亡率増加について、原発と⽩⾎病発症についての因果関係を調べている⿂住昭三弁護⼠(⻑崎市)と、市防災⼠会の辻樹夫会⻑が公表した資料から、本市における⽩⾎病死亡率の詳細な推移がわかった。  資料は昭和44年から始まるデータを記載し、5年ごとの⽩⾎病死亡率をまとめたもの。対10万⼈数の⽩⾎病死亡率は、玄海原発稼働前と後とでは6から7倍に増加しているという驚愕の数値が並ぶ。また原発周辺⾃治体も同様に、昭和50年の⽞海原発1号機の稼働開始以降から死亡率増加を⽰す推移を⽰している。 各県保健部局が毎年発⾏している衛⽣統計年報(⼈⼝動態編)を引⽤した資料によれば、⽞海原発1号機が稼働する以前の昭和44年から昭和52年までの期間は、本市における対10万⼈数の⽩⾎病死亡率は約3.6⼈と、同期間の全国平均3.5⼈とほぼ同じ数値となっている。 しかし昭和50年に⽞海原発1号機が稼働を始め、その6年後の昭和56年に2号機が稼働開始、平成6年に3号機、平成9年に4号機が稼働を開始するに従い、⽩⾎病死亡率は増加の⼀途をたどっている。平成9年から平成23年までの期間は、全国平均5.7⼈に対して、本市は26.2⼈にも及ぶ。  ⽞海原発は⽩⾎病を誘発すると⾔われるトリチウムを放出する。放出量は全国にある他原発の中で最も多く、稼働開始から現在に⾄るまで⼤気中や海洋中に放出され続けている。トリチウムは放射能を含んでいると⾔われ、全ての原発や核燃料再処理施設では回収されず、⾃然環境に垂れ流しの状況から、世界中でも深刻な問題となっている。本市は⽞海原発の対岸にあり、島の周囲は海で囲まれているため、海洋に流されたトリチウムを周囲の海洋⽣物を介して、住⺠が⾷事などで摂取している可能性は⾼い。 ⼀⽅で県北部の⽩⾎病率の⾼さは、ウイルス性による風⼟病とされている。特に⻑崎県はウイルスキャリアが多いことから、⽞海原発1号機稼働開始前から発症の割合は全国平均よりも⾼い。昭和44年から49年の全国平均3.5⼈に対し、本市は3.9⼈とわずかな差であり、他の県北部⾃治体も同様の数値だ。しかし平成9年以降は全国平均から6倍近い明らかな差が⽣じている。  市防災⼠会の辻会⻑は「資料にまとめたデータは、各⾃治体が公表したもので改ざんする必要がない。相関関係の無視は許されない」と厳しい⼝調で語った。また「⽞海原発の原⼦炉冷却海⽔は毎秒70㌧も壱岐⽔道に放出され、海⽔温度上昇により漁業にも影響がある」とし「市は九電に明確な調査と対応を要求すべき」と述べた。 現在のところ、⽩⾎病の数値は、ウイルス性の風⼟病との考えや、他国から放射性物質などの⾶来による可能性を疑う考えがある。しかし専門機関による正確な調査は⾏われておらず、⽞海原発と⽩⾎病の因果関係は不明のままだ。ただ各⾃治体公表の資料からは、原発との関連も否定できない。不透明感が残るなか、⼀刻も早い調査を⾏う段階にいる。※数値を⽰す表は本紙に掲載

川口市の水道水の放射能汚染に関するブログの記事の誤りについて 2019年7月28日 内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也 [改訂]2019年7月29日

川口市の水道水の放射能汚染に関するブログの記事の誤りについて  2019年7月28日 内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也 [改訂]2019年7月29日 内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也 ① 誤って大阪・高槻・市民放射能測定所の検査結果が「5ベクレル」標準汚染玄米のデータを掲載していました。ただしく、産業技術総合研究所の「81g,85ベクレル標準汚染玄米」のデータと差し替えました。 ② 水道水の放射能汚染の濃度計算を川根も間違えました。正しくは埼玉県川口市の水道水の放射能汚染濃度は0.000289ベクレル/L。シーディークリエーションのブログの表記の0.0048ベクレル/Lの16.8分の1。 ③ 小豆川勝見氏が2019年5月に行った、東京大学の水道水の放射能汚染の測定結果0.0024ベクレル/Lでした。もし、埼玉県川口市の水道水の汚染濃度が、2019年5月の東京大学の水道水の汚染濃度と同じ汚染濃度であるとすると、シーディークリエーションのシャワーヘッド浄水器の放射性セシウム除去率は12%になります。 ④ なぜ、セシウム134濃度とセシウム137濃度とを合計してもいいのに、フィルターA(人工ゼオライト50g)、フィルターB(天然ゼオライト+活性炭80g)の濃度は足し合わせてはいけないか、説明を追加しました。 以上を中心に全面的に書き直しました。 [改訂版]2019年7月29日   川口市の水道水の放射能汚染に関するブログの記事の誤りについて 2019年7月26日 内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也  改訂 2019年7月29日 (1)秋田市民放射能測定室べくれでねがさんが、セシウム吸着をするシャワーヘッド浄水器(シーディークリエーション社製 代表 鈴木優彰氏)に対して、誤検出連発、東大の小豆川勝見氏の検証では4.8%しか放射性セシウムを取っていない、と批判するブログを書きました。2019年6月28日。  川根は、自宅にこのシャワーヘッドを装着し、どれくらい放射性セシウムが取れるか、実験に協力してきましたし、その結果の一部について、内部被ばくを考える講演でも話してきました。  今回、改めて、シーディークリエーションのブログの内容を、電卓をたたいて検証したところ、測定結果は正しいのですが、重大な計算ミスがあることが分かりました。この計算ミスのため、水道水の放射能汚染水濃度が、本来の16.8倍高い濃度で推定される誤りがありました。また、その水道水の放射能汚染を計算する際に、吸着した放射性セシウムの重量を通水量で割るべきなのに、この濃度で割ってしまったために、高い放射能汚染が計算される結果となりました。埼玉県川口市水道水0.00486ベクレル/Lとブログでは書かれていますが、川根の再計算の結果は0.000289ベクレル/Lです。そのブログの約16.8分の1程度の濃度です。この問題については、シーディークリエーションの鈴木優彰氏にも伝え、現在、ブログ記事の訂正を求めています。  川根が協力した水道水の放射能汚染測定のブログで、測定結果は正しいものの、水道水の放射能汚染濃度を約16.8倍高く計算する内容となっていました。測定に協力したものとして、深くお詫びして、謝罪いたします。   以下が、川根が協力した水道水の放射能汚染測定に関するブログで、誤りを見つけたものです。他のブログ記事は、川根が協力した以外の、他地域の水道水の放射能汚染測定に関するにも同様な誤りがあります。  埼玉県川口市の水道水中のセシウム シーディークリエーション 2018年05月16日 https://cdcreation.grupo.jp/blog/2166771 埼玉県川口市の水道水中のセシウム シーディークリエーション 2017年02月12日 http://cdcreation.grupo.jp/blog/1657064 埼玉県川口市の水道水のセシウム汚染(2) シーディークリエーション 2017年07月19日 https://cdcreation.grupo.jp/blog/1838041 CDSW-01各地のセシウム値 シーディークリエーション 2017年04月01日 https://cdcreation.grupo.jp/blog/1717370 ミニシャワーヘッドに入れたゼオライト測定 シーディークリエーション 2016年09月01日 https://cdcreation.grupo.jp/blog/1440051 埼玉県川口市の水道水中のセシウム シーディークリエーション 2016年08月27日 https://cdcreation.grupo.jp/blog/1434246 (2)ただし、このシーディークリエーションのブログにおける、ヨウ化セシウムシンチレーション式放射能測定器iFKR-ZIPの測定結果については正しいものです。これはスペクトルデータを見て判断することができます。秋田市民放射能測定室べくれでねが氏の「黒のバックに緑色のラインが入っているものが掲載されている場合は誤測定の可能性が高いため」という批判はまったくあたりません。秋田市民放射能測定室べくれでねが氏も、東京大学の小豆川勝見氏も自らの放射能汚染測定結果にスペクトルデータをつけていません。スペクトルデータを検討することにより、誤検出がどうかがまず判断できます。スペクトルデータを公開できない測定こそ、誤検出の疑いがある、と判断されます。 (3)川根がシーディークリエーションのブログの計算ミスについて、すぐにわからなかったのは、ヨウ化セシウムシンチレーション式放射能測定器iFKR-ZIPの測定器の仕様を十分理解していなかったためです。今回、製作者のシンメトリックス社の野中修二氏の解説を聞き、仕様とその分析能力、使い方を理解することができました。同時に、シーディークリエーションのブログの計算ミスから、水道水の濃度を高く評価してしまったことを発見することができました。  専門的なことですが、通常のNaIシンチレーション式検出器やGe半導体検出器は、放射線を感知するヘッドと呼ばれる部分は円筒形をしていて、その上にドーナツ型のマリネリ容器に検体となる食品や水などを詰め込んだものをかぶせるようにして測ります。このヘッドと呼ばれる部分がGe(ゲルマニウムにアルミニウムなどの不純物を混ぜ込んだP型+シリコンにリンなどを混ぜ込んだN型をくっつけたもの)やNaI(ヨウ化ナトリウムの結晶)が入っています。しかし、NaIシンチレーション式検出器やGe半導体検出器では、試料が外側に向けて放射線を出した場合に、その放射線をカウントすることができません。  図1 ゲルマニウム半導体検出器のヘッド部分 図2  ゲルマニウム半導体検出器 マリネリ容器  一方、シャワーヘッド浄水器を開発した、シーディークリエーションが使っている、CsIシンチレーション式放射能測定器iFKF-ZIPは、Ge半導体検出器やNaI測定器とは根本的に測定方法が違います。まず、CsIシンチレーション式放射能測定器iFKF-ZIPには測定室が2つあります。それもマリネリ容器を使うのではなく、通常のジップロップ袋に検体を160gずつ2つ入れて、それぞれの測定室に入れて測ります。ジップロック袋とジップロック袋の間に、CsI(ヨウ化セシウムの結晶)が挟み込まれるようにして、検体から出てくる放射線を四方八方から受けて、光信号にかえて測定します。当然、検体の外側に出た放射線は測れませんが、ジップロックでほぼ平面的になった形状で測るので、間に挟まれたCsIの結晶が受け止めた放射線と同じ量が外部にも出ている、として、計測を行います。 図3 放射能測定器 iFKR-ZIPの使い方  この仕様のため、CsIシンチレーション式放射能測定器iFKF-ZIPでは、検体重量が320gで測ることを前提に作られていて、1ベクレル/kg程度まで精度の高い測定ができます。大阪・高槻・市民放射能測定所で、このiFRK-ZIPを使って10時間測定で、産業技術総合研究所が作った81g,85ベクレルの標準汚染玄米を、誤差―2.01%まで測定できた測定結果がこちらです。 大阪・高槻・市民放射能測定所 国立研究開発法人産業技術総合研究所の「標準玄米」試料測定 産総研85Bq/kg試料による機器チェック ブログ大阪・高槻・市民放射能測定所 2017年2月25日 https://takatsuki-sokuteisyo.blog.so-net.ne.jp/archive/201702-1 スペクトルデータ https://takatsuki-sokuteisyo.blog.so-net.ne.jp/upload/detail/m_20170215hyoujun-genmai-hon20h-c4de9.jpg.html  iFKR-ZIPの仕様は検体重量を320gとしています。ですから標準米試料は81gです。iFKR-ZIPで打ち出されている数値を重量換算する必要があります。 その結果は次の通りです。  IFKR-ZIP測定値 Cs all 52.9Bq/kg  Cs134 7.50Bq/kg  Cs137 45.83Bq/kg   計算値     Cs all 53.99Bq/kg  Cs134 7.32Bq/kg  Cs137 46.67Bq/kg  測定値と計算値との差はわずかに-2.02%です。  (注)これは、産業総合研究所が、食品の放射能汚染を測定する放射能測定器が正しい値と出しているかをチェックするために、作った「81gで放射性セシウム85ベクレルの標準玄米」(2012年8月31日から産業総合研究所が頒布を開始)を測定したものです。セシウム134は半減期2.0年、セシウム137は半減期30.0年で減衰していきます。産総研の「81g,85ベクレル標準汚染玄米」は、2017年2月15日段階の理論値は、セシウム137については46.67ベクレル/kg、セシウム134については7.32ベクレル/kg、合計53.99ベクレル/Kgです。これに対して大阪・高槻・市民放射能測定所が同じ汚染レベルの「81g,85ベクレル標準汚染玄米」を測定した結果はセシウム137について45.83ベクレル/kg、セシウム134については7.50ベクレル/kg、合計52.9ベクレル/Kgです。放射性セシウム合計で比べると、iFLR-ZIP 52.9、理論値 53.99。その差 ―1.09。―1.09÷53.99×100=-2.02(%)  iFKR-ZIPでは1ベクレル/kgまでの測定も可能です。Ge半導体測定器だから、精度の高い測定ができる、というのは機器計測に対する誤解です。正確な校正や温度管理ができなければ、Ge半導体検出器でも数ベクレル/kgの測定にも失敗することがあります。放射性セシウム5ベクレル/kgの測定をGe半導体検出器で行った場合でも、±2~3ベクレル/kgの測定誤差を出してしまう例もあります。数ベクレル/kgの測定では、機器の能力だけでなく、Ge半導体検出器を使う測定者の技量も問われます。  秋田市民放射能測定室べくれでねが氏と小豆川勝見氏は、測定の数値だけではなく、スペクトルデータも公表するべきです。そうでなければ、低線量の放射能汚染が正確に測れているのか、判断できません。 (4)シーディークリエーションのブログの根本的な誤りは、同じ物質の濃度と濃度を、足し合わせたこと。その足し合わせた濃度で、水道水の汚染を計算したことです。  例えば、自転車を時速30kmで5分こいだあと、自転車で坂道を時速60kgで5分こいだとします。10分の間の平均の速さは、時速30km+時速60km=時速90kmでしょうか?いいえ。正しくはそれぞれのかかった時間を出し、それぞれの移動した距離を出し、時間、距離それぞれを合計した後、速度の割り算をします。5分+5分=10分、移動距離30×5/60=2.5kmと移動距離60×5/60=5と足す、7.5km。7.5kmを10/60で割ると、時速45kmになります。簡単に言うと、だいたい、平均速度は2つの速度の中間になります。濃度についても同じです。濃度は速度と同様足してはいけないのです。  2018年5月16日のシーディークリエーションのブログで、埼玉県川口市の水道水の通水量は約6ヵ月で38,473L。 人工ゼオライト50gについた放射性セシウム濃度は20.2ベクレル/kg(iFKF-ZIPの表示、重量を320gとして換算している)本当は50gしか検体の重量はないのですが、20.2ベクレル/kg濃度のものが320gについているとのiFKF-ZIPの検査結果が出ています。ベクレル/kgとは1kgあたり、つまり1000gあたりにどれくらいのセシウムが何ベクレルあるか、です。つまり、吸着したセシウムのベクレル数は20.2÷1000×320=6.464ベクレル(ここでは有効数字を無視して計算結果のみ)。しかし、実際の検体は50gですから、人工ゼオライトが吸着した放射性セシウム濃度は、6.464÷50g×1000g=129.28ベクレル/kgです。ここまでは、2018年5月16日のシーディークリエーションのブログの計算はあっています。  天然ゼオライト50g+活性炭30gについた放射性セシウム濃度は14.5ベクレル/kg(iFKF-ZIPの表示、重量を320gとして換算している)本当は80gしか検体の重量はないのですが、14.5ベクレル/kg濃度のものが320gについているとのiFKF-ZIPの検査結果が出ています。ベクレル/kgとは1kgあたり、つまり1000gあたりにどれくらいのセシウムが何ベクレルあるか、です。つまり、吸着したセシウムのベクレル数は14.5÷1000×320=4.64ベクレル(ここでは有効数字を無視して計算結果のみ)。しかし、実際の検体は80gですから、人工ゼオライトが吸着した放射性セシウム濃度は、4.64÷80g×1000g=58ベクレル/kgです。これも、2018年5月16日のシーディークリエーションのブログの計算はあっています。  問題はこの次からです。フィルターA、人工ゼオライトが吸着した放射性セシウム濃度 129.28ベクレル/kgと、フィルターB、天然ゼオライト+活性炭が吸着した放射性セシウム濃度 58ベクレル/kgと足して、187.28ベクレル/kgの汚染があった、と書いてしまったことです。 同じ物質の濃度と濃度とは足してはいけないのです。時速30kmと時速60kmで走った自転車の平均速度が時速90kmになることはありません。濃度も同じです。正しく計算するなら、平均濃度はそれぞれの濃度の中間くらいになります。 通常の放射能測定では、測定室が1つであり、測定は放射性セシウム2種類セシウム134,セシウム137を対象にして行われます。この場合は、人体への健康被害を推定するために、別々の違う核種ですが、セシウム134濃度とセシウム137濃度とを足し合わせます。 (注)正確には、セシウム134(半減期2年)の方がセシウム137(半減期30年)より、内部被ばくした場合の影響が大きいです。これは同じベクレル数でも半減期が2年と短いので、より短い時間により多くのベータ線、ガンマ線を出して、DNAや細胞を傷つけるからです。セシウム134とセシウム137とを足し合わせて評価するのは本来間違いで、セシウム134の過小評価につながります。本来であれば、セシウム134のベクレル数を1.5倍など大きくしてから、足し合わせるのが正当な評価であると言えるでしょう。 フィルターA(人工ゼオライト50g)、フィルターB(天然ゼオライト+活性炭80g)の測定はそれぞれ別々に行い、セシウム134の濃度、セシウム137の濃度を測定して結果を出しています。 ですから本来は ①フィルターAに吸着したセシウム134の量(ベクレル)+フィルターBに吸着したセシウム134の量(ベクレル)=シャワーヘッド浄水器が除去したセシウム134合計量(ベクレル)を出す。 ②フィルターAに吸着したセシウム137の量(ベクレル)+フィルターBに吸着したセシウム137の量(ベクレル)=シャワーヘッド浄水器が除去したセシウム137合計量(ベクレル)を出す。 ③ ①をフィルターA,Bの人工ゼオライト、天然ゼオライト、活性炭の合計重量(130g)で割り、セシウム134の吸着濃度(ベクレル/kg)を出す。 ④ ②をフィルターA,Bの人工ゼオライト、天然ゼオライト、活性炭の合計重量(130g)で割り、セシウム137の吸着濃度(ベクレル/kg)を出す。 ⑤ ①+②で人工ゼオライト、天然ゼオライト、活性炭の合計重量(130g)が取り除いた放射性セシウム総合計の重量(ベクレル)を出す。 ⑥ ⑤を通水量で割って、1Lあたりの水道水の放射能汚染濃度を推定する。 という順番で計算するべきでした。  それをシーディークリエーションのブログでは、フィルターAが吸着したセシウム濃度(ベクレル/kg)とフィルターBが吸着したセシウム濃度(ベクレル/kg)とを足し合わせて、「セシウム総量」と表記していました。ここには、同じ物質のセシウム134濃度(A)+セシウム134濃度(B)と、合計されてしまっています。すなわち、自転車の例では時速30km+時速60km、つまり時速90kmで走ったと計算したことになります。本来は平均の速さを求めると、時速30kmと時速60kmとの中間くらいの数値になるはずですが、足し合わせると2倍くらいの数値になってしまいます。  同様に、フィルターAが吸着したセシウム濃度(ベクレル/kg)とフィルターBが吸着したセシウム濃度(ベクレル/kg)とを足し合わせて「セシウム総量」と表記することで、同じ物質のセシウム137濃度(A)+セシウム137濃度(B)とが合計されてしまっています。足し合わせると2倍くらいの数値になってしまいます。  さらに、1Lあたりの水道水の放射能汚染濃度を推定するには、実際にA,Bのフィルターに吸着したセシウム134,セシウム137の合計量(ベクレル)を通水量で割らなくてはいけないのに、A,Bの足し合わせた濃度(ベクレル/kg)で割ってしまったことです。  吸着したセシウムはセシウム134,セシウム137合計11.104ベクレルです。ですから、この11.104を通水量38,473Lで割らなくてはいけなかったのです。濃度+濃度で187.28ベクレル(表記はベクレル/kgだが、意味としてはベクレルとして計算している)もある、という計算をしてしまったのです。このことで、約16.8倍もの高い水道水の放射能汚染があるかのようなブログになっていました。  川根もiFKF-ZIPが2つ測定室がある、とは聞いていたので、すぐにはこのブログの誤りには気づきませんでした。製作者シンメトリックス社の野中修二氏の説明を聞いて、なぜ、2つの測定室があるのか、精度が高い測定ができるのはなぜか、と伺って、やっと、このブログの間違いを理解することができました。また、本来は、320gで測定ができるように、それも測定室の内側のそれぞれの面にジップロックが入った160gずつの検体が密着することを想定して作られている測定器ですから、50g、80gの検体では、測定器の仕様に合っていないため、正確な測定とは言い難いと思います。できれば、汚染された人工ゼオライトや、天然ゼオライト+活性炭に同様な性質の物体を加えて320gにして測定するのが、本来の仕様の測定能力が発揮されると思います。  いずれにしても数年間にわたり、このシーディークリエーションのブログの誤りに気がつかなかったことを深くお詫びいたします。 (5)ちなみに、2018年5月16日のシーディークリエーションのブログでは、埼玉県川口市の水道水の放射能汚染の濃度は、放射性セシウム濃度0.0048ベクレル/Lと記載されていますが、川根が計算しなおしたところ、放射性セシウム濃度は0.000289ベクレル/Lでした。先の約16.8分の1の濃度です。  シャワー浄水器の測定実験に協力し、また、ブログを見ながらも、その誤りに気がつけなかったことをここの深くお詫びいたします。  しかし、東京大学の小豆川勝見氏の水道水通水実験(シャワーヘッド浄水器の実験ではなく、東大の水道水の濃度を比較するために測った)では、小豆川勝見氏が、ブログの中で2019年5月に自身が「水道水に含まれる137Csを公定法[3]に基づいて測定しました。その結果、137Csの濃度は0.0024ベクレル/kgでした。」と書いています。これは、川根の自宅で2017年11月18日~2018年5月14日までの約6ヵ月通水した、38,473Lの水道水からこのシーディークリエーションのシャワーヘッド浄水器が取り除いた0.000289べクレル/L(川根の再計算の結果)と比べると約8.3倍です。もし、2019年5月時点での東京大学の水道水の濃度が、川根が6か月間シャワーヘッド浄水器を通水した期間の濃度と同じであるならば、このシャワーヘッド浄水器の放射性セシウム除去率は、1Lあたりに換算すると、水道水0.0024ベクレルに対して、0.000289ベクレル除去したことになります。つまり、除去率12%です。  一方、2019年5月に東京大学の小豆川勝見氏が行った、シーディークリエーションのシャワーヘッド浄水器の通水条件が、ブログに掲載されています。「通水条件は、一般家庭の用途を想定し、流量(SV)700(水量は1分間あたりに約2.2L、シャワーの1/3程度の流量)と設定し、室温、研究室内の水道水(Ca 6.02mg/L,Mg 5.25mg/L,硬度 3.67)を用いています」ブログの末尾[2]。  これはシャワーヘッド浄水器の使用目的とはまったく異なります。シーディークリエーションのシャワーヘッド浄水器の特徴は強い流水量で、浄水器内で渦のような水量が生じ、それが人工ゼオライト、天然ゼオライト+活性炭の間を通り抜けています。このことで、放射性セシウムを人工ゼオライト、天然ゼオライト活性炭に吸着させます。シャワーと同じ流水量がなければ、吸着量が落ちます。  通水条件が1/3も違えば、結果が違うのは当たりまえです。東京大学の小豆川勝見氏は、シャワーヘッド浄水器の仕様条件で実験を行うべきでした。シャワーヘッドに取りつけるものですから。除去率は4.8%ではなく、もっと高かった可能性があります。  また、川根の自宅水道水の通水実験を行ったころは、もっと、水道水の汚染が高かった可能性があります。2017年2月からの1年間と、2018年2月からの1年間で、福島第一原発が出した放射能の量を、東京電力の資料で比べると、2倍だったとNHKが報道しました。 資料 福島第一原発 放射性物質の放出量が前年比2倍に NHK 2019年3月8日 http://www.radiationexposuresociety.com/archives/10185 川根が実験に協力した時期の内では、特に2018年2月の福島第一原発からの放出量が大きく、前年が77000ベクレル/時に対して、2018年2月は240000ベクレル/時でした(東京電力 1~4号機からの追加的放出量の評価結果より)。ですから、実際の水道水はもっと汚染されていて、このシーディークリエーションのシャワーヘッド浄水器が取り除いたのは、12%ではなく、さらに低く数%であった可能性もあります。 図4 福島第一原発原子炉建屋からの追加的放出量の評価 2017年と2018年の比較 川根眞也 2019年3月25日 実際にはシャワーヘッド浄水器が吸着した放射性セシウム濃度から、水道水の放射能汚染は計算できません。放射性セシウムを1Lあたりどれくらい取り除いたかは、計算で求めることはできます。シャワーヘッド浄水器が取り除くのは、水道水の放射能汚染の一部であり、計算されたよりも高い濃度の水道水の放射能汚染がある、ことは肝に銘ずるべきです。   しかし、大事なのは、水道水から放射性セシウムが検出されること。それもGe半導体検出器やCsIシンチレーション式検出器で検出されるレベルの放射能汚染が東京都(東京大学)や埼玉県(川根の自宅)水道水から出る、ということです。  日本分析センターの阿部俊彦氏らが「1988年度降下物陸水海水土壌および各種食品試料の放射能濃度」という資料の中で、水道水の放射能汚染を9県で年1~4回測定した結果を報告しています(第33回環境放射能調査研究成果論文抄録集昭和63年度(1988年)科学技術庁)。  これによると、1988年度の日本の水道水の放射性ストロンチウム濃度、放射性セシウム濃度は   ストロンチウム90 0.0012ベクレル/L(試料数92)   セシウム137    0.0002ベクレル/L(試料数92)   先の東京大学の小豆川勝見氏は、東京大学の水道水を測定した結果が、0.0024ベクレル/Lですから、1988年当時のなんと12倍もの放射性セシウムが東京都の水道水から検出されたことになります。この問題について小豆川勝見氏は語りません。0.0024ベクレル/kgものセシウム137が出る水道水の危険性について、小豆川勝見氏は一言も触れません。  <参考> 市販品浄水器の放射性セシウム吸着率の検証 小豆川勝見 日付なし https://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/users/user-10609/purifier.html   余談ですが、2019年4月10日に、大熊町は町の面積の38%にも及ぶ地区を避難指示解除しました。その決定を大熊町が行う際に、参考にしたのが、土壌のプルトニウム239やストロンチウム90の汚染です。しかし、大河原地区3か所、中屋敷地区2か所のプルトニウム239やストロンチウム90しか公表されていません。それも大気圏内核実験の汚染と変わらないレベルの数値です。果たして、38%の町がこの汚染レベルなのでしょうか? この避難指示解除にOKを出したのが、大熊町除染検証委員会ですが、東京大学、小豆川勝見氏はこの大熊町除染検証委員会の委員です。ストロンチウム90を測る専門家が「大丈夫だ」と言ったから、大熊町の避難指示解除は行われたのです。 図5 第1回大熊町除染検証委員会 委員 出席者 2018年11月8日 <参考> 2019年4月10日、東電福島第一原発の立地自治体、大熊町の避難指示解除のデタラメを問う。プルトニウム239+240、ストロンチウム90の合計100箇所のデータを公開せよ! http://www.radiationexposuresociety.com/archives/10325   先に紹介した、小豆川勝見氏のブログには、国際原子力機関(IAEA)のリンクが貼ってあります。小豆川勝見氏が、国際原子力機関(IAEA)に無批判であり、国際原子力機関(IAEA)の放射線防護理論を丸ごと受け入れていなければ、自身のブログに国際原子力機関(IAEA)のリンクは貼らないでしょう。  まさか、小豆川勝見氏は国際原子力機関(IAEA)の次期日本委員候補なのでしょうか?  (6)シーディークリエーションの鈴木優彰氏にもブログの誤りを伝え、現在、ブログ記事の訂正を求めています。当面、誤解を生むことがあることを深くお詫びいたします。しかし、東日本全域の水道水の放射能汚染が事実としてあることは変わりません。  ベクレルからシーベルトを計算する数式も、国際原子力機関(IAEA)や国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた、実効線量係数に基づくものです。市民団体でも、この実効線量係数を無批判に使い、内部被ばくが計算できるとか、これくらの放射能汚染は年間1ミリシーベルトにはいかない、という誤った放射線防護理論が信じられています。  しかし、年間1シーベルトの内部被ばくは、2011年7月時点での計算では、1人の人間のからだの中に放射線セシウムが5万1000ベクレル、たまった時です。これは国際放射線防護委員会(ICRP)の実効線量係数を使うと、このようなところまで、安全、となるのです。なぜなら、国際放射線防護委員会(ICRP)は、一般人に年間1ミリシーベルトを許容線量としていますから。しかし、1人の人間のからだの中に、5万1000ベクレルもの放射性セシウムがあるのは、死の危険があります。事実、川俣町で自家野菜、野生きのこを食べて、2万ベクレルも蓄積した男性は、この毎日新聞の記事が書かれた1年後、突然死されています。  毎日新聞2012年8月22日 自家栽培の野菜食べ 福島の男性2人   国際原子力機関(IAEA)や国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護理論を信じていると、殺されます。これからも、川根は、東日本に広がる放射能汚染の実態を明らかにし、市民の健康を守るために活動をしていきたいと思います。   以下に、上記毎日新聞の記事も掲載されています。  <参考> 放射能の基礎知識 人工放射能はなぜ危険か? http://www.radiationexposuresociety.com/archives/6988          

デブリ除去、2号機から 政府・東電 21年にロボ投入 2019年7月25日 読売新聞 朝刊 1面

〈解説〉  2021年から、東電は、福島第一原発2号機の核燃料デブリを取り出す計画、と報じました。「おい、おい。何言っているんだ?」という感じです。「2号機は水位が約30cmと低く、取り出しが容易」と解説も、図中に書かれています。  東電の資料を調べてみても、今、核燃料デブリがどこにどのような状態にあるのか、分かった、という資料はありません。核燃料デブリがどこに、どのような状態であるのか、分からないのに、取り出せる訳がありません。だいたい、何故、水位がそんなに低いのですか?今まで1日何百トンもの冷却水を投入してきたのに。東電は、今年の5月13日から、2号機の注水停止実験を行いました。 [参考] 2号機燃料デブリ冷却状況の確認試験の結果(速報)について 2019年5月20日 東京電力  疑問なのは、核燃料デブリがたった8年2ヶ月で冷える訳がないですから、何故、注水を停止できるのか、です。合理的な結論は、核燃料デブリがもう建屋の地下1階にもないから。核燃料デブリはコンクリートを溶かし、地下にドンドン潜り込んでいて、上から注水、冷却しようとも効果ないから、です。  もし、この仮説が正しいなら、核燃料デブリは、2号機の地下にあります。地下にまでどんどん潜り込んでいている核燃料デブリを取り出す方法などあるのでしょうか?  少なくとも、東京電力が、2号機の核燃料デブリがどこに、どのような状態であるのか、公表しない限り、「2021年にロボ投入」は、単に、ロボットを入れただけで終わるでしょう。   読売新聞は、真実を隠す新聞だ、とつくづく思います。読売新聞読むと、世の中が分からなくなります。  ちなみに、新聞紙面では、上記のように「デブリ除去、2号機から 政府・東電 21年にロボ投入」ですが、なぜか、読売新聞電子版では「デブリ除去、『安全・確実』な2号機から…ロボ投入も」となっています。読売新聞が勝手に「安全・確実な」を入れたのでしょうか?それとも、東京電力がそう説明した、のでしょうか?どちらにしても、説得力のない、形容詞です。また、2019年7月25日読売新聞朝刊が印刷された後、「安全・確実な」という言葉が挿入された、のです。どこからかの、圧力によって。 写真 誌面 2019年7月25日 読売新聞 朝刊 1面 写真 電子版 2019年7月25日 読売新聞 朝刊 1面 デブリ除去、2号機から 政府・東電21年にロボ投入 2019年7月25日 読売新聞 朝刊 1面  政府と東京電力は、福島第一原子力発電所2号機で2021年、核燃料デブリの取り出しを始める方針を固めた。廃炉に関する技術的な助言を政府に行う専門機関が来月にも、この方針を盛り込んだ技術戦略プラン(概要版)を発表し、具体的な工法の検討に入る。廃炉の成否を左右するデブリ取り出し作業に向け、準備が本格化することになる。  福島第一原発1~3号機は2011年3月の事故で炉心溶融(メルトダウン)が起き、現在、廃炉作業が続いている。2号機では、原子炉格納容器の底部でデブリとみられる小石状の堆積たいせき物を確認し、機器でつまんで動かすことにも成功している。一方、1号機は格納容器外側の放射線量が高いため、内部調査が難しくデブリをまだ確認できていない。3号機は格納容器内の水位が高く、取り出し作業が困難な状況にある。  政府に技術面の提言をする「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」は各号機の状況を検討した上で「2号機は他号機よりも取り出し作業が安全、確実に進められる」と判断。技術戦略プランに、最初に取り出す号機は2号機と明記する方針だ。  これを受け、政府と東電は、デブリの取り出しを21年に2号機から始める方針を今年度中に正式決定し、廃炉工程表に盛り込むことを検討する。今年度後半にもデブリを試験的に少量採取し、取り出しに向けての課題を調べる。  政府や東電は、格納容器の側面にある穴からデブリ取り出し用のロボットアームを投入する方法を検討している。アームは現在、英国などで開発中だ。今後、アームの詳しい仕様や準備工事の内容、作業員の訓練計画の検討を本格化させる。  戦略プランでは最初の取り出しは小規模にとどめ、デブリを入れた容器を敷地内の別の建屋に仮保管する方針も盛り込む。本格的な取り出しは、デブリの性質を見極めた上で進める。  同機構に協力する専門家の一人は「2号機で得られた経験を他の号機にも生かすべきだ」と話している。   ◆核燃料デブリ=事故で高温になった核燃料が、燃料を覆う金属管や炉内の配管などと共に溶けた後、冷えて固まったもの。事故の状況によって形状や組成、硬さが異なる。  [解説]長い道 安全対策万全に  東京電力福島第一原発1~3号機にある核燃料デブリの総量は推定で800トンを超える。廃炉完了まで約30年。デブリを最初に取り出す号機の決定は、長いデブリ処理の道のりの第一歩に過ぎない。  デブリが広がる原子炉格納容器の内部の放射線量は、人が入れば死に至るほどの高さだ。遠隔操作のロボットを使わないと、内部を見ることすらできない。  2号機ではデブリらしき堆積(たいせき)物が確認されているが、カメラで撮影できた範囲に限られ、全体像はつかめていない。実際には、格納容器底部のコンクリートの床に浸食するなど、取り出しが極めて難しいデブリが大量に存在するとみられる。取り出しは、世界でも例のない困難な作業になる。  作業では、放射性物質の漏えいや、核分裂反応が連続する臨界が起きないよう、万全の対策が求められる。危険なく、かつ迅速に進めるには、安全性を監視する原子力規制委員会によるチェックや関係機関での情報共有も欠かせない。 (科学部 井上亜希子、稲村雄輝)  〈解説〉  また、2019年7月25日読売新聞朝刊3面には、以下の記事も。東電 福島第一原発の廃炉を、浜岡原発1,2号機と比べるなど、能天気ぶりを発揮しています。比べるなら、メルトダウンした、アメリカ、ペンシルバニア州のスリーマイル島原発事故と、メルトダウンから原子炉にが大爆発し、1週間も火災が続いた、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故でしょう。  読売新聞、読むと、世の中が分からなくなります。 [スキャナー]福島第二原発 廃炉作業 課題山積み…第一と並行 東電に重荷 2019年7月25日 読売新聞 朝刊 3面 東電が廃炉を表明した福島第二原発(2018年2月、読売機から)  東京電力ホールディングス(HD)が、福島第二原子力発電所1~4号機全ての廃炉を決断した。2011年の東日本大震災から8年を経て、福島第一原発と合わせて福島県内の原発10基全てが廃炉となる。今後長期にわたる廃炉作業や福島第一の敷地内の処理水など課題が横たわる。 (経済部 畑仁優鋭、福島支局 服部牧夫)    区切り  「4基の廃炉は例がなく、時間を要していたが、おおむねめどが立った。地域のご理解とご協力が何よりも大切だ」  24日夕方、福島県庁で内堀雅雄知事と面会した東電の小早川智明社長は、福島第二の廃炉を決定する方針を伝えた。内堀氏は「重く受け止める。県内の原発の全基廃炉実現に大切な一歩だ」と応じた。  震災後、東電は福島第二の廃炉について判断を先送りしてきた。再稼働できれば、その利益を賠償や除染、福島第一の廃炉費用などに充てたいとの思惑があったためだ。廃炉に30~40年を要するとされる福島第一の廃炉作業を優先させたいとの意向もあった。  しかし、福島県や地元自治体は、福島第二の廃炉を求める決議を相次いで可決。東電や経済産業省内で再稼働は不可能との認識が広まった。  昨年6月の廃炉方針表明から決定までに1年以上かかったのは、廃炉によって費用負担が増え、経営を圧迫する懸念があったためだ。廃炉作業などを進める人材の確保にも時間がかかったという。  一方、東電の決定は地元自治体にとっても一つの区切りとなる。  福島第二が立地する楢葉町の松本幸英町長は「町で生活する町民と避難先で生活する町民にとって、プラスのメッセージとなる」と歓迎。もう一つの地元・富岡町の宮本皓一町長も「(福島第二の廃炉作業による)雇用創出、地域経済への波及が復興への大きな追い風になると考えている」と期待を述べた。  福島第二にある約1万本の使用済み燃料は、敷地内に新たに設けられる貯蔵施設で保管される予定だ。こうした施設には、立地自治体に対し政府からの交付金があり、地域振興などに充てられる。政府と自治体は今後、交付金の額などについて協議するとみられる。    費用負担  東電には今後、多くの課題が待ち受ける。  福島第一の敷地内にはタンクに大量の処理水が貯蔵されており、政府は海洋放出を模索するが、地元の反発は強い。  また、東電は事故に伴い、廃炉や除染などで約16兆円の費用を負担しなければならない。費用捻出のためには、今後30年間で毎年5000億円を確保する必要があるが、収益改善の大きな柱となる柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は依然、見通しが立っていない。  地元自治体から求められている1~5号機の廃炉計画の提出が遅れているなどで、再稼働に必要な地元自治体の同意を得られていないからだ。経営再建に向けた道のりは険しさを増している。   完了まで30~40年    2011年3月の福島第一原発の事故後、国内の商業原発では廃炉決定が相次いだ。これまで事故前に決めた3基を含め20基が廃炉を決めており、福島第二原発が加わると、国内原発の半数近くの計24基になる。原発の寿命が原則40年になり、古い原発に新規制基準に沿った安全対策を行っても、コストに見合うだけの運転期間が期待できないからだ。  一方、原子力規制委員会が13年7月に始めた安全審査に合格し、再稼働に至った原発は関西、四国、九州の3電力9基のみ。さらに、新たに設置が義務化されたテロ対策施設について、3社とも期限までに完成させる見通しが立たず、来春以降、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)などが停止に追い込まれる見込みだ。  原発の安定した稼働が見込めず、電力会社は厳しい経営を迫られるが、廃炉作業は着実に進める必要がある。  通常の計画的な廃炉は30~40年かかる。先行して廃炉が進む中部電力浜岡原発1、2号機(静岡県)の場合、09年度から28年かけて廃炉を進めている。使用済み燃料を取り出した後、原子炉停止の際に使う制御棒の駆動機構など周辺設備を撤去し、原子炉本体や原子炉建屋の解体に進む。  福島第二でも同様の工程で廃炉作業が進められる。東電は24日、原子炉1基あたりに30年程度、計4基で40年を超える期間がかかる見通しを発表した。  ただ、福島第二はほかの原発と異なり、処理した汚染水をためるタンクなど福島第一のための廃炉用資機材の製造といった後方支援の役割も担う。福島第二の廃炉作業は、炉心溶融(メルトダウン)した福島第一の廃炉と同時進行で作業を進めなければならない。高木直行・東京都市大教授(原子炉物理)は「きめ細やかな工程管理を行うことが求められる」と話す。 (科学部 井上亜希子)

福島第一原発、2019年7月25日午前0時から新たな廃炉作業か?奇妙な「発煙」事象との一致の理由は何か?

 東京電力は、福島第一原発の敷地境界に8ヶ所のダストモニタリングを24時間行っています。以下が20197267:40am現在の福島第一原発の敷地境界のダスト、つまり放射能の塵の測定結果です。  (1)2019年6月25日~6月28日。 インターネット上で大問題になった、福島第一原発6号機のベントか?の時も、福島第一原発敷地境界ダストモニタでは、高い放射能値が観測されましたまた。また、福島県が測定している、環境放射能テレメータシステムの、空気中の放射性物質濃度(6時間放置後測定)でも、アルファ線核種、ベータ線核種の高い濃度が、2019年6月27日に観測されました(過去1年間で4番目に高い数値)。  〈参考〉 「東電 福島第一原発6号機のベントか?を巡って(1)2019年6月30日記 」    東京電力は、この異常なアルファ線核種、ベータ線核種の放出と、6号機から出た白煙との関係を何ら説明していません。 (2)2019年7月25日(木)~  そして、この2019年6月27日ほどではありませんが、昨日2019年7月25日(木)午前0時から、また、福島第一原発敷地境界のダストモニタで異常な放射能が観測されています。また、福島県環境放射能テレメータシステムの、空気中の放射性物質濃度(6時間放置後測定)、福島県大熊町夫沢のグラフを見ても、2019年7月25日朝6:00amに明らかなピークがありあります。アルファ線核種、ベータ線核種も少なからず観測されています。 図1 東京電力 福島第一原発敷地境界ダストモニタリ 2019年7月26日7:20am現在  図2 福島県環境放射能テレメータシステム 空気中の放射性物質濃度(6時間放置後測定)  福島県大熊町夫沢 7日間 図3 福島県環境放射能テレメータシステム 空気中の放射性物質濃度(6時間放置後測定)  福島県大熊町夫沢 7日間 アルファ線核種 0.028ベクレル/m3(2019年7月25日 6:00am)  図4 福島県環境放射能テレメータシステム 空気中の放射性物質濃度(6時間放置後測定)  福島県大熊町夫沢 7日間 ベータ線核種  0.102ベクレル/m3(2019年7月25日 6:00am)   編集者は、2019年7月25日 午前0:00から、新たな何らかの、廃炉作業を開始したのではないか、と考えます。しかし、その新たな廃炉作業は、一体、何号機で行われているのでしょうか? (3) 2019年7月25日 9:35 福島第一原発 5号機、6号機送電線から発煙か?  奇妙な事に、NHKの報道によれば、このアルファ線核種、ベータ線核種の放出とほぼ同じ時に、2019年7月25日 9:35 5号機、6号機の送電線付近から発煙が上がったことが報じられています。   2019年6月25日の6号機の白煙、6月27日の異常のアルファ線核種、ベータ線核種の放出、7月25日0時から始まった廃炉作業、7月25日9:35の5号機、6号機付近の発煙は、一連の事象ではないですか?  ちなみに、2011年3月当時、5号機、6号機の原子炉内にあった核燃料は、5号は2015年に、6号機は2013年に、「原子炉から使用済み燃料プールに移動させた」ことになっています。しかし、移動前、移動後の東京電力公表の資料には、移動させた体数が記載されていません。核燃料集合体を移動させるときに、何体移動させたか公表しないことなど、あり得ません。  東京電力さま。本当に、5号機、6号機の原子炉に、もう核燃料集合体はないのですか?  〈参考〉 「東電 福島第一原発6号機のベントか?を巡って(2)6号機の原子炉内に核燃料集合体は本当にないのか? 2019年6月30日記」 〈参考記事〉 福島第一原発 送電線から発煙 2019年7月25日 12時50分   NHK 福島放送局 25日午前、東京電力福島第一原子力発電所で、敷地内を通る送電線から煙が出るトラブルがありました。煙はすでに止まっていてけが人はなく、周辺の放射線量を測定しているモニタリングポストの値にも変化はないということです。 東京電力と消防によりますと、25日午前9時35分ごろ、福島第一原発の5号機と6号機の西側にある「開閉所」と呼ばれる施設と敷地内の鉄塔を結ぶ送電線から煙が出ているのを協力企業の作業員が見つけ、東京電力が消防に通報しました。その後、この送電線を通る電気を止めたところ、煙は午前10時ごろに止まったということです。けが人はいませんでした。「開閉所」は5号機と6号機に電気を送る施設で、送電線は2本つながっているため、1本を止めても電気の供給に問題はないということで、周辺の放射線量を測定しているモニタリングポストの値にも変化はないということです。警察と消防は煙が出た詳しい原因を調べています。 図5 東京電力公表   福島第一原子力発電所 5号機双葉線1号 黒相接地線より発煙について 2019年7月25日

公明党に勝負を挑んだ学会員 れいわ公認で沖縄県出身の野原善正さん 「沖縄の痛み」都民に訴え、落選も21万票獲得 政治 2019年07月23日 琉球新報

公明党に勝負を挑んだ学会員 れいわ公認で沖縄県出身の野原善正さん 「沖縄の痛み」都民に訴え、落選も21万票獲得 2019年07月23日 琉球新報 敗戦の弁を述べる野原善正さん(左)とれいわ新選組代表の山本太郎さん=22日、東京都内の都市センターホテル  【東京】「れいわ新選組」公認で東京選挙区(改選数6)に立候補した沖縄県出身の野原善正さん(59)は21日投開票の参院選で、21万4438票を集めたが、20人の候補の中8位となり当選はかなわなかった。公明党の支持母体・創価学会の現役会員であることを前面に出し、選挙期間中は「いつまで沖縄に基地を押しつけるのか」と訴え、都民に自分事として考えるよう問い続けた。落選を受けて開いた会見では、「れいわ新選組」代表の山本太郎さん(44)が次期衆院選に向けたて意欲を示す中、野原さんも出馬する意向を明言した。    「のはらっ、のはらっ、のはらっ」   投開票日前日の20日午後7時すぎ、東京・新宿駅西口の小田急百貨店前には、野原コールが響き渡った。選挙期間中最後のマイクを使った「れいわ新選組」の街頭演説会「#新宿センキョ」には、百貨店前の路上から歩道橋上まで人があふれ、熱気に包まれた。その中で野原さんは、辺野古に反対する沖縄の民意を示しながら「自公政権は沖縄の民意を絶対に聞こうとしない。おかしな話だ」と政権を批判した。   ◆沖縄ではなく東京選挙区立から立候補    野原さんは沖縄創価学会壮年部に所属するが、昨年9月の沖縄県知事選では自民党や公明党が支持した候補ではなく、辺野古新基地建設に反対を掲げ当選した玉城デニー氏を応援した。    そんな野原さんに山本代表は当初、「比例区での立候補をお願いしたい」と声を掛けした。公示直前の7月2日に出馬発表の会見があり、翌3日になって「選挙区で」と山本さんから言われた。山本さんも「最初は『比例で』という話だったが、『選挙区で』と相談して、直接選挙という舞台に持って行くということと合致して、かなった」と説明する。    公示後の第一声で「沖縄の現状をもっと真剣に考えてもらいたい」と訴える野原善正氏=4日、東京都新宿区   準備も調わないままに迎えた公示の4日午前。届け出を済ませた新宿駅西口でマイクを握った野原さんはこう切り出した。「なぜ沖縄出身の私が東京選挙区から立候補したか」   その答えとなる沖縄への米軍基地集中の実態を訴えながら「日米安保条約のプラス面を肯定される方々は、そのマイナス面を一手に引き受けている沖縄の現状をもっと真剣に考えてもらいたい。いつまで他人の不幸の上に自分の幸せを築くつもりでしょうか」と語気を強めた。さらに「東京都の皆さん、全国の皆さん、どうぞ沖縄の痛みを、他人の痛みとしてではなく、自分の痛みとして真剣に考えてくれるよう切に希望する」と聴衆に呼び掛けた。  ◆対公明党    東京選挙区には公明党代表で現職の山口那津男さん(67)も立候補していたが、野原さんは「なっちゃんとガチンコ勝負いたします」とひるむ様子もなく挑んだ。    辺野古新基地建設の容認も含め、安保法や共謀罪にも賛成した公明党に対する危機感がそこにはあった。「自民党の歯止め役になるはずだった公明党は今や自民党と一緒になって暴走している。絶対に止めないといけない」と公明党と創価学会の在り方について問題を提起した。    選挙期間中の14日には東京・信濃町にある創価学会総本部前でもマイクを握った。「公明党には、平和・福祉という立党の精神に返ってもらいたい。創価学会には、日蓮仏法の平和の精神に戻ってもらいたい」と繰り返し、学会員にも呼び掛けた。「良識ある学会員に問いたい。いつまで善人の沈黙を続けるつもりなのか。おかしいものはおかしい、間違っているものは間違っていると勇気を出して声を上げてほしい」  定数6の東京選挙区には創価学会員である野原善正さんのほか、学会の支持母体である公明党代表で現職の山口那津男さんはじめ20人が立候補した   ◆21万の重み    落選となったが21万票余の支持を獲得した。だが野原さんは「山本さんが前回取った66万の基礎票のようなものはあまり取れなかった。山口那津男さん(公明党代表)の票もそんなに切り崩せなかった」と総括した。  その上で「スタートも遅く、新人で東京に基盤もなく、ないないづくしで始めた選挙だった。悔しいのは悔しいが21万は実力不足だった」と選挙戦を振り返った。   野原さんが東京選挙区から立候補した意義について、山本さんは与党公明党と支持母体の創価学会を批判したことを挙げ「与党側を切り崩すのはなかなか難しく、どの党も手を付けない。これはれいわ新選組にしかできない。この先も非常に大きな部分だ」と強調した。    次期衆院選への対応を記者から問われた山本さんは「野原さんにまだ了解が取れていないが、やってくれますか」と隣席の野原さんに振ると「はい、喜んで」と応じた。   山本さんは「今回、21万を越える方々に野原さんの心意気を買ってもらえた。衆院選の東京ブロックとなると、1議席には30万ぐらいの票で獲得できるので(参院選より)ハードルが下がる。(衆院選出馬に)快諾をいただいたので次の闘いへと駒を進めていきたい」と語り、次期衆院選に照準を合わせた。      

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