内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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内部被ばくと健康被害

東京電力が2019年9月1日、福島第一原発1/2号機排気筒の最上部の切断、撤去に成功。東京新聞原発取材班のツィート

ツィターで東京新聞原発取材班が、頑張っています。是非、フォローを。応援のメッセージを! 東京新聞原発取材班@kochigen2017 福島第一1、2号機排気筒の頂部解体は、開始から48時間。3日目の朝を迎えました。ライブカメラを確認すると、切断・つり下しは終わっていません。ふだんは1号機の最上階(オペフロ)調査などに使っている別のクレーンが、何かを切断装置近くにつり上げています(50倍速で編集)  https://twitter.com/kochigen2017/status/1167916671039754241?s=19 2019年9月1日 6:04 東電からの情報によると、切断装置の主電源が31日19時27分に停止。サブ電源が動かず、電源を失いました。このため9月1日6時前から、別のクレーンのかごに人が乗って上にいき、燃料120リットルを補給中。かごには複数の作業員が乗っているそうです。2019年9月1日 7:21 東電によると、1号機そばにある大型クレーンの作業員3人をのせたかごを120m上につりあげて、燃料補給をしています。切断装置は昨夜7時半前に電源を失い、筒本体の切断は全く進んでいません。(小川)2019年9月1日 7:35 切断装置に四つある回転のこぎりも、三つは刃の摩耗が激しく使えない状態のよう。残り一つで切断しきれるのか。厳しさは増しています。燃料補給のため作業員3人が120m上に行きましたが、最後の手段「人による溶断」ができるのかの確認も兼ねていると思います(小川)2019年9月1日 7:42 切断装置の主電源は48時間、サブ電源は29時間もつスペック。装置は丸2日以上、筒上端部で稼働しているので、燃料切れは想定しました。しかしサブ電源も動かないとは。8月30日のつり上げ前の点検では問題なかったとはいうものものの…。2019年9月1日 7:51 切断は輪切り部分が70センチ程度、縦切りは4カ所のうち1カ所が、それぞれ残っています。回転のこぎりは刃が摩耗していないものが1枚だけ。それで縦切りをしようとしたら、電源喪失となったようです。2019年9月1日 7:53 東電によると、11時52分に4カ所目の縦切りを開始し、12時に切断完了。輪切り部分70センチ程度が残っています。切断装置は120リットルの燃料補給で45時間程度動くと想定しているそうです。このまま順調に進んでほしいです。(小川)2019年9月1日 13:35 燃料補給の状況。別のクレーンで3人が乗ったかごは鉄製で大きさは縦2.5m、横1.8m、高さ2.2m。5時40分につり上げて、6時24分に人が切断装置に乗り移り、給油。8時12分にかごは地上に戻りました。120m地点の放射線量は毎時0.08ミリシーベルト。この作業による被ばくは0.2ミリシーベルト(小川)2019年9月1日 14:02 東電は切断装置を使った輪切りを続けます。人による溶断は最終手段であり、まだその段階まではいっていないとみられます。なんとか切断装置での輪切りが成功してほしいです。(小川)2019年9月1日 14:05 東京新聞原発取材班@kochigen2017 綱渡りの福島第一1、2号機排気筒の解体第一弾でした。切り離しの様子を約1分のダイジェスト動画にいたしました。現場の作業員さん、本当おつかれさまでした(山川) https://twitter.com/kochigen2017/status/1168131888550072321?s=19 2019年9月1日21:01現在 桑ちゃん@namie_kuwabara映像を見る限り、切断時切離しなど空気中のダスト濃度は測定されていなかったようですね。最初が肝心だったのだが・・・ 2019年9月1日 24:00頃 桑ちゃん@namie_kuwabara2019年9月1日15時20分現在までの福島第一原発敷地境界線MP近傍空気中ダスト濃度変化。(バックグラウンドを差し引いた値) https://t.co/jqOl7OZwZV 2019年9月1日 24:00頃

福島)第一原発排気筒の解体 異例の作業員投入 石塚広志 2019年9月2日 朝日新聞 福島版[追記]2019年9月3日

[解説]  2019年9月1日、東京電力はやっと、1/2号機排気筒(高さ120m)の最上部の切断、撤去に成功しました。朝日新聞2019年9月2日朝刊も、報道していますが、なぜか、朝日新聞東京版は今回、遠隔操作するのではなく、作業員を投入した事実を報道しませんでした。しかし、朝日新聞福島版では予定になかった作業員投入を報道しています。  これは何なのでしょうか?以下は朝日新聞2019年9月2日朝日新聞朝刊の福島版、東京版、そして東京版他で伝えられた朝日新聞8月2日朝刊の記事です。8月2日の記事では、作業員の被曝を避けるために遠隔操作、とあります。すなわち、東京版を読んでいる人には、9月1日の1/2号機排気筒最上部の切断、撤去は遠隔操作で行われ、作業員の被曝は避けられた、と思うのではないでしょうか。朝日新聞は東電福島第一原発の廃炉作業は、「安全に」「作業員の被曝も少なく」行われている、というイメージ操作をしているのではないでしょうか?  福島県民と東京都民の原発の状況認識のギャップはこうして作られていくのです。 [追記] 2019年9月3日 5:10am  以下、2019年9月2日の朝日新聞福島県版記事では、「頂上付近の放射線量は30マイクロシーベルト」とありますが、これは誤報の可能性があります。東京新聞原発取材班のツィートでは、「120m地点の放射線量は毎時0.08ミリシーベルト。」2019年9月1日14:02のツィート。つまり、80マイクロシーベルト/時、とあります。東京新聞原発取材班さんに、東京新聞原発取材班と朝日新聞の記事との齟齬についてを聞いたところ、東京新聞原発取材班さんから出典を示し、説明がありました。 東京新聞原発取材班 @kochigen2017 出典は下記です。今年4月公表の調査結果https://twitter.com/kochigen2017/status/1168413236976185344?s=19  2019年9月2日 15:39  この出典は2019年4月25日の東京電力の資料です。 福島第一原子力発電所1/2号機排気筒解体計画について(準備作業・解体前調査の報告) 東京電力 2019年4月25日  これを読むと朝日新聞の記者が0.30mSv/hを30マイクロシーベルト/時を勘違いした可能性が高いです。  すなわち、朝日新聞の記者は、上記資料の3ページ、「筒身外部の線量(γ線)は,0.07~0.30mSv/hであった。」(東京電力2019年4月13日および4月28日調査、筒身から5~7m離れた位置で測定。上記資料参照。)から、0.30mSv/hを計算間違いをして、30ミリシーベルト/時、と書いたのではないでしょうか。ちなみに、0.30mSv/hが計測されたのは、最頂部ではなく、高さ60メートル付近。また、0.30mSv/hとは30マイクロシーベルト/時ではなく、300マイクロシーベルト/時です。朝日新聞の記者は二重の間違いを犯したことになります。  作業員3人の方々は、高さ120メートルの、空間線量80マイクロシーベルト/時の場所で作業し、約2時間の作業で0.2ミリシーベルトの被ばくをしました。 以下は、2019年9月3日 5:20am現在の福島第一原発敷地境界ダストモニタです。2019年9月1日、2日、3日とかなりの放射能が環境中に放出されていることが読み取れます。   ここ数週間は、少なくとも東日本は、屋内外でのマスクの着用、外出後すぐに洗顔手洗い(眼も洗う)、すぐシャワー、室内着への着替えを励行した方が良さそうです。 [福島版] 福島)第一原発排気筒の解体 異例の作業員投入 石塚広志 2019年9月2日  朝日新聞 福島版 切断され、地上に下ろされた排気筒の頭頂部=2019年9月1日午後4時11分、福島県大熊町(東京電力提供)  東京電力福島第一原発の1、2号機の共用排気筒(高さ120メートル、直径3・2メートル)の解体作業で1日、ようやく頭頂部がつり下ろされた。だが、この日、作業員3人がゴンドラで上がるという異例の作業が行われた。被曝(ひばく)の恐れから、作業は遠隔操作を主としているが、早くも現場に人の投入という「最終手段」が使われた形となった。  東電によると、頂上に取り付けられた切断用の装置の電源には二つの発電機があるが、8月31日午後7時半ごろ、主電源が燃料切れとなり、予備電源を起動させようとしたが動かなかったという。  解体部分はすでに筒状の周囲の9割以上を切り込み、装置を取り外すと頭頂部が落下するリスクがあった。そのため、作業を行う大熊町の建設会社「エイブル」の作業員3人が1日に頂上に行くことになった。  午前5時40分ごろ、ゴンドラがつり上げられ、2時間半ほど燃料補給や点検作業をしたという。頂上付近の放射線量は30マイクロシーベルト程度で、東電は大きな被曝にはならないとみている。切り取りの作業は正午前に再開し、午後3時ごろ完了。午後4時すぎ、頭頂部(約2メートル、約4トン)が地上に下ろされた。  解体作業は8月1日から始まり、翌2日に頭頂部がつり下ろされる予定だったが、装置のトラブルなどで断続的に中断。開始1カ月でようやく一つの工程が終わった。(石塚広志) [東京版] 1日の予定が作業に1カ月 福島第一、排気筒の一部切断 2019年9月2日 朝日新聞 朝刊27面  東京電力福島第一原発の1、2号機の共用排気筒(高さ120メートル、直径3・2メートル)の解体で、最初の作業となる頭頂部(長さ約2メートル、約4トン)の切断が1日、ようやく終わった。解体作業は8月1日に開始。頭頂部の切断は8月2日の1日間のみで終える予定だったが、装置のトラブルなどが相次ぎ、約1カ月かかった。  解体装置の4枚の回転刃の摩耗が想定より早く、すり減ったり、止まったりして、作業は計5回中断した。熱中症になった作業員もいた。  東電は「初めての作業で、慎重に進めたこともあり、想定より時間を要した。予備日などに作業をすることで今年度内の完了を目指したい」とし、計画に変更はないとしている。(石塚広志) [2019年8月2日 東京版での報道] 高い放射線量、遠隔で操作 作業員の被曝対策 福島第一排気筒解体 2019年8月2日朝日新聞 朝刊3面 1、2号機排気筒の解体計画  東京電力福島第一原発の排気筒の解体作業が1日、始まった。排気筒は事故時の「ベント(排気)」で放射性物質を含む水蒸気を放出するのに使われた象徴的な設備だ。今も高濃度の放射性物質に汚染されており、遠隔操作の難しい作業になる。相次ぐトラブルで遅れていた工事にようやく取りかかった。▼1面参照  解体されるのは、原発敷地内にある4本のうちの1本で、炉心溶融事故を起こした1、2号機の共用排気筒(高さ120メートル、直径3・2メートル)。1号機建屋の水素爆発の影響で、排気筒を支える支柱のつなぎ目が破断し、劣化が進んでいた。原子力規制委員会から「倒れると危険だ」と指摘され、東電は16年に解体する方針を示していた。  解体は作業員の被曝(ひばく)を減らすため、200メートル離れた高台に設置した、大型バスを改造した遠隔操作室で作業する。約140台のカメラ映像を見ながら、大型クレーンでつり上げた解体装置を動かす。作業初日は午前7時半ごろから装置のつり上げを始め、筒の周りにあるはしごや電線管などの切断にとりかかる予定だった。だが、通信トラブルで装置の一部が動かず、昼過ぎから作業が始まった。2日から筒本体を輪切りにする作業に取りかかる。解体後は敷地内で保管する。  当初は3月に始める予定だったが、追加の安全対策が必要になったり、東電がクレーンの設計図の確認を怠って高さが足りなかったりして延期された。今年度中に排気筒の上半分の解体を完了する予定だが、強風時は作業を中止するため、天候次第で遅れる可能性があるという。  工事開始が遅れたことについて、磯貝智彦所長は「周辺の工事の影響については調整をしながら進めている。大きな支障があるとは考えていない」と話した。  今回、解体装置の開発や操作は、福島第一原発がある福島県大熊町の建設会社「エイブル」が担う。構内での重要作業を地元企業が担うのは異例という。岡井勇・第一工事部長は「地元企業として無事成功させ、地元の期待にしっかり応えられるよう安全に進めたい」と話した。(石塚広志、杉本崇)

川内原発1号機 2019年7月27日定期点検入り。1度止まった原発は2度と動かすな!

川内原発1号機が定期検査入り 11月上旬に営業運転再開へ 2019年7月27日 佐賀新聞    九州電力は27日、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転を停止し、定期検査を始めたと発表した。今後、原子炉本体や制御施設などに異常がないかどうかを調べる。10月上旬に原子炉を起動して発電を再開し、11月上旬に営業運転を再開する予定だ。  ただ、川内1号機はテロ対策の「特定重大事故等対処施設」の完成が来年3月の期限に間に合わず、営業再開後も約4カ月で再び運転が止まる見通しになっている。  定検では、炉心部の燃料集合体157体のうち約3分の1を交換する。  九電は他に、玄海原発3号機(佐賀県玄海町)の定検を今年5月から進め、8月中旬の営業運転再開を予定。玄海4号機は8月中旬に、川内2号機は10月下旬にそれぞれ定検を始める方針だ。  定検は原子炉等規制法に基づき、13カ月以内に1回実施することが義務付けられている。

玄海原発4号機 2019年8月16日定期点検入りに。一度止まった原発は2度と動かすな!

玄海原発4号機、定検開始 3カ月かけ100項目 11月の営業運転復帰目指す 2019年8月17日 佐賀新聞 玄海原発3号機(手前)と4号機=東松浦郡玄海町    九州電力は2019年8月16日、玄海原発4号機(東松浦郡玄海町)の定期検査を始めた。原子炉を止め、約3カ月かけて100項目を点検する。11月20日の営業運転復帰を目指す。  同日午前1時に送電を停止。同4時10分に原子炉を止めて作業に取りかかった。今月下旬から燃料集合体の取り出しを始める。193体の約3分の1を取り換える予定。  原子炉やその関連施設は、13カ月を超えない時期に定期検査するよう法律で義務づけられている。4号機の定検は、新規制基準の適用後では初めて。新基準に沿って整備した「大容量空冷式発電機」など16項目を新たに検査する。  昨年5月に配管内の水の熱膨張に伴い不具合が起きた1次冷却水ポンプは、4台中2台を分解点検する。

玄海原発3号機 2019年8年20日 再稼働(営業運転)に。

玄海原発3号機、営業運転に復帰 定期検査終える 2019年8月21日 佐賀新聞   玄海原発3号機(手前)と4号機=東松浦郡玄海町    九州電力は2019年8月20日、定期検査を終えた玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)が同日営業運転に復帰したと発表した。  定検は5月に開始。8月20日にあった国の最終審査に合格し、同日午後3時50分に営業運転を再開した。  原子炉内の燃料集合体は、全193体のうち約3分の1を取り換えた。プルサーマル発電に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料は新たに4体を装荷し、計36体となった。使用済みMOX燃料は出なかった。  昨年3月、さびによる腐食で配管に穴が空き、蒸気漏れが起きた2次系統の脱気器空気抜き管は、16本全てをさびにくい材質のものに取り換えた。 玄海3号機、20日起動 九電、8月20日営業運転 2019年7月20日 佐賀新聞    九州電力は2019年7月19日、新規制基準下で初めての定期検査(定検)に入っていた玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)について、20日に原子炉を起動すると発表した。全ての検査が終了して、営業運転に復帰するのは8月20日となる見通し。  定検は5月13日に開始し、原子炉本体や核燃料貯蔵施設など九つの施設や設備で107項目を検査した。今回、燃料集合体193体のうち72体を取り換え、新たにウラン・プルトニウム混合酸化化合物(MOX)燃料を4体追加し、193体のうち36体に増えた。  定検中に、燃料集合体に挿入して燃料集合体に流れる冷却水の流量を調整する「プラギングデバイス」の一部が変形するトラブルが発生。確認が不十分なまま挿入したためで、予備品と交換するなどして運転開始に影響はないという。  九電によると、7月20日午前11時に原子炉を起動、21日午前0時に核分裂反応が安定的に続く臨界に到達し、22日に発電を再開させる予定。18年6月に再稼働した玄海4号機の定検は、8月16日に開始する予定となっている。   玄海3号機運転再開中止を 13団体、知事に要請書 2019年8月15日 佐賀新聞   玄海原発3号機の運転再開中止を求め、要請書を提出する反原発団体のメンバー(右)=佐賀県庁    定期検査(定検)を終え、20日営業運転復帰予定の玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)に関し、佐賀県内外の反原発グループが14日、運転再開中止を求めて山口祥義知事宛てに要請書を出した。使用済みウラン・プルトニウム混合酸化化合物(MOX)燃料の管理上の問題点を指摘している。  提出したのは「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(永野浩二事務局長)など佐賀、福岡、大分県の13団体。  九州電力によると、プルサーマル発電を行う3号機は、MOX燃料36体を使用。九電は「運転期間や燃料の組み合わせなどを考慮して決めている」としているが、2020年の定検時に16体が初の使用済みMOX燃料となる可能性がある。  要請書では、反原発団体が今年6月に意見交換した際、資源エネルギー庁の担当者は「使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料より発熱量が高い。ウランと同じくらいになるには300年以上かかるというのは事実」と述べたと指摘。この情報を県が知っていたかなど7項目を質問した。  県原子力安全対策課の担当者は「知事に報告し、できるだけ早期に回答したい」とした。

この国はどこへ これだけは言いたい 評論家・佐高信さん・74歳 今感じるべきは「絶望」だ 2019年8月30日 毎日新聞夕刊2面 特集ワイド

[解説]  毎日新聞が全体として、安倍晋三氏の応援、擁護新聞に成り下がって入るなかで、夕刊の特集したは、毎回気を吐いています。  読むなら、東京新聞と毎日新聞夕刊です。 この国はどこへ これだけは言いたい 評論家・佐高信さん・74歳 今感じるべきは「絶望」だ  2019年8月30日 毎日新聞 夕刊2面 特集ワイド =内藤絵美撮影  「あの場面がね、ずっと残っているんだ、自分の中に」--。うだるような真夏の午後。評論家の佐高信さん(74)は窓から差し込む強い日差しをにらみつけながらそう切り出した。  山形県酒田市出身で、生まれたのは終戦の年の1月。食べる物に窮する子供時代を過ごし、中学を卒業すると周囲の多くは集団就職で東京へ向かった。  中学3年の時、同級生の中に小柄で頭の良い女子生徒がいた。成績は優秀だが、家は貧しく、進学などできないと周囲は知っていた。ある日、担任教師が進路希望の調査をすると言って、進学希望者は挙手するよう指示した。その子はまっすぐに手を挙げた。教師の瞳に「えっ?」というけげんな表情が浮かんだ。  「その瞬間、その子がキッとした顔で言ったんだよ。『だって、希望でしょ』って」。佐高さんは女子生徒が内に秘めていた「怒り」を代弁するように強い口調で続けた。「本当の意味の『希望』は、『絶望』の沼にひたっている時にこそあるものだ。それなのに、今は誰もが軽々しく希望、希望と口にする。今、感じなくてはならないのは『希望』ではなく、むしろ『絶望』ではないのか」  政治や経済、教育など、あらゆる社会問題について鋭く批評してきた辛口評論家の目には、この国が悪い方向へ逆戻りしていると映ってならない。非正規労働者が増え、格差は広がるばかり。憲法は改正に向けた動きが強まっている。そんな中、7月の参院選では何も現状が変わらなかったとして、「もはや日本は近代社会とはいえないのではないかと改めて感じた」と話す。  永田町では、2世、3世などの「世襲議員」が増えている。とりわけ自民党では国会議員の約3分の1が世襲とされる。「武士の子は武士、農民の子は農民と身分が固定されているのは封建社会の話ですよ。身分による差別をなくし、『身分から契約へ』というのが近代の民主主義社会のはず。世襲は民主主義を息苦しくさせる。世襲が解消されないから、さまざまな弊害が生じている」  今回の参院選の直前、老後資金2000万円不足問題が持ち上がった。平均的な無職の高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)が老後を30年生きれば、年金以外に2000万円が必要になる--と金融庁のワーキンググループが報告書を作成した件だ。同庁のトップである麻生太郎副総理兼金融担当相はこれに絡み、衆院財務金融委員会で自身が年金を受け取っているかを問われた際、「受け取っていないと思う」とあいまいに答えた。「年金がいくらとか、自分の生活として心配したことはない」とも語った。そんな麻生氏の物言いが国民の怒りを増幅させたのは記憶に新しい。  佐高さんは吐き捨てるように言う。「生活に困った経験がなければ、老後の切実さを理解しろといっても無理だよ。政治が『家業』になってしまえば、政治家の視野は狭くなり、ふつうに生きる人々の苦しみなんて分からなくなる。だから世襲はダメなんだ」。そして、こう続けた。「もし政治家の子供がどうしても政治家になりたいというなら、少なくとも選挙区を変えなければいけない。それが最低限のルールであるべきだ」  日本と韓国の関係悪化のニュースが連日、報道されている。両国の政府関係者の顔に浮かぶ憎しみのこもった表情は直視するに堪えないほどだ。そんな状況を招いたことも、世襲議員らの「視野の狭さ」が絡んでいると佐高さんはみる。  「かつての自民党には『保守の知恵』というのがあった。押してダメなら引いてみなっていう、相手の立場に立った粘り強い交渉を当たり前のように行っていた。沖縄の米軍普天間飛行場返還問題では、あの橋本龍太郎首相(当時)だって、かなり気難しい大田昌秀沖縄県知事(同)のところに何度も何度も足を運んでいたんだ」  今はどうか。もちろん日韓関係がここまで悪化した一因は、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領側にもあるだろう。歴史的経緯を含め、幾重にも入り組んだ糸をほぐすのは容易な作業でないことも理解できる。だが「保守の知恵」が当然のようにあった時代に比べ、今の安倍晋三政権は、地道に、あきらめず、あらゆる知恵を絞って解決を目指す、という努力を十分にしているだろうか。  「安倍政権は米国重視で何が悪いんだという『開き直り』を見せる一方で、米国に対するものとは明らかに違う『強気』を韓国に向けている。それはものすごく嫌な感じだ。結局、相手の痛みを知らないということなんじゃないか」  ふいに田中角栄元首相のことを持ち出した。「田中元首相は『人間が10人いれば、1人ぐらい共産党がいる』と口癖のように語っていた。自分の理解が及ばないものは必ず存在するし、存在する理由もあるということだ。安倍政権は異論を許さないという姿勢だが、かつては異論があってこそ面白いという発想があった」  自分とは正反対の立場の人々の考えも尊重する。そうした懐の深さを欠いていることが、さまざまな問題の根に潜んでいると指摘する。 気骨のある財界人として知られた中山素平氏=1986年撮影  かつて「財界の鞍馬天狗(てんぐ)」の異名をとった人物がいた。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の元頭取、中山素平(そへい)氏だ。周囲から「そっぺいさん」と呼ばれて親しまれる一方で、富士製鉄と八幡製鉄の合併による新日本製鉄(現日本製鉄)の誕生に尽力するなど、戦後の経済界で活躍した。  佐高さんによれば、中山氏は湾岸戦争(1991年)の際、「(自衛隊の)派兵はもちろん、派遣も反対です。憲法改正に至っては論外です。第二次世界大戦であれだけの犠牲を払ったのですから、平和憲法は絶対に厳守すべきだ」と言い切ったという。  「そっぺいさんの潔い言動はよく知られているが、政権に対して堂々と物申す財界人はこれまで決して珍しくはなかった」と佐高さん。小泉純一郎元首相を支えた富士ゼロックス会長で、経済同友会の代表幹事だった小林陽太郎氏もその一人だ。首相の靖国神社参拝に関し「中国の理解が得られない。やめていただきたい」と直言した。自宅に火炎瓶が置かれるなどの悪質な嫌がらせを受けたが、小林氏は日中関係を良好に保つという信念を曲げなかった。  古くは旧倉敷レイヨン(現クラレ)の社長だった大原総一郎氏がいる。国交回復前の中国にプラントを輸出しようとして、時の政権から大反対にあった。しかし大原氏は中国に対する戦争責任を感じていたとされ、「私は理想に忠実でありたい。いくばくかの利益のために、私の思想を売る意思は持っていない」と語ったという。  「今の安倍政権の下では、直言するどころか、政権とうまく付き合い、その陰に隠れ、楽をして金をもうけようとする経営者ばかりじゃないか」。佐高さんの口調は激しい。  日韓関係の悪化についても、実際に、貿易や観光などビジネスに影響が出始めている。だが財界からは政府に対して進言したり、提案したりといった大きな声は聞こえてこない。政治に対する一定の監視機能を持つのも財界人の役目だったはずなのに、どうしたことか。  「そっぺいさんは一貫して政府からの叙勲の申し出を断り続けたと聞く。それは経済という独自の論理で動くことに徹し、政治家や官僚には頭を下げず、民間の気概を貫いたからだ。今の政権は自分たちに直言するような財界人を認めない。政治家の劣化とともに、財界人の劣化も進んでいるということだろう」  私たちは「絶望」の沼の底に沈みつつあると自覚し、一刻も早くはい出さなければいけない。佐高さんの険しい横顔が、そう告げていた。【宇田川恵】  ■人物略歴 さたか・まこと  1945年、山形県生まれ。慶応義塾大法学部卒。高校教員や経済誌編集長などを経て、82年、評論家として独立。「憲法行脚の会」の呼びかけ人の一人。著書に「平民宰相原敬伝説」「巨大ブラック企業」「城山三郎の昭和」「反-憲法改正論」など多数。  

[寄稿]広島、福島、そして東京オリンピック ハンギョレ新聞 2019年8月25日

[寄稿]広島、福島、そして東京オリンピック 2019年8月25日 ハンギョレ新聞 ソク・グァンフン緑色連合専門委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )   東京五輪参加選手団に福島産食材の献立を提供するという日本政府の方針に、国際的な憂慮が高まっている。また、五輪聖火リレーの出発点と野球競技場まで福島原子力発電所の近隣に配置された。1964年の東京五輪で、広島への原子爆弾投下当日に生まれた青年を聖火リレーの最終走者として前面に出し、原爆を乗り越えて立ち上がった日本を誇示した事例を模倣したのだ。五輪を通じて、広島再建の“感動”を福島で無理に再演しようとする安倍晋三政権の執着が伺える。  しかし、広島と福島は放射能被害の側面で大きな差がある。広島の原爆は初期に大量殺傷と生存者の後遺症があったが、さらなる被爆は微小だった。広島の原爆は当時粗悪だった核技術によって搭載された高濃縮ウラニウム64キロののうち、わずか約1キロだけが反応し、核分裂物質の発生量自体が少なかった。また、地表面の土壌と結合して大量の放射能落塵が発生する地上核実験とは異なり、広島原爆は上空580メートルで爆発し超高温の核分裂物質が成層圏近くまで上昇し全域に拡散したため、日本に落ちた落塵も微小だった。しかも半減期(放射性物質で全原子の半分が崩壊するのにかかる時間)が短い核種が大部分であり、半減期3時間のマンガン-56程度が原爆直後の一日に集中した追加被爆の原因だった。長崎の経験も類似している。そのため広島と長崎は別途の放射能除染作業もなしに1950年代中盤には都市機能が完全に復旧した。  一方、福島事故は大量殺傷はなかったが、時間が経つほど放射能被害が増えている。炉心溶融が起きた原子力発電所の核燃料総量は、高濃縮ウラニウムに換算すれば約12トンに及び、広島の原爆の核分裂反応ウラニウムの1万2千倍の量だ。一時日本政府は、福島で排出されたセシウムが広島の原爆の168倍と発表したが、それも単純な排出量の差であり、高空で地球全域に拡散して残った広島の落塵と地表面で排出された福島の落塵の差は比較にならないほど大きい。  特に、半減期が約30年のセシウム-137、ストロンチウム-90は、広島がほとんど接することのなかった核種であり、今後数十年以上にわたり日本を苦しめる核種だ。そのうえ、福島の面積の約70%を占める山林は、アクセシビリティの問題からほとんど手つかずで放置されている。日本の学界によれば、このうち汝矣島(ヨイド)の面積の150倍にもなる山林(約430平方キロメートル)が高濃度のセシウム-137に汚染された。山林のセシウムが風雨を通じて住居地や農耕地に移動し、汚染された動植物が加工・流通される危険もある。実際、福島の杉材は地域で依然として流通していて、最近東京五輪の建築材料として出荷されもした。また、希少疾患の小児甲状腺がんは、事故以前はわずか1~2件だったが、事故後には217件に急増した。しかし、安倍政権は医師たちの調査を妨害し、政府の統制を受ける福島関連各種調査委員会を通じて詭弁を並べ立て、マスコミ報道を統制している。  経済的負担も天文学的だ。日本経済研究センターは、専門家グループの分析を通じて福島のセシウム汚染土壌を集めた1400万トンの放射性廃棄物は、青森県の六ヶ所村廃棄場搬入費用基準で20兆円の負担が発生すると評価した。また、すでに120万トンに到達し、今後は200万トンに増える福島原子力発電所の汚染水も、トリチウムとストロンチウム除去費用だけで51兆円かかると評価した。住民賠償費(10兆円)まで合わせれば、日本政府の年間予算に匹敵する金額だ。費用を減らそうとする安倍政権は、土壌放射性廃棄物を土木工事に再使用する方針を明らかにし、汚染水は形式的な議論を経て太平洋に放流すると展望されるが、この問題を探査報道する日本のマスコミは見当たらない。  結局、2013年の五輪誘致戦で安倍首相が明らかにした「状況は統制されている」という主張の実状は、報道機関と市民社会に対する“口止め”だったわけだ。世界で唯一、福島水産物に関し世界貿易機関(WTO)訴訟と勝利を経験した韓国こそ、東京五輪の放射能問題を世界に知らせる適任者だろう。政府の努力を期待してみる。 ソク・グァンフン緑色連合専門委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

玄海3号機、2019年7月20日起動 九電、8月20日営業運転 2019年7月20日 佐賀新聞

玄海3号機、2019年7月20日起動 九電、8月20日営業運転 2019年7月20日 佐賀新聞    九州電力は19日、新規制基準下で初めての定期検査(定検)に入っていた玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)について、20日に原子炉を起動すると発表した。全ての検査が終了して、営業運転に復帰するのは8月20日となる見通し。  定検は5月13日に開始し、原子炉本体や核燃料貯蔵施設など九つの施設や設備で107項目を検査した。今回、燃料集合体193体のうち72体を取り換え、新たにウラン・プルトニウム混合酸化化合物(MOX)燃料を4体追加し、193体のうち36体に増えた。  定検中に、燃料集合体に挿入して燃料集合体に流れる冷却水の流量を調整する「プラギングデバイス」の一部が変形するトラブルが発生。確認が不十分なまま挿入したためで、予備品と交換するなどして運転開始に影響はないという。  九電によると、7月20日午前11時に原子炉を起動、21日午前0時に核分裂反応が安定的に続く臨界に到達し、22日に発電を再開させる予定。18年6月に再稼働した玄海4号機の定検は、8月16日に開始する予定となっている。

8月15日 福島第1の凍土壁、規制委が凍結最終認可 2019年8月14日 日本経済新聞

8月15日 福島第1の凍土壁、規制委が凍結最終認可 2019年8月14日  日本経済新聞 2016年11月、「凍土壁」の凍結状況を確認する経済産業省の担当者=代表撮影 2017年8月15日、原子力規制委員会は東京電力福島第1原子力発電所の汚染水発生を抑える「凍土壁」の凍結について最後の認可を出した。同年11月には1~4号機を取り囲む全面凍結がほぼ完了した。同原発は11年の東日本大震災の影響で、原子炉内の核燃料が溶け落ちる炉心溶融事故を起こした。原子炉を冷やすために注入する水や建屋に流れ込んだ雨水、地下水が大量の汚染水となり問題となった。その対策の切り札が凍土壁だ。 16年3月に凍結を始めて、建屋の周囲1.5キロメートルにわたって、約1600本の凍結管を埋めて地下を凍らせた。建設に約345億円の国費を投じた。専門家からは費用対効果が低いとの指摘もあったが、東電は18年3月、1日あたり約95トン減らす効果があるとの試算を出した。汚染水は徐々に減ってはいるものの18年度には1日平均170トン発生した。  

2019年8月11日から8月12日の北海道、稚内市の空間線量の急上昇は、ロシア軍施設の核爆発の影響か?

[解説]  twitterでlimahallさんが、2019年8月11日12時以降、北海道の観測地点の中で、稚内市だけが空間線量の急上昇が見られることを書いていただきました。  編集者が調べたところ、2019年8月11日12時以降、稚内市だけが、シベリア高気圧の雲にかかっています。当初は、シベリア高気圧の影響だけを考えていました。2019年8月11日12時以降、稚内市だけがシベリア高気圧の雲にかかっていたからです。しかし、ロシアの核爆発事故が起きた2019年8月8日には、北海道全域の空間線量が急上昇しています。     しかし、昨日、facebookの友だちから、2019年8月8日(発生時刻不明)、ロシア北西部のアルハンゲリスク州のロシア軍施設で核爆発事故が起きていたことを教えていただきました。  まったく、なんたることか!  アメリカも、ロシアも、核兵器を放棄すべきです。世界の世論を強め、核兵器禁止条約を発効させるべきです。さもないと、私たちは、東京電力福島第一原発事故により、東日本が広範に汚染されただけでなく、ロシアの核爆発事故によって北海道も放射能汚染されかねません。北朝鮮の核兵器よりも、危険なのは、アメリカの小型核兵器開発。アメリカは、北朝鮮半島やヨーロッパ、中東で小型核兵器を「使える核兵器」として、配備しようとしています。いざ、米朝の戦争となれば、戦場はアメリカ本土ではなく、グアムや朝鮮半島です。それは米朝だけではなく、ロシア、中国を巻き込んだ核戦争になりかねません。その引き金を引く準備をしているのが、アメリカであり、対抗して核実験を行ったのがロシアです。日本の新聞、テレビは個々の情報は伝えますが、この北朝鮮の核兵器開発の背景や核兵器廃絶の道のりについては報道しません。報道しても、アメリカの見解を無批判に垂れ流すだけです。  朝鮮半島の核戦争の危機を生み出しているのは、アメリカの小型核兵器開発と、ロシアの対抗措置です。諸悪の根元を絶たないと、日本は広島、長崎、ビキニ、東海村、福島に続く6回目の核被害に遭うことになりかねません。  日本の課題は、ロシアの核軍拡をも批判できない、安倍晋三政権をすぐにでも、交代させることです。次の衆議院選挙で、政権を担える野党を勝たせましょう❗原発再稼働容認、原発事故避難者切り捨て容認、憲法9条改憲容認の野党など、価値はありません。圧倒的無関心層、投票棄権層が選挙に関わるような、政治運動を身の回りから作りましょう。  大地震や大火山の噴火も近い気がします。手遅れになる前に、日本の政治を変えましょう。日本の首相を変えましょう。  以下、NHK NEWS WEB 2019年8月13日   ロシア 軍施設での爆発 放射線量最大で16倍に上昇 気象当局 2019年8月13日 21時29分 NHK NEWS WEB ロシア北西部にある軍の施設で今月8日に起きた爆発について、ロシアの気象当局は、当時現場周辺で、放射線量が16倍に上昇したとする観測結果を公表しました。 ロシア、アルハンゲリスク州で8日起きた爆発に関してロシアの気象当局は、当時周辺にあった8つの測定ポイントのうち6つで、通常の4倍から16倍に放射線量が上昇し、最大では1時間当たり1.78マイクロシーベルトを計測したという観測結果を13日までに公表しました。 また国営のタス通信は、爆発のあった現場に近い都市、セベロドビンスクでは、放射線量がおよそ30分にわたって、許容限度とする1時間当たり0.6マイクロシーベルトのおよそ3倍の、2マイクロシーベルトまで上昇したとする行政府の責任者の話を伝えています。 この爆発をめぐっては、アメリカのトランプ大統領がアメリカ軍などがコードネームで「スカイフォール」と呼ぶ、原子力を動力源とする最新の巡航ミサイル「ブレベストニク」の実験の失敗によるものだったとの認識を示しています。 今回の爆発は、ロシアがアメリカに対抗して最新兵器の開発に力を入れるなかで起きましたが、ロシア政府は詳しい内容を公表していません。 ロシア大統領府「ロシア国民の安全を保証」 ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日、北西部にある軍の施設で爆発があり、周辺で一時、放射線量が上昇したことに関連して「関係するすべての機関ができうることをすべて行って、ロシア国民の安全を保証している」と述べ、事態は落ち着いていると強調しました。 一方、アメリカのトランプ大統領がツイッターで、アメリカはロシアと同様の、さらに進んだ技術を持っていると指摘したことについては、「われわれの大統領が何度も言っているように、この分野ではロシアはほかの国が到達しうるレベルを大幅に上回っており、唯一無二のものだ」と述べ、アメリカに対抗するため最新兵器の開発を進める姿勢を示しました。  [追加]  2019814読売新聞 朝刊 6面 国際面 より 露 対MD兵器急ぐ…実験場爆発 2019年8月14日 読売新聞 朝刊 6面 小型原子炉ミサイルか   爆発した新型兵器との見方が強まっている原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」(露国防省が昨年公開した映像より)  【モスクワ=工藤武人】ロシア北部アルハンゲリスク付近の露海軍実験場で8日に起きた爆発は、露国営原子力企業ロスアトム側の証言で、小型原子炉を利用した新型兵器の開発に伴う事故だった可能性が高まっている。この爆発で、プーチン露政権が、放射性物質による汚染の危険性が高い兵器の実用化を急ぐ実態が浮き彫りとなった。    インターファクス通信によると、爆発で犠牲になったロスアトムの従業員5人の葬儀が12日行われ、リハチョフ社長は、爆発が「新型兵器」の実験中に起きたことを認めた。その上で「新型兵器の作業を最後までやり遂げる」と強調した。  これに先立ち、死亡した5人が所属していたロスアトム傘下の研究所の専門家は11日の地元テレビのインタビューで、爆発は研究所が取り組んでいる小型原子炉の開発に関連していたことを明らかにした。  爆発は、小型の原子炉を搭載する原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の実験失敗だったとの見方が有力だ。トランプ米大統領は12日、ツイッターで、事故に関し、ブレベスニクの米欧での別称「スカイフォールの爆発」と指摘し、「米国には同様の、より進んだ技術がある」と強調した。  ブレベスニクは核弾頭も搭載可能で、米国による世界的なミサイル防衛(MD)システムに対抗するため、プーチン政権が開発を急ぐ新型核兵器の一つだ。通常兵器で米国に太刀打ちできないことを自覚しているプーチン政権は、MD網構築により米国との格差が開くことを懸念しており、核兵器に特化して最新化を図っている。プーチン大統領は2018年3月の年次教書演説で、ブレベスニクの開発を急ぐことを明らかにしていた。  原子力を動力源とするミサイルは、燃料搭載量による飛行距離の制限を受けない。プーチン氏は「射程は事実上無制限になり、軌道も予見不能になる」などの利点を強調し、MD網打破に自信を見せた。一方、専門家からは深刻な原子力事故を招く危険がある技術との懸念が出ている。  プーチン氏は19年2月の年次教書演説でも「試験が首尾良く進んでいる」とアピールしたが、試射の失敗が続いているとの観測もあり、実態はベールに包まれている。12日の露紙「独立新聞」は、軍事産業筋の話として、ブレベスニクの開発は既に完了しており、爆発は「新技術」の開発中に起きたとの見方を伝えた。   情報開示不十分…秘密体質は継続    ロシア北部アルハンゲリスク付近の露海軍実験場で起きた爆発では、プーチン政権による情報開示の不十分さが際立っている。ロシアの前身のソ連は、1986年のチェルノブイリ原子力発電所の爆発を隠し被害を拡大させたが、こうした秘密体質は依然として続いているようだ。  露国防省は爆発発生後、「有害物質の大気中への放出はなかった」と強調していた。だが、タス通信によると、露気象監視当局は13日、爆発のあった8日に、実験場近隣のセベロドビンスク市の放射線量が4~16倍に上昇したことを明らかにした。  地元メディアは、実験場周辺では、放射線による甲状腺被曝ひばくを防ぐヨウ素剤を買い求める住民でパニックが起きたと伝えた。13日には、地元当局が実験場付近の住民に対し14日からの避難を要請したとの情報が流れたが、別の当局者から否定する情報も出て、混乱した。  爆発に関し、プーチン氏は発言していない。トランプ氏は12日、「爆発事故は施設の周囲やそれをはるかに越えた範囲で大気(汚染)への懸念を招いた」と指摘し、事態を注視する考えを示した。          

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