内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
ブログ
  • HOME »
  • ブログ »
  • 資料 »
  • 内部被ばくと健康被害

内部被ばくと健康被害

再生エネ機器、日本製急減 風力9割縮小、太陽光半分 2019年5月11日 日本経済新聞

再生エネ機器、日本製急減 風力9割縮小、太陽光半分 2019年5月11日  日本経済新聞 再生可能エネルギー関連機器の国内生産が急減している。風力関連の生産額は2018年度に100億円台に落ち込み、9年間で9割減ったもようだ。太陽光も同年度の生産額がピークから半減した。日本企業は生産規模の拡大で出遅れ、欧米・中国勢の価格攻勢を受けている。政府は再生エネを成長産業と位置づけて国民負担も膨らんでいるが、国内生産の空洞化が止まらない状況になっている。   日本産業機械工業会がまとめた17年度の風力発電関連機器の生産額は265億円と、16年度の3分の1となった。18年度は統計がある09年度と比べて9割超の落ち込みとなったもようだ。 陸上に設置する風車では15年に三菱重工業が新規の製造をやめ、17年3月末には日本製鋼所が風力発電機の最終出荷を終了した。部品を手掛けるナブテスコや曙ブレーキ工業なども関連部品の生産を取りやめている。 日本の風力市場はデンマークのヴェスタスや米ゼネラル・エレクトリック、独シーメンス系が席巻。三菱重工はヴェスタスと洋上風力の合弁会社を持つが、生産はデンマークなどで手掛ける。小型の風車では中国勢が攻勢をかけている。 生産額が減少しているのは風力だけでない。光産業技術振興協会によると、太陽光パネルやパワーコンディショナー(電力変換装置)などの国内生産額は18年度に1兆7322億円となり、ピークだった14年度から半減した。特に太陽光パネル関連の生産額は13年度からの5年で約4分の1に減った。 京セラは17年に伊勢工場(三重県伊勢市)で太陽光パネルの生産を中止。三菱電機は太陽光パネルの中核部材であるセルの生産を18年3月でやめた。パナソニックも18年に滋賀工場(大津市)を閉鎖し、マレーシア工場に移管した。だが今月9日にはそのマレーシア工場を中国企業に売却すると発表した。 太陽光パネルではシャープが06年まで世界シェア首位で、風力発電機でも日立製作所や三菱重工が世界の大手に名を連ねていた。ただ市場拡大を見越して生産規模の拡大に走る欧米や中国勢に対し、日本勢は設備投資に二の足を踏み価格競争力が低下した。 日立製作所は風力発電機の自社生産から撤退 誤算だったのが12年に導入された再生エネの買い取り制度(FIT)だ。太陽光からつくる電力に高い価格がついたため、太陽光に投資が集中。環境影響評価に5年ほどかかる風力への投資は敬遠され、日本勢の撤退が相次いだ。 投資が集中した太陽光も、国内製パネルでは国内需要をまかなえず、海外製パネルの流入を招いた。17年に京セラが国内シェア首位から転落し、中国や韓国企業が低価格で攻勢を掛けている。 FIT費用の一部を電気代に上乗せする賦課金は18年度に2.4兆円に膨らみ、消費税1%分に相当する。家計などの国民負担によって発電事業者は利益をあげる一方、機器メーカーは生産を縮小し続けている。 今後も国内生産の縮小傾向は続く見込みだ。制御機器大手のIDECは18年9月末で太陽光発電向けのパワコンから撤退。日立は19年1月に風力設備の自社生産から撤退すると発表し、国内の風力発電機メーカーは事実上なくなる。日立は6月には家庭向け太陽光のパワコン生産をやめる。 英国や台湾には洋上風力の入札時に機器の自国・地域からの調達を重視して落札者を決めるなど、FITを産業振興に結びつける枠組みがある。 米国やインドでは、割安な中国製太陽光パネルを念頭に18年から輸入品に対するセーフガード(緊急輸入制限)を発動し、25~30%の関税を課した。米国では米ファーストソーラーが18年12月期に最終黒字に転換し一定の成果があった。だがインドでは中国企業が東南アジアで生産したパネルの流入を招き、国内産業を育成できていない。産業振興で決定的な対策があるわけではない。 日本では風力の発電能力が30年度までに現状の10倍程度に膨らむ見込みだ。外資に国内市場のハードを席巻されたなか、日本勢には「エネルギー管理などシステムに力を入れ、海外勢と違いを出す」との声もある。国のエネルギー政策をにらみながら、新たな収益分野を確保できるかが課題となる。 (柴田奈々、花田幸典)           全て表示          

2019年5月9日(木) 沖縄県那覇市 川根先生 お話会『原発事故から8年、関東の放射能汚染はどうなっているか?自主避難のお勧めの場所は?』 スライド&pdf

 2019年5月9日(木) 沖縄県那覇市 川根先生 お話会『原発事故から8年、関東の放射能汚染はどうなっているか?自主避難のお勧めの場所は?』 スライド&pdf を主催者の希望により、公開します。  データ容量が大きいので、ファイルのスキャンが出来ず、エラーメッセージが出ます。エラーメッセージを無視して、ダウンロードしてご覧下さい。以下のアドレスにアクセスしていただき、上のメニュー・バーの右の方に「↓」(下向きの矢印)が出てきます。この「↓」をクリックするとダウンロードされます。   ほうしゃのうの授業 沖縄県那覇市 20190509 powerpoint https://drive.google.com/file/d/1Kro8IoW0FebCcf_n1iM7G0SmhbaAg9Rw/view?usp=sharing   ほうしゃのうの授業 沖縄県那覇市 20190509 全217ページ pdf https://drive.google.com/file/d/1rtzz0SySh9turgCxmd8KoH_zHAF8r3mJ/view?usp=sharing    2019年5月11日記

スリーマイル島原発事故40年 終わらぬ悪夢 東京新聞 2019年4月7日、4月8日

スリーマイル島原発事故40年 終わらぬ悪夢 (上) 癒えぬ傷 がん患者増加 続く不安 被ばくの影響 子孫どうなる東京新聞 2019年4月7日 朝刊 4面  世界初の炉心溶融(メルトダウン)事故とされ、大気中に放射性物質をまき散らした米東部ペンシルベニア州のスリーマイル島(TMI)原発事故から四十年がたった。米政府は「死傷者ゼロ」を強調するが、住民らは現在も健康被害を訴え、事故とのつながりを示唆する研究結果は絶えない。一方、州議会ではTMI原発の延命策が議論され、事故機の廃炉が先送りされる可能性も出ている。米史上最悪の原発事故は今も終わっていない。  母、めい、同級生、そして自分-。TMIの南約十キロに住む当時高校生だったペギー・パーキンスさん(54)は、身近な人々が次々と脳腫瘍などのがんを患い、自身も三十一歳から皮膚がんや甲状腺異常症と闘ってきた。  もともと家族や親戚にがん患者は「一人もいなかった」。長女(33)には背骨の先天異常や腎臓病がある。全てが偶然とは思えない。心配なのは孫やまだ見ぬひ孫に、放射線被ばくの影響が受け継がれること。「もっと早く放射能漏れを教えてくれていたら…」  州都ハリスバーグ近郊のミドルタウンにあるTMIは、米東海岸で最も長いサスケハナ川の中州の名前だ。川岸には住宅地が広がる。  一九七九年三月二十八日午前四時。原子炉二基のうち、三カ月前に営業運転が始まったばかりの2号機で設備の不備や誤操作が重なり、核燃料が溶け落ちる炉心溶融が発生、放射能が外部に漏れ出した。  当時の州知事が妊婦と未就学児を対象に半径五キロ圏からの退避を勧告したのは三十日の昼。事故発生から五十六時間がたっていた。  「放射性物質の放出量は少なく、健康や環境への影響は無視できるほどだった」。米原子力規制委員会(NRC)や業界団体の見解だ。がん患者や死亡率の増加を指摘した著名大学の研究ですら放射線被ばくとの関係を否定し、原因は「事故による精神的ストレス」と結論づけた。  一方で、実際の被ばく量が政府側の説明より相当多くなければ、がん患者の増加は「考えづらい」と疑問視する研究結果もある。直近では二〇一七年、地元ペンシルベニア州立大の研究チームが甲状腺がんを患った周辺住民の検体を調べ、「事故と甲状腺がんの相関性の可能性が示された」と発表。がんの原因そのものが放射線かどうかは判断を避けつつ、事故後の一定期間に発症した集団で、放射線被ばく特有の遺伝子変異が多かったという。  米疾病対策センター(CDC)の統計では、ペンシルベニア州は直近一一~一五年の甲状腺がん発症率が全米二位、がん全体では三位。それ以前も全米平均より高い状態が続いていた。  メアリー・ステイモスさん(75)は事故以来、頭が二つある乳牛など動植物の奇形を千例以上集め、NRCに放射能の影響を訴え続けている。「政府は『事故は終わった』と言うけれど、私たちはそれが真実ではないと学んできた」と語る。  一方、事故当時ミドルタウン市長だったロバート・リードさん(86)も友人や近隣住民、きょうだいをがんで失った。事故の影響だと思っているが、「専門家ではないから」と断言はしない。もはや因果関係の解明そのものに悲観的だ。「これから医者や科学者が明らかにしてくれるのか。そうは思えない」  四十年前の真相がはっきりしないまま、TMI原発は今も稼働している。   (ミドルタウンで、赤川肇、写真も) 終わらぬ悪夢 スリーマイル島原発事故 (下) 「廃炉」が一転 延命法案 潮流に背 クリーン・雇用維持名目東京新聞 2019年4月8日 朝刊5面  夜空を蒸気で染める巨大な冷却塔を背に、約三十人の住民らが並んだ。吐く息が白い。米ペンシルベニア州ミドルタウンのスリーマイル島(TMI)原発事故から四十年となった三月二十八日未明、事故を次世代に伝えようと毎年続く抗議集会。参加者が掲げるプラカードには今年、こんな文言が目立った。「TMIを救済するな」  米国は世界随一の原発大国だが事故以降、二〇一三年まで新規着工が止まった。米エネルギー情報局(EIA)によると、ピーク時の一九九〇年には百十二基が稼働していたが、いまは九十八基。シェールガス革命に加えて太陽光、風力などの再生可能エネルギーの普及で競争力が衰え、運転許可期限を待たずに退役を迫られる例も相次ぐ。  TMIもそう。事故を起こした2号機が閉鎖され、1号機だけが八五年に再稼働したが、六年前から不採算に陥っている。  「二〇一九年九月末にTMI原発を閉鎖する」。経営を受け継いだ米電力・ガス大手エクセロンが一七年五月に発表した。しかし、「必要な政策変更がなければ」との条件付き。クレーン最高経営責任者(CEO)は「きれいで信頼できるエネルギーと高収入の雇用の維持」を求め、州政府に事実上の救済を迫った。  これを受けて州議会では今年三月、TMIの地元選出のメハフィー議員が、州内の原発九基を「無公害な発電源」として、年五億ドル(五百五十億円)かけて延命させる法案を提出。地元フランクリン&マーシャル大の世論調査では、再エネと同様に原子力を支援することに州内の50%が賛成し、反対の37%を上回った。廃炉に向けた風向きが変わりつつある。  背景には原発依存度の高さもある。全米の総発電量のうち原発は二割だが、同州は四割。メハフィー氏は「原発による雇用や経済、環境への恩恵に感謝するときだ」と主張する。  一方で、米原子力規制委員会(NRC)によると、事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)は一九九三年までに99%を除去したが、1%は解体しないと取れないため現場に残ったまま。解体は1号機の廃止を待って行われる予定で、延命は事故処理の先延ばしにもつながる。  四十周年の抗議集会に母親(87)と参加したマリア・フリスビーさん(55)はTMIの訓練のサイレンを聞くたび、避難勧告後に高校で迎えを待ちわびた当時の恐怖がよみがえる。「二度と事故が起きないなんて誰も約束できない」。延命策への嫌悪感をあらわにする。  原発を動かし続れば、行き場のない使用済み核燃料もため込むことになる。原発が「トイレなきマンション」といわれるゆえんだ。  TMIの監視を続ける市民団体「TMIアラート」のエリック・エプスタイン代表(59)は道義的な面からも「原発の悪夢」に終止符を打つべきだと訴える。「重ねた失敗のツケを次世代に先送りする。実に不公平だ」(ミドルタウンで、赤川肇、写真も)

水産庁の元海洋放射能研究室長は、東電福島第一原発事故をどう見ているか?「年間線量限度」について

[解説]  水産庁の元海洋放射能研究室の室長 吉田勝彦氏が以下のような文章を書いていました。この結語の中に、「確実なことは、1000mSv の被曝でガンになる確率は5%増加」「100mSv 以下の低線量被曝については判らない」「喫煙者のガンになる確率を被曝線量に換算すると、年間に32 mSv 被曝したことと等しく」「チェルノブイリ事故では、放射線による影響より、放射線の恐怖による影響の方がずっと高かった」と驚くようなことを書いています。  これが、水産物の放射能汚染から、日本の市民の命と健康を守るための、水産物の放射能測定を行う責任者であった人間の書いた言葉か、と思うと、日本の放射線防護体制がいかに有名無実なものであるかが、わかります。  以下、2012年初頭に書かれた、水産庁元海洋放射能研究室長 吉田勝彦氏の「水産物の放射能汚染をどうみるか」の結語を紹介します。 出典:水産物の放射能汚染をどうみるか 水産庁 吉田 勝彦 2012年  年間線量限度について、必ずしも正確に理解されているとは思えない報道がされているように思えるので、若干コメントしたい。  広島・長崎の長期間にわたる調査結果により、確実なことは、1000mSv の被曝でガンになる確率は5%増加する。100mSv をこえる被曝をした場合、何十年もの間に明らかにガンになる確率は線量の増加につれて大きくなる。しかし、100mSv 以下の低線量被曝については科学的に明確な答えを出せない。言い換えれば、現在までの研究結果によれば、「100mSv 以下の低線量被曝については判らない」という結論が科学的な結論である。従って、低線量被曝について科学的に正しい安全基準や許容基準を決めることは不可能である。  国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告による、一般人の年間線量限度1mSv、職業人の年間線量限度50mSv は安全と危険を示す境界ではない。このことが正しく理解されていないことから、多くの混乱が生じたと思われる。  一般人の年間線量限度1mSv はどのような時に適用されるかというと、「被曝を受ける個人には便益は無いが社会にとって便益のある線源による被曝」に適用される。具体例をあげると、原発の稼働に伴い周辺環境に放出される放射能量は線量限度年間1mSv 以下にすることが義務付けられ、2007 年勧告では計画状況での公衆被曝に設定する拘束値となった。ICRP の勧告はあくまでも、100mSv 以下の低線量被曝では有意にガンが発生することは証明できないのであるから、被曝を減らしていくための目安にすぎないということである。ICRP の作業仮説は「しきい値なしで、即ち、被曝線量が0 にならない限り、ガンになる確率は被曝線量に比例する」ということである。ICRP の作業仮説に従えば、ガンになる確率は100mSv で0.5%、20 mSv で0.1 %であり、1mSv でも0.005 %である。因みに、喫煙者のガンになる確率を被曝線量に換算すると、年間に32 mSv 被曝したことと等しくなる。また、同じ被曝線量では、一度に被曝するより、少しづつ被曝する方が健康への被害は少ないと言われている。  チェルノブイリ事故では、放射線による影響より、放射線の恐怖による影響の方がずっと高かったということも報告されている。最後に、極端に放射線を恐れるあまり、ストレスによる病、栄養不足、運動不足により健康を損ねないように、冷静な対処を心から願ってやまない。 [解説]  上記の文章を書いた、水産庁の元海洋放射能研究室長 吉田勝彦氏がどういう人物かを調べていたら、極めて面白い資料を発見しました。 以下は一般市民の数学やグラフに対する知識が少ないことを利用した詐欺ではないでしょうか。極めて悪質です。 最初の図の折れ線グラフと、2番目の棒グラフは、実は同じ研究結果をグラフ化したものです。どちらも「笠松不二男,1999年」とあります。同じ研究結果を、最初の水産庁 森田貴己氏は、意図的に縦軸の目盛りを指数表示にすることで、小型魚から大型魚にかわっても、放射性セシウムの生物濃縮が起こらないように、見せかけているのです。 以下最初の資料の中のグラフの縦軸は指数表示になっていて、2番目のグラフの縦軸は自然数表示です。最初のグラフではセシウム137の濃縮係数が1,10,100と急速に増えていくのに対して、2番目のグラフではセシウム137の濃縮係数が10,20,30,……と増えていきます。要するに同じ研究結果でありながら、グラフの縦軸の目盛りを換えることで(指数表示と自然数表示)、最初のグラフでは、水産庁 水産庁増殖推進部研究指導課の森田貴己氏は、海の生物では食べる・食べられるの食物連鎖によって、放射性セシウムが濃縮することはない、と結論づけているのです。2番目のグラフは元海洋放射能研究室長 吉田勝彦氏のものでした。ある意味、水産庁は綿々と市民を騙すための説明に多くの努力を傾注しているように見えます。「これくらいの放射能は安全です」と。吉田氏から森田氏へと。 グラフ1:水産物 食物連鎖を通じて生物濃縮しないの? 水産庁 森田貴己 2011年5月11日 グラフ2:水産物の放射性セシウム濃縮係数 笠松不二男,1999年 出典:水産生物中の放射性セシウムについて 水産庁 森田貴己 2012年9月25日 出典:水産物の放射能汚染をどうみるか 元水産庁中央水産研究所海洋放射能研究室 吉田勝彦 2011年

原発事故後、先天性心疾患の手術件数14%増 yahoo news 2019年4月10日

原発事故後、先天性心疾患の手術件数14%増 世界的権威が認めた衝撃の事実 日本のメディアが報じない怪 ヤフーニュース  平成が間もなく終わりを迎えるが、平成最大の事件というと、日本においては、東日本大震災と福島第一原発事故をおいて他にないだろう。その福島第一原発事故に関係した重要な事実について、平成から「令和」に変わる前に伝えておきたい。  福島第一原発事故から8年目を迎えた数日後、アメリカ3大ネットワークTV局の一つであるCBSテレビが衝撃的なニュースを伝えた。    「新たな研究が、福島第一原発事故と乳児の心臓手術数急増の関連を示唆。先天性心疾患の手術を受けた1歳未満の乳児の数が、14%以上急増」  これは、3月13日、心臓病研究の世界的権威「アメリカ心臓協会」が発行している国際科学誌「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ハート・アソシエーション」が「福島原発事故後の複雑心奇形の全国的増加」と題した研究論文を掲載したことを受けて、報道されたニュースだった。   タイトルからわかる通り、論文は「福島第一原発事故後に、複雑心奇形という先天性心疾患を持って生まれた乳児が、日本で全国的に増加した」という“衝撃的な事実”を伝えている。論文の中心的な著者は、名古屋市立大学で生態情報測定学を研究する村瀬香准教授である。   報じない日本の主要メディア  アメリカの大テレビ局が報じた重大なニュース。しかし、見たところ、日本の主要メディアでは報じられていない。不思議に思い、筆者は村瀬氏にコンタクトし、話をきいた。  村瀬氏が残念そうにこう話す。 「実は、メディアに大きく取り上げられるだろうと思い、研究チームはスタンバイしていたんです。しかし、結局、報じてくれたのはアメリカのロイター通信やCBSニュース。日本の大手通信社や大手新聞社の記者は取材には来たものの、なぜか報じていません。唯一、大学の地元という縁からか、中日新聞だけは取り上げてくれました」  こういった科学研究論文は、同じ研究者から審査を受け、承認されると、科学誌に掲載されるが、村瀬氏の論文も同じ過程を経て掲載された、研究者お墨付きの論文だ。しかも「アメリカ心臓協会」は心臓病の研究ではアメリカ最大で、世界的にも信頼性の高い機関である。  研究論文の結果は衝撃的だが、世界的権威が認めた重要な研究論文を、原発事故が起きた当事国・日本の主要メディアが報じていないのは、ある意味、もっと衝撃的だ。日本のメディアは何を考えているのだろう? オリンピックや選挙を控えて神経質になっているお上の顔色をうかがっているのだろうか?   複雑心奇形の手術件数が急増  村瀬氏チームの研究結果について説明したい。  研究の大本になったのは、日本胸部外科学会が日本全国の病院から集めている先天性心疾患に関する全ての手術データ。このデータには46種類の先天性心疾患に関する手術件数がほぼ全て含まれている。その中でも、村瀬氏は、「複雑心奇形」という先天性心疾患に着目し、福島原発事故前(2007~2010年)と事故後(2011年~2014年)の手術件数の変化を解析した。  複雑心奇形とは、胎児の心臓が形成される段階で生じる障害のこと。いわば、“先天的奇形の心臓”が生じる障害と言ってもいいかもしれない。複雑心奇形には29種類あるが、この障害を持って生まれた乳児は、治療のために、高度な手術を受けなければならない。  村瀬氏は、複雑心奇形という先天性の障害を持って生まれた乳児(1歳未満児)の治療のために日本全国で施された手術のデータを、原発事故前と原発事故後で解析した。その結果、原発事故のあった2011年以降、手術数が有意に増加(偶然に起きた増加ではなく、統計的に意義のある増加のこと)していることがわかったのだ。  しかも、以下のグラフから分かる通り、その数は急増している。   乳児(1歳未満児)に対する複雑心奇形の手術件数は、原発事故後に、約14.2%の有意な増加が認められ、調査終了時の2014年まで増加したままの状態が続いていたのである。  また、解析は、複雑心奇形の中でも、心臓が形成される早期の段階で重篤な複雑心奇形を持つ乳児の手術が急増したことを示している。  加えて、29種類の複雑心奇形のうち、有意に減少したものは一つもなかった。つまり、ある一つの複雑心奇形だけが大きく増加したわけではなく、たくさんの複雑心奇形で増加が見られたのだ。    原発事故の影響以外に説明できない  チェルノブイリの原発事故後、旧ソ連や近隣諸国では先天性心疾患の発生率の増加が報告されたが、同じ状況が今、日本でも起きているということなのか?  この結果について、村瀬氏はこう解説する。 「原発事故との関連は不明です。また、原発事故との関連の有無を証明することは不可能です。しかし、原発事故以外に、複雑心奇形の手術件数の急増に結びつく要因が考えられないのです。例えば、新たな手術法が開発された場合、その手術による手術数の増加は起きるかもしれませんが、新手術というのは通常徐々に浸透していくものなので、このように急増することはありえません。  また、グラフからわかるように、2010年は前年よりも手術数が増加しています。同年は、妊産婦に対して行われたアンケートの回答率が99%とこれまでで一番高かったことから、増加しても不思議ではありません。しかし、2011年の場合、震災の影響か、その回答率が96.4%とこれまででは最も低かったんです。それにもかかわらず、手術数は急増しました。原発事故の影響以外に説明がつきません」  確かに、村瀬氏チームの論文によると、調査した2007年~2014年では、子供の出生数はゆるやかに減少しているにもかかわらず、複雑心奇形の手術数は増加している。  手術件数は全国的に増加したということだが、福島県でも増加したのか? それについて村瀬氏はこう説明する。 「各県別のデータがないため、それは不明なのです。また、福島県の場合、心奇形の内訳が出されていないので、どれだけが重篤で複雑な種類の心奇形であるか不明で、手術数が増加しているのかどうかも非公開です。また、事故後、福島県外に移住し、県外で母子手帳をもらって出産した妊産婦もいますが、そのデータは福島県のデータには含まれていません」  しかし、全国の複雑心奇形の手術数には、福島県から県外に移住し、県外で母子手帳をもらった妊産婦が出産した複雑心奇形を持つ乳児の手術数も含まれている。   睾丸の位置異常も増加  増えているのは複雑心奇形の手術だけではない。  村瀬氏が、35都道府県の94の病院で、「停留精巣」と呼ばれる、睾丸の位置に異常がある精巣を持って生まれた乳児に対して行われた手術退院件数を調べると、その数は、原発事故後は事故前と比べて平均13.4%も増加していた。村瀬氏がこの結果について書いた研究論文は、昨年5月、国際科学誌「Urology(ウロロジー)」に掲載された。  そもそも、村瀬氏はなぜこのような研究をするに至ったのか? それについて、村瀬氏はこう話す。 「もともと、原発事故前からオオタカという野鳥の生態を研究していたのです。そのオオタカの7、8割あった繁殖成功率が原発事故後は5割に下がったことがわかり、それについて論文を書きました。この時もある大手新聞の記者が取材に来たのですが、なぜか掲載されませんでした。  また、イノシシの研究も行った結果、原発事故後、オスなのに精巣がないイノシシが数多く見つかったのです。先天性奇形という疾患かもしれない。そう思い、調べようと思ったのですが、イノシシではサンプル採取が難しいため、入手可能な人のデータで調べてみようと考えたのが、停留精巣や複雑心奇形の研究に着手したきっかけです」   なくなった研究費枠  村瀬氏は現在、イノシシのDNAや臓器が受けた放射線影響について研究を行なっている。「衝撃的な結果なので、信じてもらえるかわからない」という研究結果をすでに得ているというが、今後、研究を続けていけるかどうか不安も感じている。先天性奇形の研究を始めてから、科学研究費という国が出す研究資金を得るための申請書を出しても、申請が通らなくなったという。また、福島原発事故による被曝の影響を研究する研究費枠もなくなってしまったという。 「今では、一般的な放射線影響という研究費枠しかありません。研究を続けるためのエンジンがなくなったのを感じています」 と声を落とした村瀬氏。  それでも、村瀬氏の研究にかける情熱は衰えない。 「取り掛かっているこの研究は最後までやり抜きます」 と筆者のインタビューを毅然とした姿勢で締めくくった。  原発事故と疾患の因果関係を立証することは非常に困難かもしれない。しかし、政府や関係機関はこの結果を真摯に受け止めて、さらなる研究や調査をする必要があるのではないか。 参考記事: Study links Fukushima disaster to spike in infant heart surgeriesNationwide Increase in Complex Congenital Heart Diseases After the Fukushima Nuclear Accident

NHK福島放送局「3号機核燃料 共用プールへ移送」2019年4月23日 17:11放送は本当か?

  NHK福島放送局は、2019年4月23日夕方のニュースで「3号機核燃料 共用プールへ移送」と報道しました。   果たして、本当でしょうか?  川根が、この3号機使用済み核燃料プールからの核燃料集合体取り出しが開始された直後の4月16日、17日、18日に東京電力に問い合わせたところ、「今回の3号機使用済み核燃料プールからの核燃料集合体取り出しについては、毎日の作業実績を一切公表しない」「核燃料集合体が共用プールに移設完了したら、ホームページの特設ページの○○/566体、の○○に数字を入れる形で公表する」と言いました。福島県原子力安全対策課も、同様に答えました。  しかし、2019年4月24日 1:30am現在も、東京電力の特設ページの数字は、0/566体 2019年4月15日現在、のままです。本当に、新燃料7体は、無事、3号機使用済み核燃料集合体から共用プールに移設されたのでしょうか。  東京電力の公報姿勢が問われます。ボロボロになった、3号機使用済み核燃料プールからの、核燃料集合体もかなり損傷しているはず。ここからの核燃料集合体の取り出しは、不発弾処理と同じ危険性が伴います。原子力規制委員会も、東京電力も、間違えば、再臨界の危険性を認識しているはずです。  東京電力が、新燃料7体の共用プールへの移設完了を公表せず、NHK福島放送局だけが、報道する、などということがあっていいのでしょうか?  東京電力は、事実証拠を示して公表すべきです。 東京電力 3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し  写真:3号機の状況 共用プールへの移送が完了した燃料(体) 2019年4月24日 1:30amスリーンショット 3号機核燃料 共用プールへ移送 NHK福島放送局 2019年4月23日 17:11 東京電力福島第一原子力発電所3号機の使用済み燃料プールから取り出された最初の核燃料7体が輸送用の容器に入れられ、23日までに、共用プールと呼ばれる敷地内の施設に運ばれました。今後、この燃料を容器からプールに収めると、1回目の取り出しの作業が完了します。 福島第一原発3号機では、事故で溶け落ちた核燃料とは別に、燃料プールに残されていた使用済み燃料514体、未使用の燃料52体を取り出す作業が、今月15日から始まりました。23日までにキャスクと呼ばれる輸送用の容器に、未使用の新しい燃料あわせて7体が入れられ、トレーラーでおよそ100メートル離れた共用プールと呼ばれるより安定した専用の施設に運ばれました。事故でメルトダウンを起こした原子炉建屋から、燃料プールの核燃料が運び出されたのは初めてです。今後、共用プール内で、燃料をキャスクから取り出して、燃料を収めるラックに移す作業が行われ、7体すべてを移し終えると、1回目の取り出しの作業が完了します。東京電力は、1回目が完了したあと、作業に問題がなかったか検証した上で、ことし7月から2回目以降の作業を再開する予定で、来年度までにすべての核燃料の取り出しを終えたいとしています。東京電力福島復興本社の大倉誠代表は、「なかなか約束したスケジュールどおりにいかず、心配をおかけしましたが、無事に1つ目のキャスクの移動を終えました。引き続き安全第一で取り組み、きちんと工程を踏んで、2020年度中に566体の燃料を取り出したい」と話していました。

3号機使用済み核燃料プールからの核燃料集合体取り出し。初日2019年4月15日、2本目取り出し時にトラブル。作業中断。それを伝えないNHK。

[解説]  2019年4月15日から、東京電力は、福島第一原発3号機の使用済み核燃料プールからの核燃料集合体566体の取り出し作業を開始しました。今日からの作業では「⽐較的リスクの低い未使⽤燃料」、「未使⽤燃料7体を今⽉中にも構内の別の施設に運び⼊れる予定。」と報道されていました(上毛新聞 2019年4月11日「来週にも3号機燃料搬出、福島 第1原発」)。 来週にも3号機燃料搬出、福島 第1原発 上毛新聞 2019年4月11日  4月15日8:50amに取り出し作業を開始しました(NHK NEWS WEB 2019年4月15日9:57「福島第一原発3号機 燃料プールから核燃料の取り出し開始」)。 福島第一原発3号機 燃料プールから核燃料の取り出し開始 NHK NEWS WEB 2019年4月15日9:57  そして、同日14:14にNHKは、同日13時前に「2本目の核燃料を取り出したあと、なんらかのトラブルが起き、作業は一時中断」と報道しました(NHK NEWS WEB 2019年4月15日14:14「福島第⼀原発3号機 核燃料の取り出し作業を中断 トラブルか」)。 福島第一原発3号機 核燃料の取り出し作業を中断 トラブルか NHK NEWS WEB 2019年4月15日 14:14  同日14:58のNHKは「午後1時前、2本目の核燃料を取り出したあと、作業を⼀時中断していましたが、まもなく安全が確認されたとして復旧」と報道しました(NHK NEWS WEB 2019年4月15日14:58「福島第⼀原発3号機 核燃料の取り出し作業再開」)。 福島第一原発3号機 核燃料の取り出し作業再開 東京電力 2019年4月15日14:58pm現在  同日18:05のNHKのニュースでは、この作業中断のトラブルを報道しましたが、同日「7時のニュース」では作業中断については一切触れませんでした。多くの人々が見る時間帯に、あえて作業中断のトラブルを報道しないNHKの姿勢は極めて問題です。以下にその全文の記事を紹介します。しかし、同日7時のニュースはNHK NEWS WEBのどこを探しても見つかりません。都合が悪い、事実隠ぺいニュースは証拠に残さない、という姿勢なのでしょうか。  一方、同日21:54からのテレビ朝日報道ステーションでは、きちんと「2体目を容器に入れる際、アームが引っかかって作業が一時中断する事態も起こっていたそうです。それでも予定していた4体の取り出し作業を完了しました」と報道しました。youtube動画 3’30あたり。以下をご覧ください。 youtube動画 【報ステ】福島第一原発3号機で核燃料取り出し(19/04/15)  また、NHK福島放送局 はまなかあいずTodayは、2019年4月15日夕方のニュースで「2本目を容器に移して燃料取扱機を引き上げる際、核燃料の取っ手部分に引っかかったため角度の調整が行われ」作業が止まったことを報道しました。以下の開始1分くらいのところです。是非、ご覧ください。ただし、3日ほどでリンクは切れてしまいます。 「福島第一原発3号機 4年4ヵ月遅れ 燃料プールの核燃料 取り出し始まる」 2019年4月15日 NHK福島放送局 はまなかあいづToday  NHKが2019年4月15日18:05pmに報道したニュース全文を紹介します。ちなみに、2019年4月16日8:30am現在、東京電力は4月15日13時前の核燃料取り出し作業中断について、プレスリリース、報道関係者一斉メールでも一切公表していません。東京電力の広報姿勢は大きな問題です。市民に廃炉作業の進行状況を逐一公表するべきです。 [NHKが3号機核燃料取り出し、一次中断を報道したニュース 全文] 福島第一原発3号機 核燃料取り出し きょうの作業終了 2019年4月15日 18時05分 NHK NEWS WEB  東京電力福島第一原子力発電所3号機で、使用済み燃料プールに残された核燃料を取り出す作業が15日朝から始まりました。メルトダウンを起こした原子炉建屋から核燃料を取り出すのは初めてで、すべての作業を遠隔操作で行うことから、安全で着実に進められるかが課題です。  福島第一原発3号機には事故で溶け落ちた燃料デブリのほかにも、使用済み燃料プールに強い放射線を出す使用済み核燃料が514体、未使用の燃料が52体の合わせて566体が残されています。  作業はすべて遠隔操作で行われ、15日は、午前9時前から1体目の未使用の燃料を、プールの中で燃料取扱機と呼ばれる装置でつり上げる作業が始まりました。  プールには水素爆発の影響で落ちたがれきがあることから、核燃料が引っ掛からないようゆっくりとつり上げられ、そのまま水中で10メートルほどの距離をおよそ1時間かけて移動し、運搬用の容器に収められました。  午後1時前には、2体目の核燃料を容器に収めたあと、つり上げた装置が核燃料のハンドル部分に引っ掛かったということですが、東京電力はトラブルではないとしています。  15日は、午後5時半までに予定の4体を容器に移し終え、作業は終了しました。 燃料は合わせて7体を移し終えたあと、原発の敷地内にある専用のプールに運ばれます。  メルトダウンを起こした原子炉建屋から核燃料を取り出すのは初めてで、すべての作業を遠隔操作で行うことから、安全で着実に進められるかが課題です。  核燃料の取り出しに向けては、がれきの撤去や作業員の被ばくを防ぐ除染のほか、準備中の相次ぐトラブルで作業の開始が当初の計画より4年4か月遅れ、東京電力は来年度までに終えたいとしています。 取り出し開始 なぜ遅れたか  福島第一原発3号機の使用済み燃料プールに残された核燃料の取り出しは、がれきの撤去や除染作業に時間がかかったことに加え、新たに設置した、燃料を取り出すための装置などに不具合が相次ぎ、当初の計画より大幅に遅れました。 福島第一原発3号機での核燃料の取り出しは、当初の計画では2014年の末に始めるとされていました。  しかし、核燃料の取り出しに必要な設備や機器を設置するため、がれきの撤去やプールがあるフロアの除染をしましたが、放射線量が十分下がらず、放射線を遮る鉄の板を置く範囲を広げるなど作業員の被ばく対策に時間がかかりました。  また、爆発で損傷した機器をクレーンで撤去する際、誤って機器をプール内に落下させ作業が中断したこともありました。さらに、遠隔操作で核燃料を取り出すための新たな装置と制御盤をつなぐ配線の一部が切れているのが見つかるなど装置や機器の不具合が相次ぎました。  東京電力は、「設備や機器の性能の確認など品質管理にも問題があった」として、調達した製品の品質を確認する仕組みを構築していくことにしています。 4号機との違い  福島第一原発の1号機から4号機の原子炉建屋には、事故の際、合わせて3108体の核燃料が燃料プールに保管されていました。 このうち4号機では、核燃料が1535体と最も多く、事故の2年後、平成25年11月に取り出しが始まり、1年余りかけて翌年、平成26年12月にすべての核燃料の取り出しを終えました。  このときは、プールがあるフロアの放射線量がそれほど高くなかったため、通常の原発と同じように作業員がプールのそばまで近づいて作業を直接、監視しながら進めることができました。  しかし、3号機では、放射線量は事故直後に比べれば大幅に下がっているものの、作業員が長時間、プールがあるフロアにとどまることができないため、作業は遠隔操作で行われます。  通常の原発とは方法が異なるため、作業をいかに安全に着実に進められるかが課題です。 遠隔操作室での作業は  福島第一原発3号機の使用済み燃料プールからの核燃料の取り出し作業は、原子炉建屋から500メートルほど離れた建物に設けられた専用の部屋から遠隔操作で行われています。 午前8時50分ごろ、作業員たちは、モニターに映ったプールの中の映像を見ながらレバーを操作し、燃料取扱機の先端部分で燃料集合体の取っ手をつかみました。そして、少しずつ引き上げ始めました。外観などに問題がないか確認しながらゆっくりと引き上げ、午前9時すぎ、核燃料をおさめていた燃料ラックと呼ばれるケースから1体目が抜けるのを確認していました。 燃料取り出しの方法は  福島第一原発3号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業は、作業員の被ばくをさけるため、すべてカメラの映像を確認しながら遠隔操作で行われます。その方法です。 まず、新たに開発された「燃料取扱機」と呼ばれる装置で撤去しきれていない小さながれきを取り除きながら、燃料集合体の取っ手をつかみ、キャスクと呼ばれる輸送容器に移します。  核燃料が入った輸送容器は、やはり遠隔操作で大型クレーンを使いふたをしめ、除染をしたうえで地上まで下ろされます。そして、トラックでおよそ100メートル離れた共用プールと呼ばれる施設に運ばれます。 がれきや高放射線量が作業の支障  福島第一原発3号機の使用済み燃料プールからの核燃料の取り出しに向けては、事故の際の水素爆発で落下したがれきや高い放射線量が作業の大きな支障となりました。 東京電力は、核燃料の取り出しに向け、作業の妨げとなるがれきの撤去と放射線量を下げるための除染を進めてきました。  原子炉建屋の上部のフロアにあるおよそ10メートル四方の燃料プールには、大量のがれきが落下していて、なかには、重さ20トンもある「燃料交換機」と呼ばれる装置もありましたが、多くは取り除くことができました。 ※ これは事実と違います。燃料交換機(FHM)は20トンではなく、35トンありました。NHKは事実をゆがめず、正しく報道すべきです。以下に資料。  しかし、フロアの放射線量はなかなか下がりませんでした。事故直後、放射線量は最も高いところで1時間当たり2000ミリシーベルトを超えるところもありました。東京電力は放射性物質が付着した床の表面を削り取ったり、放射線を遮る鉄の板を置いたりする作業を進めてきました。  その結果、放射線量は1時間当たり1ミリシーベルト以下まで下がり、短時間であれば作業ができるようになりました。そして、燃料を取り出すための「燃料取扱機」と呼ばれる装置と大型クレーンを新たに設置。去年2月には、放射性物質の飛散や作業の妨げとなる風を防ぐドーム型の金属製カバーの設置が完了し、取り出しに向けた作業は最終段階を迎えました。  しかし、去年3月に「燃料取扱機」の試運転を始めてから、装置や機器の不具合が相次ぎ、目標としていた去年11月の取り出し開始は断念します。対策をほどこし、2014年の末に始めるとされていた当初の計画より4年4か月遅れて、ようやく作業を始めることができました。 専門家「潜在的危険あり早期撤去を」  原発の原子炉や核燃料に詳しい東京都市大学の高木直行教授は、使用済み燃料プールからの核燃料を取り出す作業のリスクについて、「使用済み燃料には大量の放射性物質があり、1時間当たり数百シーベルトほどと人が死に至る被ばくをするレベルだ。水の中にあれば問題はないが、潜在的には非常に危険だ」と指摘したうえで、「プールがある原子炉建屋は、地震や津波の影響で強度が落ちている可能性もあり、廃炉作業を進めていくうえでまずは燃料を撤去することが必要だ」と話しています。 また、すべての作業を遠隔操作で行うことについて、「現場では何が起きるかわからない。確認したいときに見たい角度から見られず、現場に近づけないことは作業を難しくする。すでに作業を終えた4号機に比べ難易度が高い」と指摘しています。  そのうえで、高木教授は「プールに落ちたがれきが核燃料の間にはさまっていたりすると、引き上げたときに傷づけてしまって放射性物質が外に出るおそれがある。がれきを丁寧に取り除きながら1個1個、慎重に進めていく必要がある」と話しています。 [解説] 3号機使用済み核燃料プールに落下した、核燃料交換機(FHM)は20トンではなく、35トンです。以下、東京電力資料より。 <資料>3号機使用済燃料プール内大型ガレキ撤去作業の進捗状況について 東京電力 2015年3月26日 pp.10より (参考)3号機使用済み核燃料プール内ガレキの撤去状況 東京電力 2015年3月26日公表 <追記>  あと3体を取り出し、容器に入れたら、クレーンで容器ごと地上に降ろし、共用プールに運ぶという作業を今日4月16日から開始しているはずです。  引き続き要警戒です。ちなみに万万が一、再臨界が起きた場合は大量にキセノン135が出ます。しかし、これは95%ベータ線を出して崩壊しますから、ガンマ線しか測らない線量計では反応しません。ガイガー管をお持ちの方は常にonに持ち歩きましょう。  今朝2019年4月16日朝9時すぎに東京電力の広報担当に電話しました。 「昨日の3号機使用済み核燃料プールからの核燃料取り出し一時中断では、一体何が起きていたのか?プレスリリース等見ても公表されていない。どこに公表しているのか?」と。  1時間経ってから、広報から回答がありました。昨日、17:10~18:05 東京電力本社1階会見室での記者会見で記者からの質問に答えた。東京電力のHPの資料にはその内容は一切書いていない。」と。 まったく、事態の重要性が東京電力は理解していません。今度は、こそっと被ばくさせるつもりでしょうか? 川根は「今回の核燃料取り出しは、核燃料集合体同士がぶつかった場合など、核燃料の再臨界の危険があることを原子力規制委員会も認識している。だから、東京電力に対して絶対に再臨界しないように求めている。昨日のようなトラブルで一体何が起きているのか、市民は当然知る権利がある。毎日、3号機核燃料取り出しについて日報を出すべきだ。」と要求しました。  東電は「3号機使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しについて」の作業日報を作成し、公表するべきです。  

4月例会のお知らせ 2019年4月21日(日)13:30~16:30(延長17:00) 浦和PARCO 9階 南ラウンジDE

[ 2019年4月21日; 1:30 PM to 4:30 PM. ] 4月例会のお知らせです。 ※ 偶数月に埼玉県さいたま市で開催しています。 日 時 4月21日(日) 13:30〜16:30(17:00まで延長の可能性あり)場 所 浦和コミュニティセンター 南ラウンジDE (浦和パルコ9階)参加費 会員の方300円    一般参加の方600円    高校生以下は無料 <テーマ> 1. 福島の小児甲状腺がん少なくとも257人以上(福島県甲状腺検査サポート事業257人+) 報告:川根眞也 2. 東電は、3号機使用済み核燃料プールからの核燃料集合体の取り出し作業を公表せよ 報告:川根眞也 3. 九州・福井・四国の原発を止めるのは今 2019年すべての原発が止まる 報告:川根眞也 4.   韓国が日本の水産物禁輸、WTOで勝利のわけ  報告:川根眞也 <休憩> 14:50~15:05   5.内部被ばくに関する最新情報    ・日本の食品の放射能汚染の実態     ・福島県伊達市ガラスバッジ論文、早野龍五氏のデータ偽装と間違った放射線防護理論   報告:川根眞也    15:05~16:10  6.会員のみなさんからの意見交流会 ※ この部分はツィキャスしません。 ※ 懇親会もあります。お時間のある方はどうぞ。 ※ 諸事情によりプログラムが変更になる場合があります。 ※ 当日はツイキャス中継もしますので、会場に来れない方は是非、視聴参加ください。 http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/ こちらでは、生中継の他、過去の動画を見ることも出来ます。 聞き逃した情報などもチェックしてみてください。 それでは、沢山のご参加をお待ちしています。   【お問い合わせ】entry.naibu@gmail.com 内部被ばくを考える市民研究会事務局 内部被ばくを考える市民研究会

”2020年東京「放射能」オリンピック”にNOを! 核戦争防止国際医師会議ドイツ支部 2018年7月16日

キャンペーン”2020年東京「放射能」オリンピック”について IPPNW核戦争防止国際医師会議ドイツ支部 2018年7月16日 日本語訳 Yu Kajikawa von Sayonara Nukes Berlin   IPPNW核戦争防止国際医師会議ドイツ支部のキャンペーンを日本語翻訳で紹介します。 Tokyo 2020 Die radioaktiven Olympischen Spiele2020年東京「放射能」オリンピック 2018年7月16日付日本は世界各地からアスリートを招こうとしています。2020年に東京でオリンピックが開催されることになっているからです。私たちは平和でフェアなスポーツ競争を願うものですが、同時に大変懸念もしています。というのは福島県の県庁所在地でもオリンピック競技が開かれる計画だからです。野球とソフトボールの試合が福島市で開催されるということです。ここは原発事故のあった福島第一原発から50キロほどしか離れていません。2011年にはここで複数の原子炉事故が相次いで起き、放射能雲が日本と周辺の海を汚染しました。この災害と唯一比較できるのはチェルノブイリ原発事故だけです。 これによって生態系と社会は深く影響を受け、それらは日本ではまだ消滅していません。故郷を失ってしまったたくさんの家族、住民がこぞって避難して人のいなくなってしまった地域、汚染土を入れた何百万というフレコンバッグ、放射能で汚染された森林、川、湖。「通常な状態」などに日本は戻っていないのです。 事故を起こして破壊した原子炉もまだまだ危険が去ったわけではありません。今も変わらずここから放射能汚染が出続けています。海、空気、土の放射能汚染は日々増えているのです。大量の放射性物質は壊れた原子炉建屋に今もあるだけでなく、原発敷地にも屋外で放射性物質が放置されたままです。この状況では、もし次に大地震があった場合に人間と環境におびただしい危険を及ぼす可能性があります。放射線災害はまだ続いているのです。この警告はそして、当分解除されることがないでしょう。 2020年のオリンピックの日本での開催にあたり、IPPNWドイツ支部では国際キャンペーンを始めることにしました。私たちは、参加するアスリートと競技を見物する観客たちがフクシマ近郊で被ばくするのではないかと懸念しています。特に放射線感受性の高い妊婦や子供たちが心配です。 日本政府は、このオリンピック開催には最終的に120億ユーロかかると予測しています。しかし同時に日本政府は、避難指示解除後、故郷に帰還しようとしない避難者たちには支援金の支払いを止めると脅しています。 国際的に、放射線災害があった場合に住民は、自然放射線を除いて年間で1ミリシーベルトしか放射線を被ばくしてはいけないと規定されています。フクシマの帰還政策により帰還を促された地域では、住民はそれより20倍も高い20ミリシーベルトまでの被ばくは我慢するように求められているのです。すでに村や町が除染された場合でも、森や山は放射線汚染を「貯蔵」する役割を果たすため、風や天気次第ですぐにまた汚染させられる可能性は高いのです。 この国際キャンペーンを通じて私たちはまた、世界中にまだ一つとして放射線廃棄物の最終処分場すらないことも改めて訴えていく次第です。原子力産業が残す猛毒の負の遺産を安全に保管できる場所はないのです。 オリンピックに対しては世界のマスコミが注目します。これを利用して私たちは、日本の脱原発の市民運動を支援し、世界的なエネルギー政策変換を訴えていきたいと思います。化石燃料と核燃料に別れを告げ、再生エネルギーへ向かわなければならないと訴えます。 キャンペーンでは、世界中の政治家がいかに軍産複合体と一緒になって政策を推し進めているか、より明確に指摘していきたいと思います。 IPPNWは放射能に汚染された地域にあたかも「日常生活」が戻ったような印象を世界に与えようとする日本政府に対しはっきり「ノー」を突きつけます。 このキャンペーン趣旨に賛同する個人または団体は、次のメールアドレスを通じてキャンペーンチームに連絡をくださるようお願いします。olympia2020[at]ippnw.de

2019年4月10日、東電福島第一原発の立地自治体、大熊町の避難指示解除のデタラメを問う。プルトニウム239+240、ストロンチウム90の合計100箇所のデータを公開せよ!

 明日、2019年4月10日、福島第一原発の立地自治体である、大熊町の38%の面積が避難指示解除になります。大河原地区と中屋敷地区です。  今日(2019年4月9日)、大熊町の会津若松出張所に電話しました。放射線対策係長の高松宏志氏に対応していただきました。年間20ミリシーベルト以下が安全な数値なのか?プルトニウムやストロンチウム90を土から吸い込み、健康被害が起きることはないのか?聞きました。政府の言う、避難指示解除の基準「年間20ミリシーベルト以下になることが確実」は、大熊町としては一切検討していない、「前提」という回答でした。  大熊町除染検証委員会の資料を読みました。これは詐欺です。ちなみに委員には、あの小豆川勝見氏がいることを記します。「こどもみらい測定所」が作った冊子「はかる、知る、くらす。」で、トリチウムは人体への影響はない、と書いた学者です。 大熊町除染検証委員会の資料。単位はベクレル/kg 写真1 大河原地区の放射性セシウム134/137、プルトニウム239+240、ストロンチウム90 a   2400/24000   0.036    3.7 b     92/1100   0.035    2.3 c    ND/42      ND    1.2  これらは、3番目、4番目、番外の汚染のところのみ。一番汚染度が高い、セシウム134 6,300ベクレル/kg、セシウム137 61,000ベクレル/kgのところ(図の赤丸のところ)のデータは公表されていない。恐らく3か所しか測っていないのではなく、プルトニウム239+240やストロンチウム90の低いところだけのデータを公表したのであろう。土壌の測定地点は70箇所。全データを公表の上で、住民帰還を呼びかけるべきです。 写真2 中屋敷地区の放射性セシウム134/137、プルトニウム239+240、ストロンチウム90 a    230/2500    0.069   2.4 b    170/1400    0.188   2.5  これらは、5番目の一番低い汚染のところのみ。一番汚染度が高い、セシウム134 1,200ベクレル/kg、セシウム137 10,000ベクレル/kgのところ(図の赤丸のところ)のデータは公表されていない。恐らく2か所しか測っていないのではなく、プルトニウム239+240やストロンチウム90の低いところだけのデータを公表したのであろう。土壌の測定地点は30箇所。全データを公表の上で、住民帰還を呼びかけるべきです。  ちなみに、埼玉県さいたま市役所の敷地内にある、東側公園の植え込み土壌のストロンチウム90は5ベクレル/kgでした。ちなみにセシウム137は80ベクレル/kg。2016年7月1日17:58pm採取。2009年度のさいたま市桜区の土壌データではストロンチウム90が0.73ベクレル/kgや0.89ベクレル/kgですから、そのおよそ5~7倍の濃度になっています。大熊町の土壌データが異常に低い値ではないか、と思います。  明日、避難指示解除になる、大熊町の大河原地区70箇所、中屋敷地区30箇所の土壌データのうち、公表されたのは5箇所だけ。計100箇所の土壌データを改ざんなく、公表した上で、町民の帰還を呼びかけるべきです。明日の住民帰還は中止すべきです。  大熊町除染検証委員会のメンバーと、委員の小豆川勝見氏のトリチウムについての発言です。ストロンチウム90の測定の専門家の名を恥じるべきである、と考えます。

Copyright © 内部被ばくを考える市民研究会 All Rights Reserved.
Powerd by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.