内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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内部被ばくと健康被害

市民連合と5野党・会派の「共通政策」 2019年5月30日 新聞「赤旗」より

市民連合と5野党・会派の「共通政策」 2019年5月30日 新聞「赤旗」    市民連合と5野党・会派が合意した「共通政策」と野党の署名した内容は次の通りです。 市民連合の要望書  来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう要望します。 だれもが自分らしく暮らせる明日へ  1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。  2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。  3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。  4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。  5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開すること。  6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。  7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造(ねつぞう)の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。  8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。  9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。  10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。また、これから家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充すること。  11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現すること。  12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。  13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。  2019年5月29日  私たちは、以上の政策実現のために、参議院選挙での野党勝利に向けて、各党とともに全力で闘います。 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合 上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います。 立憲民主党代表 枝野幸男 国民民主党代表 玉木雄一郎 日本共産党委員長 志位和夫 社会民主党党首 又市征治 社会保障を立て直す国民会議代表 野田佳彦

横浜の保育園で“汚染”土騒動 園児2人が白血病発症 市は動かず 山内リカ 2019年6月1日 週刊朝日

横浜の保育園で“汚染”土騒動 園児2人が白血病発症 市は動かず 山内リカ  2019年6月1日 週刊朝日   市職員による保育園での線量測定(提供・太田正孝… (10:14)週刊朝日 保育園で線量測定をしている市職員(提…  横浜市内の保育園に埋められている“土”を巡って、騒動が起こっている。 【保育園で線量測定をしている市職員】  2011年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原発事故で、各地へ拡散した放射性物質。市によると、保育園などでは汚染の可能性のある土や砂塵(さじん)を一時的に取り除き、ポリ袋に入れて密閉した後、園内などで保存していた。その後、市は一部を保管庫である北部汚泥資源化センター(鶴見区)に移したが、残りは園内に埋まったままだ。 「残りの汚染土も掘り起こして、保管庫に移してほしい」  こう訴えてきたのは、市民団体「神奈川・子どもを守りたい」の中井美和子共同代表。団体は同様の趣旨の署名約5400筆を、5月27日、林文子市長宛てに提出した。  なぜ一部は保管庫に移され、一部は園に埋められたのか。市こども青少年局保育教育運営課の小田繁治さんはこう説明する。 「横浜市が定めた対応すべき放射線量の基準の目安は、地上1センチの高さで、毎時0・59マイクロシーベルトです。16年6月の時点で測定した結果、14施設で線量が高いことがわかった。その後、再測定をして、そのときも対応の目安を超えていた9施設について、センターに移した」  残りの“土”については、「対応の目安となる基準より低いため、(対応する)必要はないと考えている」という。  港南区にある保育園では、敷地の裏手にフェンスが建っている。その内側、地表から10~15センチのところに、ビニール袋などで封をした“土”が埋められている。今年4月、市職員が市民らとともにその周辺の空間線量を測定したところ、毎時0・05マイクロシーベルトの放射線が確認された。 「柵をしなければならないものを、園内に埋めるという市の感覚を疑う」と太田正孝市議。5月27日に開かれた市のこども青少年・教育委員会で土を撤去するよう請願した。市は151の保育園に“土”が埋まっているとした上で、「(移す)必要性はない」(市こども青少年局の齋藤聖局長)と説明した。  こうした市の対応に怒りをあらわにするのは、子どもを園に預けている保護者たちだ。「そもそも、園内に“土”が埋まっていることは、園から聞いていない」と園児の母親(30)。小田さんは、「埋めたときに線量を測定した際に、各園でお知らせするようにはしていたが、その後、多くの園では話をしていないと思う」と話す。  また今回、改めて“土”の問題が持ち上がったのは、先に紹介した保育園では同じ年齢の園児2人が、白血病にかかったことが明らかになったため。一人は3年前、もう一人は1年前に発症した。  因果関係は明らかではないものの、「汚染土があれば当然、何らかの病気にかかるリスクはある」と中井共同代表は考える。園児の父親(33)も、「“土”が原因ではないかもしれない。ただ、今、園に通う子供たちの安全を考えたら、埋まっているものは全部撤去し、新しい土に入れ替えてほしい」。  齋藤局長は27日の委員会で、「保護者の方々が不安になるようなことがあれば、きめ細かく寄り添えるような対応ができるか、今後、検討していきたい」と述べた。また、横浜市の説明はホームページ(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/hoiku-yoji/shisetsu/info/hoshasen/taio/20190529.html)に掲載されている。(本誌・山内リカ)

宮城県栗原市のお米が業務用に NHK 2018年11月22日

NHK宮城放送局のニュースから ちなみに、宮城県栗原市は、ホットスポットです。 あの米どころも!? 業務用米にシフトするワケ 2018年11月22日 18時40分 NHK ことしも新米のシーズンがやってきました。 皆さんは、「萌えみのり」や「つきあかり」といった品種を、聞いたことありますか?スーパーや米屋ではほとんどお目にかかれない業務用の米です。 家庭以外で消費される米、例えばレストランなどの外食、コンビニなどの中食で使われる米は「業務用米」と呼ばれています。米の販売量の4割を占めていて、産地では今、この業務用に特化した米を作る動きが広がっています。(仙台放送局記者 鈴木慎一) いち早く業務用米にシフト 「ひとめぼれ」などのブランド米を生産してきた宮城県栗原市。 ここで10年前から生産を増やしているのが「萌えみのり」という業務用米の品種です。水田全体の1割に相当する700ヘクタールで生産し、すべてを東京の卸売り会社に販売しています。「萌えみのり」は味にくせがなく、どんな料理にも使いやすいためレストランなどでよく利用されています。 農家の三浦章彦さんは、去年から生産を始め、ことしは栽培面積を2.5倍の10ヘクタールに増やしました。 なぜ三浦さんたちは業務用米の生産を増やしたのか?理由の1つは育てやすさにあります。 「萌えみのり」は、種もみを直接田んぼにまいて育てることができます。苗を育ててから水田に植える「田植え」をする必要がなく、そのぶん生産コストを抑えることができるのです。また、より多く収穫できることを目指して開発された業務用米の品種は、ブランド米に比べて2割から3割多く収穫できます。このため価格はブランド米に比べて1割安いものの、十分に利益をげられると言います。 地元の農協では、「萌えみのり」の生産によって、農家の収入を10%増やすことができたと説明しています。 JA栗っこの兵藤健一米穀販売課長は「当初は参入する農家がなかなか増えなかったが、今では大規模農家を中心に萌えみのりで安定した収益が得られると評価されるようになった」と話しています。 激しくなる産地間競争 しかし今、業務用米をめぐる環境が大きく変わろうとしています。全国の米どころが、相次いで生産にかじを切り始めたのです。 「コシヒカリ」の一大生産地、新潟県も例外ではありません。上越市とその隣の妙高市で「コシヒカリ」の生産を減らし、大半を業務用米に切り替えています。 地元の農協によりますと、ことしは栽培面積を去年の10倍、栗原市と同じ700ヘクタールに拡大したと言います。さらに来年には1000ヘクタールまで拡大する計画です。 JAえちご上越の石山忠雄常務は「消費者がいつまでも高い新潟のコシヒカリを買ってくれるとは限らない」と危機感をあらわにしていました。 ブランド米だけでなく、需要が拡大する業務用米も生産することが産地として生き残るには欠かせないというのです。 市場ニーズにあった業務用米を 強力なライバルの出現に宮城県栗原市は、将来を見据えた取り組みを始めています。 その1つが「多様な品種の生産」。農協では、収穫時期が早いものや遅いもの、台風でも倒れにくく、病気に強いものなど7つの品種を試験栽培しました。「萌えみのり」以外の品種もそろえることで、市場の幅広いニーズに対応しようというのです。 そして2つ目の取り組みが「消費者のニーズの把握」。農協では、試験栽培した品種を関東や中部地方などの卸売り会社に送って、味や見栄えなどの評価を聞いています。 JA栗っこの兵藤課長は「それぞれの米に長所と短所があり、栗原の土地にあったものを探していくのは簡単ではないが、試験栽培で最適な品種をみつけ、いろんな業者に販売していきたい」と話していました。 変わりゆくニーズにどう対応 米の消費量は毎年8万トンずつ減っていて、10年後には今の生産量の1割がだぶつく計算になります。 しかし、生産現場を見渡すと、家庭用のブランド米を生産する動きが盛んなのに対して、業務用米が不足しているという不均衡な状態になっています。 農家は今まで以上に市場の変化を見据えて、米づくりをする必要があると言えそうです。そのためにも、農家自身が市場の情報を積極的に取りに行くことも重要です。 消費全体が減っていく中で、どのマーケットに商機を見いだすか、ブランド米の開発競争と並行して新たな競争が始まっています。 仙台局記者 鈴木 慎一 昭和63年NHK入局 名古屋局 国際部 北京支局 国際放送局 青森局などを経て仙台局 農業・水産業を担当 〈参考記事〉 えさ汚染「夢にも思わず」 福島、383頭出荷の業者 2011年7月19日8時31分 朝日新聞 関係の場所  放射性セシウムで汚染された稲わらを食べ、市場に出荷された可能性がある牛の数が、また増えた。福島県だけでなく、宮城県の業者が販売したわらの汚染も相次いで分かり、使った農家が広がっている。  福島県では、新たに5市1町の7戸から出荷された計411頭が汚染わらを食べていた可能性が判明。このうち383頭は、同県須賀川市の畜産業者が育てていた。「宮城県から仕入れたわらで、汚染されているとは夢にも思わなかった」。社長(65)は驚いた様子で話した。  同市の牧場だけでも約2600頭の肉牛を飼育している大規模経営。原発事故後、宮城県栗原市の仲介業者からわらを購入して牛に食べさせてきたが、「何頭が問題のわらを食べたかはわからない」という。  社長は、肉牛には牧草や飼料をもっぱら与え、わらの割合は数パーセントと説明する。「出荷した肉牛から高濃度のセシウムが検出されることはないと思う」と話した。  新潟、山形の両県でも、宮城県から出荷されたわらの汚染が見つかった。汚染が見つかった農家とは別の新潟県長岡市内の農家は「挟み撃ちで事故にあったようなものだ。(集団食中毒が起きた富山の)ユッケ問題で肉の消費が落ちていたところに、今回の問題。もう、やってられない」と嘆いた。  汚染わらを食べた可能性のある牛は両県合わせて94頭。新潟県は県内すべての農家に対して宮城県産の稲わらの使用自粛を要請した。山形県も、農水省が緊急点検の対象としている1都10県のわらについて、安全が確認されるまで使わないよう求めた。  福島県は18日までに、計画的避難区域と緊急時避難準備区域で牛を飼っている農家全230戸と、その他の地域の全肥育農家281戸に対する緊急の立ち入り調査を終えた。繁殖農家2800戸の調査は8月3日まで続ける予定だが、「当面出荷する可能性がある農家ではこれ以上問題はないだろう」とみている。頭数が多かった東京都は流通状況の把握を始めた。  汚染わらを食べた可能性がある牛は、17日までに計143頭が出荷されていたことが判明している。朝日新聞社の18日現在の集計では、これらの牛の肉は少なくとも37都道府県に流通していた。

原発事故とがんの関連否定 子ども甲状腺の本格検査 2019年5月31日 佐賀新聞

原発事故とがんの関連否定 子ども甲状腺の本格検査 2019年5月31日 佐賀新聞  保護者に伴われ、甲状腺検査に向かう子どもたち=2011年10月、福島市の県立医大病院  東京電力福島第1原発事故後当時18歳以下だった福島県内全ての子どもを対象とした甲状腺検査で、2014、15年度に実施した2巡目の検査で見つかったがんと被ばくに関連性がないとする中間報告を、専門家による部会がまとめたことが31日、関係者への取材で分かった。被ばく線量が高いとがん発見率が上がるといった相関関係が認められないことなどが理由。福島市で6月3日に開かれる部会で報告する。  基礎データ収集が目的の1巡目と違い、2巡目は事故によるがんの影響を調べる「本格検査」と位置付けている。専門家による2巡目の見解が初めてまとまったことで、今後の検査の在り方に影響を与えそうだ。  関係者によると、国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が県内59市町村ごとに推定した甲状腺被ばく線量を使い、がんが見つかった子どもの年齢や市町村と突き合わせて分析。約38万人を対象とした2巡目では52人のがんが確定し、19人に疑いが見られたが、線量の増加に従ってがん発見率が上がるという関連性はなかった。  対象者が全国に散らばり受診率が低下していることが課題となっており、各都道府県ががんのデータを集めた「地域がん登録」などを活用していく必要があるとした。  原発事故で放出された放射性ヨウ素は甲状腺にたまってがんを引き起こす恐れがある。福島県は、放射線の影響が表れる前に子どもの甲状腺の現状を把握するため1巡目となる「先行検査」を11~13年度に実施。101人ががんと確定したが、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と比べて被ばく線量が低いことなどから「放射線の影響とは考えにくい」とする中間報告を15年に発表していた。  昨年5月からは4巡目の検査が始まっている。これまでがんの確定は168人、疑いが43人に上っている。

2019年6月2日は、青森県知事選挙。核燃も、原発もない青森を!

facebook Yoshihito Hashimotoさんより。 2019年5月30日 騙されないで下さい!!!高レベル以外は、全て低レベル放射性廃棄物となります。 そして、100ベクレル/kg以下であったものを廃棄物管理が不可能とし8,000ベクレル/kg以下まで緩和させ一般廃棄物として扱われ再利用も可能になりました。 除染で集めたものをまた、大地に埋め戻すということを国家が行なっております。 放射性廃棄物は 一般廃棄物(8,000Bq/kg以下)以外、高レベル放射性廃棄物低レベル放射性廃棄物に区分けされ高レベル以外は、全て 低レベル放射性廃棄物とされます。 低レベル廃棄物管理施設も容量があり関電はむつ中間管理施設の使用を企む旨の記事が昨年、共同に報道され “青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設に関西電力が出資するとの報道に関し、宮下宗一郎市長は14日、開会中の市議会本会議で行政報告し、関電が事実関係を否定したことを明らかにした。 関電は市の質問に「あらゆる可能性を検討しているが、むつ市に使用済み核燃料を搬入する方針を固めたことや出資を検討している事実はない」と回答した。宮下市長は「一連の報道で市民が不安感や不信感を抱いたと思う。今後も毅然(きぜん)とした態度で取り組んでいく」と語った。 むつ市は報道があった3日以降、事実関係を調査していた。共同通信社が記事を配信し、河北新報社も掲載した。”https://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180615_21039.html最終的には 報道の誤りと結論づけされました。 関電は“関電はこれまでに福井県を除く管内の自治体を延べ8700回以上訪問し、中間貯蔵施設設置への理解を求めた。ただ、現実的な選択肢はないに等しく、業界内では当初から、東京電力ホールディングス(HD)と日本原子力発電が共同運営する中間貯蔵施設(青森県むつ市)への“相乗り”が有力視されていた。  むつ市の施設は国内で唯一、原発の敷地外に立地。東日本大震災後、東電と原電の原発が再稼働していない中、関電の使用済み燃料を置く余地は十分にあるとみられていた。 しかし今年6月、「関電がむつ市の施設に出資する方向で最終調整」との一部報道を受け、同市の宮下宗一郎市長が反発。関電幹部は当時、「どんな候補地であれ、地元同意を取り付けるまでに情報が公になれば話はまとまらない」と怒りをあらわにした。 これ以降、関電の選定作業にブレーキがかかったとみる向きもある。    ■  ■ 岩根社長は西川一誠知事との面談後、「県外立地」の基本路線は崩さない方針を示した。一方、業界関係者は「2年先まで猶予期間を設けたのは、福井県知事選を見越しての動きではないか」と推測する。 来年4月に迫っている県知事選は保守分裂の構図。県内の複数の自治体が過去に誘致に手を挙げていることに加え、知事が交代すれば「県内立地」の道が開ける可能性があり、関電に方針変更の余地があるとみているからだ。 業界関係者は「期限を2019年中としなかった点に関電の戦略を感じる」と話す。”https://www.sankei.com/economy/amp/181226/ecn1812260046-a.html 六ヶ所が満杯になれば低レベル廃棄物の行き場がなくなり“原発立地の廃棄物受け入れはしない”との確約違反となる。そのため、“むつ市の中間管理施設を”という算段であるのだろう。 いずれにせよ 青森県である。 三村知事は“三村県政 原子力との距離感 姿勢は「第三者的感覚」2019年5月13日 東奥日報2012年1月、旧民主党政権時代に都内で開かれた国の原子力政策大綱策定会議。出席した三村申吾知事に委員の一人が質問した。「高レベル放射性廃棄物最終処分地の受け入れを県民に納得してもらうのは難しいと感じているか」 行政・政治・選挙選挙 知事の顔色が変わった。  「全くあり得ないと何度も話している」「(最終処分地にしないという)これまでの約束をないことにするのか」。知事は机をたたいて強く反論した。  あれから7年。原子力問題を巡り、表舞台で知事がこれほど激しく自ら主張する場面は、まず見られなくなった。事業者の計画変更など重要な局面で対応するのは主に副知事だ。  核燃料サイクルの中核となる再処理工場、東通原発、大間原発、使用済み核燃料中間貯蔵施設。原子力規制委員会の審査長期化などから施設の稼働・本格的な工事再開がずれ込み、確かな先行きは見通せない。  「国策」の重圧を背負い、地域経済の疲弊に直面している立地市町村からは「知事の顔が見えない」「自分の言葉で原子力を語ることがない」という声が聞こえる。  昨年6月、関西電力がむつ市のリサイクル燃料貯蔵(RFS)に対し、使用済み核燃料中間貯蔵施設への搬入・一時保管を目的に出資する方向で調整している-との報道があった。  関電とRFSは公式ホームページなどで報道を否定するコメントを発表した。  直後の県議会。事業者に直接事情を聴いたむつ市の動きを受け、自民党会派の議員が「責任がある立場として県は直接事実確認をすべきだ」とただした。消極的な発言を繰り返す県エネルギー総合対策局長の答弁に業を煮やした議員は、知事の所見を求めた。知事は、いら立ちをにじませつつ「あるとか、ないとか言っていることに対して、なかなかコメントしづらい」と述べ、中身のある見解は示さなかった。  「県との関係。これはなかなか容易ではない。エネルギーの問題では、一緒に陳情に行ってくれといっても断られる」。今年2月、むつ市内で開かれた県議選関係の集会。宮下宗一郎市長はあいさつで「これはいったい何なんだ」と続け、不満を隠さなかった。  原子力施設を抱える下北半島の4市町村長は知事に、核燃料サイクル政策推進など国に対する要望活動への同行を求めているが、そうした場面はまだない。宮下市長は東奥日報紙取材に「ほかの政策では知事と市町村長が連携して要望するのに、原子力ではそれがない。疑問だ」と語った。  立地自治体から見れば、知事の姿勢は、原子力問題で前面に立つことを避けているようにすら映る。  だがそれは、国と事業者に対する知事の「適切な距離」だ-と、エネルギー関連部署を経験した県OBはみる。「あくまでも県は主体でなく協力者。安全を第一に考えると、一定の緊張関係を保ちながら国と事業者に責任を貫徹させなければいけない」と説明する。  反原発・反核燃を訴えてきた元県議の古村一雄氏は「県幹部から『知事は原子力政策について積極的推進ではない』と言われたことがある」という。こうした見方は複数から聞こえる。  今回の知事選の公約発表で、原子力事業に対する具体的な県の責任の果たし方を報道陣に問われた中で三村知事は、こう答えた。  「(原子力)規制庁も第三者機関かもしれないが、われわれも国と事業者に対して第三者機関的感覚でこれまで同様責任を果たしていく」  地域の命運に関わる原子力問題で「第三者機関的感覚」を基本姿勢とする知事。客観性に裏打ちされた冷静なトップ判断は大前提だ。だが、地元と共に立地を受け入れた県に今、当事者意識がどれほどあるのか-という立地地域の疑問、温度差は消えない。” と 茶を濁しただけの 言いなり三村知事… 青森は 核のゴミ捨て場ではない! 資料低レベル放射性廃棄物 濃度 濃度上限値報告書では、低レベル放射性廃棄物について、余裕深度処分、浅地 中ピット処分及び浅地中トレンチ処分の対象となる放射性廃棄物中の放射性 核種とその濃度上限値の推奨値が、それぞれ以下のように示されている。・余裕深度処分C-14(10 の 16 乗ベクレル毎トン) Cl-36(10 の 13 乗ベクレル毎トン) Tc-99(10 の 14 乗ベクレル毎トン) I-129(10 の 12 乗ベクレル毎トン) α核種(10 の 11 乗ベクレル毎トン)・浅地中ピット処分C-14(10 の 11 乗ベクレル毎トン) Co-60(10 の 15 乗ベクレル毎トン) Ni-63(10 の 13 乗ベクレル毎トン) Sr-90(10 の 13 乗ベクレル毎トン) Tc-99(10 の 9 乗ベクレル毎トン) Cs-137(10 の 14 [...]

参院茨城選挙区 立民公認 小沼氏が出馬表明 原発再稼働反対を明言 2019年5月28日 茨城新聞

参院茨城選挙区 立民公認 小沼氏が出馬表明 原発再稼働反対を明言 2019年5月28日(火)  茨城新聞 参院選茨城選挙区に立憲民主党公認で出馬表明した小沼巧氏(中央)と同党の枝野幸男代表(左)、難波奨二県連代表=水戸市内 立憲民主党は27日、今夏の参院選茨城選挙区(改選数2)に、新人で鉾田市出身の元経済産業省官僚、小沼巧氏(33)を公認候補として擁立すると発表した。小沼氏は水戸市内で記者会見し、日本原子力発電東海第2原発の再稼働の是非について「住民合意を含めた観点から反対の立場に立つ。官民それぞれの経験を生かし、茨城から原発ゼロに向けた第一歩を踏み出していく」と、再稼働反対を明言した。 会見に同席した枝野幸男代表は「(参院選の)1人区は安倍政権と一騎打ちの構図を作る。一方で複数区は、政党の持ち味の違いを発揮しないと全体のパイを拡大できない。茨城では各党が切磋琢磨(せっさたくま)する」と語った。一方、難波奨二県連代表は国民民主党県連や連合茨城と統一候補を協議してきた経緯を踏まえ、「協力関係をもらう各政党や連合と十分協議し、一本化や協力関係ができるよう努力する」と述べ、今週にも国民や社民、連合茨城に協議を要請する考えを示した。 枝野代表は小沼氏擁立について「原発発祥の地の茨城で、経産省出身でありながら原発ゼロを訴えることでリアリティーを感じてもらえる」と説明。立民公認での出馬を希望していた現職の藤田幸久氏(69)については、参院選比例区か衆院選小選挙区で処遇したいとの考えを示した。 小沼氏は清真学園高、早稲田大を卒業後、キャリア官僚として経産省に入省。通商政策課課長補佐などを務め、2017年の退官後は経営コンサルティング会社に勤めた。 同選挙区はほかに、再選を目指す自民党現職の上月良祐氏(56)、共産党新人で元県議の大内久美子氏(69)、無所属新人で前那珂市長の海野徹氏(69)が出馬を表明している。(三次豪) ■立民の現職・藤田氏 党の決定に従う 国民民主党から立憲民主党に移籍し、参院選茨城選挙区に立民公認での出馬を目指していた現職の藤田幸久氏(69)は、党本部の決定に従うとした上で、「小沼氏を一生懸命応援する。野党の貴重な1議席を守るため、頑張ってほしい」と話した。 自身の今後の対応については、「参院比例代表を含め、いろいろな選択肢の中で後援会と相談し、決めたい」と述べるにとどめた。

未臨界核実験 朝日小学生新聞 2018年10月18日

未臨界核実験とは 朝日小学生新聞 2018年10月18日  プルトニウムなどの核物質に爆発する直前まで強つよい力をかけて、その変化を観察する実験。爆発させないので、包括的核実験禁止条約(CTBT)には違反しないと、核保有国のアメリカやロシアは主張しています。古くなった核兵器の性能や安全性せいなどが確認できるとされます。 アメリカが去年の12月、西部ネバダ州の核実験場で、未臨界核実験をしていたことがわかりました。オバマ政権の下での2012年12月以来で、トランプ政権では初めて。通算28回目となりました。 【臨界前核実験とは】 1997年4月5日 中国新聞 夕刊  プルトニウムやウランが連鎖反応で次々と核分裂を起こす「臨界」に達する直前に実験を停止し、停止までの間に核物質のさまざまな反応や動きを調べる核爆発の模擬実験の一つ。過去数多くの核実験を繰り返してきたネバダ核実験場の地下約三百メートルに実験装置を持ち込み、数百キロの高性能火薬を爆発させて生じた衝撃波をプルトニウムに当てる。この結果を高性能コンピューターによる解析と組み合わせ、核兵器の安全性や信頼性を検証するのが目的。核物質は使用するものの核爆発は伴わないため、米政府は包括的核実験禁止条約(CTBT)に沿ったものと強調している。(4月5日付中国新聞夕刊)

米 2月に臨界前核実験を実施 トランプ政権で2回目 NHK NEWS WEB 2019年5月25日

米 2月に臨界前核実験を実施 トランプ政権で2回目 2019年5月25日 14時55分 アメリカがことし2月に核爆発を伴わない臨界前核実験を西部ネバダ州で行っていたことが分かりました。アメリカが臨界前核実験を行うのはおととしの12月以来で、トランプ政権では2回目です。 アメリカ・エネルギー省が所管するローレンス・リバモア国立研究所は24日、西部ネバダ州の核実験場でことし2月13日に臨界前核実験を行ったことを明らかにしました。 「エディザ」と名付けられた今回の実験では、プルトニウムを反応させるために高性能爆薬を使用し、核分裂の際のデータを測定したということで、研究所では、アメリカが保有する核弾頭の安全性の向上につながったと評価しています。 アメリカが臨界前核実験を行うのはおととしの12月以来29回目で、トランプ政権では2回目です。 トランプ政権は、去年2月、新たな核戦略を発表し、ロシアや中国に対抗するため、実験などを通じて核戦力の近代化を進めるとともに、「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核兵器の増強などを進めています。 今回の実験はことし2月の2回目の米朝首脳会談の直前に行われていて、トランプ政権として、北朝鮮に非核化を迫る一方、みずからは臨界前核実験を通じて核兵器の性能向上を進めていた形で、反核団体などからは強い反発が予想されます。 「低出力核」増強進めるアメリカ アメリカのトランプ政権は去年2月、中長期の新たな核戦略を示した「核態勢の見直し」を発表し、核なき世界を目指すとしたオバマ前政権からの方針転換を打ち出しました。 新たな戦略では、核戦力を増強するロシアや中国に対抗するため、臨界前核実験などを通じてアメリカの核戦力の近代化を進めるとともに、限定的な核攻撃も辞さない姿勢を示すロシアへの抑止力として、「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核兵器の増強が進められています。 こうした方針を受けて、エネルギー省の傘下にあるNNSA=核安全保障局は、ことし2月、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルに搭載する低出力核弾頭の製造を開始したことを明らかにしました。 NNSAでは、ことし10月までに新たな核弾頭をアメリカ海軍に引き渡す見通しで、「低出力核弾頭は、脅威が高まる中でそれに合わせた抑止力を提供できる」としています。 核兵器関連予算を拡充 トランプ政権は、西部ネバダ州をはじめとするアメリカの核関連施設の半数以上が建設から40年以上経過し、老朽化が進んでいるとして、核戦力の近代化を目指し、関連予算の拡充も進めています。 こうした方針を受けて、ことし3月にトランプ政権が議会に提出した来年度の予算教書では、老朽化した施設の近代化や新しい核弾頭の開発や維持など、核兵器に関連する予算は124億ドル(日本円にして1兆3500億円余り)と、前の年度と比べて11%余り増えています。 日本被団協「許し難い行為」 アメリカが「臨界前核実験」を行っていたことについて、長崎の被爆者で日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長は「許し難い行為で、トランプ大統領は何をしでかすのか分からない。唯一の戦争被爆国の日本を訪れるときに発表したことは何か意図を感じるし、礼を失している」と述べました。 そのうえで、「原爆は人間の歴史を終わりにしかねないもので、絶対に人間とは相いれない存在だ。核兵器で脅すことはもうやめて、核兵器を廃棄するよう求めたい」と話していました。 臨界前核実験、2月実施 17年12月以来 毎日新聞 2019年5月25日 夕刊 8面  【ワシントン共同】米核研究機関のローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州)は24日、プルトニウムを用い、核爆発を伴わない臨界前核実験を2月に西部ネバダ州の施設で実施したと発表した。トランプ政権下では2017年12月にも同様の実験が行われたことが確認されている。  同研究所によると「エディザ」と名付けられた今回の実験は砂漠の地下深くで2月13日に実施された。  貯蔵された核弾頭の安全性を向上させるため、プルトニウムのデータを取得することが目的だったと説明している。 臨界前核実験 汚染確認、少量のプルトニウム 研究機関 毎日新聞 2019年5月26日 朝刊  7面  【ワシントン共同】米核研究機関のローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州)は24日、プルトニウムを用い、核爆発を伴わない臨界前核実験を2月に西部ネバダ州の施設で実施したと発表した。トランプ政権下では2017年12月にも同様の実験が行われた。  貯蔵された核弾頭の安全性を向上させるための実験。政権は18年2月公表の核戦略指針で核兵器の役割拡大を表明している。  実験に用いた核物質封じ込め用容器の付近で少量のプルトニウムによる汚染が確認されたことも、米大統領とエネルギー長官への助言機関の報告書やエネルギー省の核安全保障局(NNSA)への取材で分かった。報告書などによると、容器の接続部品に亀裂が見つかった。NNSAは「原因は調査中」とした上で、外部への影響はないとしている。 米、2月に臨界前核実験 トランプ政権2017年12月以来 2019年5月25日 東京新聞 夕刊 1面トップ記事 米国立研究所  未臨界核実験 トランプ政権で2回目 2019年5月26日 読売新聞 朝刊7面 朝日新聞は、2019年5月25日夕刊でも、同年5月26日朝刊でも、記事を書きませんでした。トランプ大統領の来日、大相撲観戦を報道しながら。ダメな新聞です。  と書いたところ、朝日新聞2019年5月27日朝刊紙面4面には、「未臨界核実験米が2月実施 トランプ政権2回目」と書きました。奇妙なことに、朝日新聞電子版にはこの記事そのものが、ありません。他紙(東京、毎日、読売)が書いたから、仕方なく朝日新聞は、紙面には記事だけをアリバイ的に載せたのではないでしょうか。 紙面記事 未臨界核実験米が2月実施 トランプ政権2回目 朝日新聞 2015年5月27日 朝刊4面 朝日新聞 2019年5月27日 朝刊 デジタル版には、同記事がない。

再利用・埋め立て 環境省が本腰(下) 元規制委トップ議論否定? 「応援するのは当たり前」 被災地議員「何度も開いて」 2019年5月21日 東京新聞朝刊19面

こちら特報部 再利用・埋め立て 環境省が本腰(下) 元規制委トップ議論否定? 「応援するのは当たり前」 被災地議員「何度も開いて」2019年5月20日 東京新聞   朝刊19頁    福島県内の汚染土の再利用で、安全面を確認する実証事業が二〇一七年四月以降、福島県南相馬市で始まった。茨城県東海村と栃木県那須町では昨夏から、埋め立て処分の実証事業が行われている。結果を踏まえて関係法令などを整え、本格的に処分が始まる。  今後の道筋を開く実証事業だからこそ地元の反発は強い。南相馬市の団体「除去土壌の再生利用実証事業に反対する市民の会」の栗村桂子氏は会合で、「南相馬で再利用が進めば他の地域にも及ぶことは明らか」と訴えた。  相次ぐ批判にいらだちを隠せない人もいた。福島県飯舘村の復興アドバイザーで、元原子力規制委員長の田中氏だ。  「村長から住民の思いを伝えてほしいと話があった。私はこういうところに来たくないけど」と切り出し、五分という発言時間に「何がしゃべれるか」とぼそり。「会場に来た国会議員が少ない」とも漏らした。  飯舘村はすでに再利用の受け入れを決めている。その舞台となるのは、帰還困難区域の長泥地区。農地造成で除染土を再利用することになり、手つかずだった除染を国が広範囲で実施することが決まった。  田中氏は「長泥の住民がどれだけ苦労して(受け入れの)決断に至ったか。二〇一一年の事故直後から長泥の人たちと付き合って、一人一人の考えが分かる。応援するのは当たり前」と述べ、反対する人たちを暗に非難した。  その上で、再利用の方針は民主党政権下で成立した関連法に基づくと言及し「国会議員が(再利用の推進に)責任を持つ必要がある。市民に意見を聞くということではなくて」と述べた。もう「議論の余地なし」とも受け取れる言葉だ。  強く異を唱えた人がいる。直後にマイクを握った日大の糸長浩司特任教授(環境学)だ。  「私と飯舘村の付き合いは一九九三年から。今の村長の前から村づくりに関わり、事故後も毎年調査に入っている。除染を条件に長泥の住民に苦渋の選択をさせたことが民主国家としてアウト」と指弾した。  京都大の今中哲二氏も糸長特任教授と村の調査を続けてきた間柄。「皆さんは東電に優しすぎる。汚染された物は全て東電に引き取らせることを原則にすべきだ」と訴えた。  田中氏は聴取会の最後に再度、発言の機会を持った。かなり「上から目線」で反対意見を批判した。  「皆さん、放射能は特別のリスクがあるみたいに言うが、リスクがゼロのものは科学技術にはない。もっと正しく勉強していただかないと。再利用が拡散という話があるが、仮置きされる今の状態を放置する方が『拡散した状況』と言える。管理されていないから。再利用という形は管理型なんです、一種の。その方が始末がいい」  閉会後の取材では語気がさらに強まった。「気楽な議論じゃない。知的レベルが低すぎる。いまだにこんな議論を蒸し返しているようじゃダメ」  とはいえ、田中氏は委員長の時に今よりも厳しい再利用の基準値を求めていた。そのことを指摘されると「(基準は)もっと高くても大丈夫、被ばくの問題では。それを選択せざるを得ない」。退任後は考えが変わったようだ。どんな事情が影響したのだろうか。  田中氏の言うように、再利用は議論の余地なしで進めなくてはならないのか。大熊町の木幡ますみ町議は違う考えだった。  「(除染土の後始末は)孫や子どもにも関わる。他の原発で同じ状況が生まれたらどうするかという問題もある。そこを含めて考えないといけない。だから何度も何度も、福島でも意見聴取会を開いてほしい」と願った。  デスクメモ  2019・5・20  ホットスポットとして知られた千葉県柏市は落ち葉などを不燃ゴミの日に回収している。一二年五月の市の測定では、一キロ当たり三〇〇〇ベクレル弱が検出された。この数値に不安を感じる人もいる。八〇〇〇ベクレルという再利用の基準値はどうか。科学的でないという批判では解決しない。(裕) トップ社会政治経済国際速報エンタメスポーツオススメ特集   除染土使い農業再開 飯舘村の帰還困難区域で初公開 2019年5月25日 05:57テレ朝ニュース  https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000155436.html  環境省は福島県飯舘村の帰還困難区域で、除染した土で農業を再開する復興事業の様子を初めて報道陣に公開しました。  帰還困難区域長泥行政区・鴫原良友区長:「帰還困難区域の見本になればいいなと」 飯舘村では福島第一原発の事故で発生した除染土を長泥地区に埋め立て、さらに普通の土を盛り、そこで試験農業を行う取り組みが住民の合意を得て進んでいます。24日は除染した土に紛れ込んだ枝などを取り除く工程や来月に始まる予定の作付けの現場などが公開されました。   被災地・飯舘村に移住した、前原子力規制委員長・田中俊一氏の決意 無報酬で村の「復興アドバイザー」に 2018年3月10日  週刊現代 2012年9月に初代原子力規制委員会の委員長に就任し、原発再稼働に関する安全審査を司った田中俊一氏。昨年の退任後、氏は故郷の福島へと向かった。 5年にわたり様々なしがらみと闘ってきた老科学者は、雪残る被災地でいま何を思うのかーー。 山あいにひっそりと暮らす 東日本大震災、それに続く福島第一原子力発電所の事故から丸7年が過ぎようとしている。だが、「フクイチ」がある福島県の浜通り地方には、まだ事故の深い傷痕が残されたままだ。飯舘村もその例に漏れない。 大量の放射性物質が飛散した飯舘村は、昨年春に一部の地区を除いて、ようやく住民の帰還が許されるようになったばかり。しかし、もっとも汚染がひどく、いまも帰還困難区域に指定されている長泥地区に続く道路は、鉄製のゲートで閉ざされている。 この村にはいま、昨年9月まで原子力規制委員会の委員長を務めた田中俊一氏(73歳)がいる。本来の自宅がある茨城県市から車を飛ばして、数日ごとに行き来する生活を送っているという。  われわれが田中氏の新しい住まいを訪ねたのは2月の下旬。飯舘村は前日に降った雪でうっすら覆われていた。 「なんだい。ずいぶん早いな」 自宅の呼び鈴を押したのは朝8時半ごろ。自分で用意した朝食を食べ終えたばかりだった。少々ぶっきらぼうながら、実直な人柄がにじみ出る口調は、以前取材した時と変わらない。 招き入れられた自宅は、かつて村の診療所の医師が住んでいたという。10年ほど空き家になっていたが、すっかりリフォームされていた。 「天井も高くて立派な家だけど、その代わり冬場はかなり寒くて暖房費がかさむよ。昨日なんて、風呂場の天井から落ちた水滴で床に氷筍が出来てたくらいだ」 ほんの数ヵ月前まで、原発の安全性に厳しい目を光らせてきた人物は、いま人よりもイノシシの数のほうが圧倒的に多い山村でひっそりと暮らしている。いまの肩書は飯舘村の「復興アドバイザー」、無報酬のボランティアだ。 双方から批判され続けた、過酷な5年間 フクイチの事故以来、日本の原子力政策を巡っては、推進派と反原発・脱原発派との対立が激化していた。そんななかで、12年に新たに設置されることになった原子力規制委員会の委員長は、双方から攻撃されることが予想される難しいポストだった。   「原子力ムラというものがあるとすれば、知らない人には、私も立派な住人に見えるんだろうね。でも私はそのムラでも、傍流の研究者だった」 そう言って笑う田中氏の存在が、原発の安全性に対する審査を任せられる専門家を探していた政府の目に留まった。 「ムラの主流にいる人たちがやってきた原子力政策が失敗したんだから、彼らが規制側に回るわけにはいかない。だから私だったんでしょう」 田中氏は、原子力ムラの人間からすれば「裏切り者」。一方、被災者からすれば「村を放射能で汚染した一味」という複雑な立場だ。それでも、自ら求めたわけではない初代原子力規制委員会の委員長という重責を任され、原発再稼働を求める電力会社にたびたび苦言を呈してきた。 「あれだけ厳しい基準を言われたら電力会社も大変だと思います。なにしろ原発一基あたり安全対策のために1000億〜1500億円かかるんだから。当然、『もう少しなんとかならないのか』という気持ちはあったでしょう。でもそれを口に出さず、規制委員会の示す基準に従って対策を取ること以外に道はないと理解してくれるようになった。それは良かった」 福島県出身の田中氏は、東北大学で原子核工学を専攻し、日本原子力研究所に入所。99年の東海村JCO臨界事故では、東海研究所の副所長という立場で事態の収束に尽力した。 初めて、世の中の注目を浴びたのは 11年3月の福島第一原発の事故直後。原子力利用を推進してきた研究者たちと連名で国民に謝罪したうえ、政府・自治体・産業界・研究機関が一体となって緊急事態にあたるべき、と提言したのだ。言ってしまえば、これまでの人生を否定する行為でもあった。 以後、独自の活動を始める。 原発事故の混乱が続く11年5月、飯舘村を訪れた田中氏は作業服に身を包み、いち早く除染の実証実験を開始した。 規制委員会委員長になってからは、なかなか足を運ぶことは出来なかったものの、飯舘村の菅野典雄村長や長泥地区の鴫原良友区長とは連絡を取り合ってきた。 そんな田中氏は、委員長という重責から解放され、一個人に戻っても活動の場として飯舘村を選んだ 本当の春が訪れる、その日まで 「規制委員長を退任するときに、官邸に行って安倍総理に挨拶してきたんだ。そうしたら『田中さん、これから飯舘に住むんだって?』と言われた。総理の耳にも入っていたんだね。だから『機会があったら是非おいで下さい』と言ったんだけど、『う〜ん』という返事だった。でも、復興が順調に進めばきっと関心を持ってくれると思う」 村の復興アドバイザーとしての仕事は「何でも屋」だ。 「村には空き家がたくさんあるから、大きな家がタダ同然で借りられる。自然が多いし、土地も広い。広く募集したら、移住希望者だっていると思う。でも、村役場には帰還してくる人の世話や学校再開に向けての対応とか仕事が満載で、そこまで手が回らないんですよ。そういうところを私みたいなフリーターがお手伝いすればいいんです」 何でも屋は、ご近所のニーズを察知しなければならない。村に住まいを構えたのも、 ときどき訪れるだけでは、住民の声をすくい上げられないと考えたからだ。  「ずっと住んでいれば、村の人たちとの付き合いも深くなるでしょう。それに解決しなければならない問題は日々変化していく。時々やってくるだけじゃあ『今日はこうしたから、明日はああしよう』ということもできない。村の皆さんの中に入っていかないと、なかなか本音も聞けないしね」 国の行政機関のトップを務めた人物がこれほどの決意で地域社会に溶け込んでいこうとするケースは稀だ。 とはいえ、村の大部分が帰還困難区域の指定解除を受けたからといって、急に村が活気づくわけではない。村に戻ってくる人々も年配者が中心。もともと少子高齢化が進んでいたのだが、原発事故はその流れを一気に加速させてしまった。 村のあちらこちらには、除染作業で出た汚染土壌を詰め込んだフレコンバッグが積み上げられ、黒々とした無数の小山が聳え立つ。その異様な光景はいまだ無くならない。 「村にはフレコンバッグが230万個もある。あれを片付けることが当面の目標。まだ帰還できない長泥地区の水田に、フレコンバッグの土をひとまとめにして、大規模農業ができるように土壌改良するんですよ。上からきれいな土を50cmくらいかぶせれば、園芸作物や牧草の栽培は可能になると思います。セシウムは土の中で移動しないので、放射性物質が漏れる心配もありません」 田中氏は、村が事故以前の姿に戻ることだけが「復興」だとは考えていない。現実的な手段と目標で、そこに住む人々の生活や雇用を取り戻す。そのためには、一歩ずつ前進していくしかない。 (取材・文/阿部崇、撮影:西崎進也)

ゲノム編集の落とし穴 -“セントラルドグマ”が書き直される可能性も- 理化学研究所 2016年12月26日

ゲノム編集の落とし穴 -“セントラルドグマ”が書き直される可能性も- 理化学研究所  2016年12月26日 要旨 理化学研究所(理研)バイオリソースセンター新規変異マウス研究開発チームの牧野茂開発研究員、権藤洋一チームリーダーらの研究チーム※は、マウス細胞を用いて、ゲノム編集技術[1]により目的とするフレームシフト変異[2]を導入したところ、想定外のタンパク質が翻訳[3]されるという現象を発見しました。 近年、ゲノムを自在に改変できるゲノム編集技術が、急速に発展普及しています。この技術は簡便で、これまでゲノム改変が困難であった生物種においても利用できることから、遺伝子機能を解明する基礎研究から医療応用まで、極めて広範囲にわたる生命科学研究において利用が進んでいます。将来は、ゲノムを自在に改変し遺伝子治療への扉を開くと期待されています。一方で、標的とする配列以外のゲノム領域に、意図しない突然変異が導入される問題(オフターゲット効果)には十分に注意が払われ、技術改良が進められています。 今回、研究チームは、ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9システム[4]」を用いてマウス細胞の形態形成に関わるGli3[5]という遺伝子の標的破壊(ノックアウト)[6]を行いました。その結果、11系統の変異Gli3マウス培養細胞株を樹立し、その中の8細胞株は父方由来と母方由来のGli3遺伝子が共に翻訳が妨げられるフレームシフト変異を持つことも分かりました。ところが、樹立した株のうち6細胞株のタンパク質発現を確認したところ、6細胞株全てが、ほぼ全長のGLI3タンパク質を「定型外翻訳」[7]によって発現していました。この結果は、“ゲノム編集を行う場合、標的遺伝子の変異配列確認だけでなく、タンパク質発現まで確認することが重要であること”を示しています。さらに研究チームは、ゲノム編集実施前にノックアウトした遺伝子から予想外のタンパク質が発現するかどうか事前に確認できる「in vitro発現確認ベクター」[8]も報告し、その利用を呼びかけています。 本研究は、ゲノム編集利用にあたっての警鐘を鳴らすとともに、分子生物学の中心命題である“セントラルドグマ”[3]の重要なステップである「翻訳」開始について、全く新しい分子機構があることを強く示しています。実際にフレームシフト変異によって定型外翻訳が生じて発症するヒト疾患[9]の報告もあり、そういった疾患の分子機構の解明につながる可能性があります。一方で、ヒトやマウスの全遺伝子の半分にはuORF[10]と呼ばれる配列があり“小さな定型外翻訳”によって発現制御されている可能性が近年示唆されています。本成果はセントラルドグマそのものにパラダイムシフトをもたらす可能性があります。 本成果は、国際科学雑誌『Scientific Reports』(12月21日付け)に掲載されました。 ※研究チーム 理化学研究所 バイオリソースセンター新規変異マウス研究開発チーム開発研究員 牧野 茂(まきの しげる)開発研究員 福村 龍太郎(ふくむら りゅうたろう)チームリーダー 権藤 洋一(ごんどう よういち) 背景 高等生物のゲノムの改変は、これまでES細胞(胚性幹細胞)[11]が樹立されているマウスなど、限られた生物種でのみ実施可能でした。その後、iPS細胞(人工多能性幹細胞)[11]が生物種を問わず作製できるようになり、ゲノム改変の応用範囲が広がりました。しかし依然として、標的とする遺伝子だけを破壊したノックアウトマウスの作製を含め、ゲノム改変効率は極めて低く、多大な時間や労力が必要でした。ところが近年、ゲノム編集技術の登場により、さまざまな生物種で目的の塩基配列を効率よく自在に改変することができるようになり、急速に利用が広がっています。ゲノム編集技術は、遺伝子機能の解明や疾患メカニズムの研究を加速し、創薬、有用生物の創出、さらには究極の遺伝子治療法へつながる技術として期待されています。 このようにゲノム編集技術が急速に発展する中、技術上の問題点や限界の検証も行われています。特に、標的とする配列以外のゲノム領域に、意図しない突然変異が導入される問題(オフターゲット効果)には十分に注意が払われ、技術改良が進められてきました。 研究手法と成果 研究チームは、最も広く利用されているゲノム編集技術である「CRISPR-Cas9システム」を用いて、11系統の変異Gli3マウス培養細胞株を樹立しました。Gli3遺伝子は、形態形成に重要な役割を果たす遺伝子の一つです。その中の8細胞株は、父方由来と母方由来の両方のGli3遺伝子に、翻訳を妨げられる「フレームシフト変異(塩基の挿入や欠失変異)」が導入されていることが分かりました。通常、フレームシフト変異を持つメッセンジャーRNA(mRNA)は不良品として分解され、タンパク質への翻訳は全く起こりません。分解を免れた場合でも、フレームシフトを持つmRNAからは、読み枠がずれるためすぐに終止コドンが現れ、機能を持たない小さなN末端[12]側タンパク質断片だけが翻訳されます(図1)。 研究チームは念のため、樹立したフレームシフト変異を持つ6細胞株で、GLI3タンパク質発現をウェスタンブロット法[13]により確認したところ、予想に反して、ほぼ全長に近い正しいアミノ酸配列をもつGLI3タンパク質が発現することを発見しました(図2)。 研究チームは、フレームシフト変異細胞株で、どのようなタンパク質が合成されるのかを具体的に調べるために、Gli3遺伝子のN末端とC末端[12]に小さな目印(タグ)を結合させた発現ベクター(in vitro発現確認ベクター)を開発しました(図3A)。この方法により発現解析を行ったところ、フレームシフト変異Gli3遺伝子からは、C末端側のタグのみを持ったGLI3タンパク質が発現することを発見しました(図3B)。 この結果により、フレームシフト変異Gli3では、本来の開始コドンより下流に位置する別の開始コドンから翻訳が開始伸張しC末端の本来の終止コドンまで、正しいGLI3のアミノ酸配列を持つ、ほぼ全長のタンパク質が合成されることを明らかにしました(図3C)。 これまでゲノム編集は、オフターゲット変異を起こさないよう改良が進められてきました。 一方、本研究では、標的とするゲノム領域に狙い通りの突然変異を導入しても、想定外の標的タンパク質発現が生じる例を示しました。研究チームの発見により、“ゲノム編集技術を用いて遺伝子のノックアウトを行う際、標的とするDNA配列を調べるだけでなく、標的タンパク質の発現が消失することも慎重に解析することが重要であること ”が明らかになりました。 また、通常、このタンパク質発現確認は、図2に示すように標的遺伝子が産生するタンパク質を特異的に認識する抗体を用いて行いますが、本研究で開発したin vitro発現確認ベクターを用いることで、そういった個別の抗体を予め準備することなく、ゲノム編集の実施前に、想定外のタンパク質発現が生じるかどうか“事前検証”ができます。 今後の期待 フレームシフト変異により生じる“本来より下流の開始コドンから翻訳が開始してしまう現象(定型外翻訳)”は、複数のヒト疾患の原因遺伝子でも報告されています。このため、定型外翻訳はマウスGli3遺伝子だけに限らず、さまざまな生物種における多くの遺伝子で一般的に起こりうる現象であると考えられます。 一方で、ヒトやマウスの正常な遺伝子の上流配列には、小さなオープンリーディングフレーム(uORF)が約半数の遺伝子に存在し、uORFが定型外翻訳と結び付き、本来の遺伝子発現そのものを制御していることが最近明らかになりつつあります。 今後、研究チームは翻訳の開始機構を明らかにし、最も基本的な生命現象であるタンパク質発現制御のメカニズムの解明を目指します。さらに、この翻訳開始機構の解明は、ヒト疾患の詳細な分子機構を理解することにつながり、将来的には治療法や新規薬剤の開発にもつながると期待できます。 原論文情報 Shigeru Makino, Ryutaro Fukumura, Yoichi Gondo, “Illegitimate translation causes unexpected gene expression from on-target out-of-frame alleles created by CRISPR-Cas9″, Scientific Reports, doi: 10.1038/srep39608 発表者 理化学研究所 バイオリソースセンター 新規変異マウス研究開発チーム 開発研究員 牧野 茂(まきの しげる) チームリーダー 権藤 洋一(ごんどう よういち)    牧野 茂 開発研究員 報道担当 理化学研究所 広報室 報道担当Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715 このページのトップへ 補足説明 ゲノム編集技術 部位特異的にDNA二重鎖を切断する酵素(ヌクレアーゼ)を利用し、ゲノム上の標的配列を改変する技術。部位特異的ヌクレアーゼにより導入された二重鎖切断は、細胞にとって極めて有害であるため、速やかに修復される。その過程で起こるエラーにより標的箇所に突然変異が導入される。さらに、ドナーDNA断片を加えることで、希望する配列への置換や挿入も可能になるなど、技術的に応用が進められている。 フレームシフト変異 塩基の挿入や欠失変異のこと。mRNAから3塩基ずつ一つのアミノ酸へと翻訳されるので、挿入や欠失塩基の数がとくに3の倍数でない数の場合には読み枠がずれ、合成されるタンパク質が本来の配列とは全く異なったものになる。異なったフレームには終止コドンがすぐに現れるため、フレームシフト変異のすぐ下流で翻訳が終了するか、もしくは、いわゆるナンセンス変異依存mRNA分解(nonsense mediated decay)によってmRNAそのものが破壊される場合も多いので「遺伝子破壊ノックアウト変異」となる場合が多い。 翻訳、セントラルドグマ ゲノムの中の遺伝子配列からmRNAが「転写」され、さらに、そのコーディング配列からタンパク質へと「翻訳」されるという“セントラルドグマ”における遺伝子発現の重要なステップの一つ。ヒトを含む真核生物でも翻訳における開始因子や伸張因子など多くの研究が1960年代から蓄積されている。教科書にも詳しく記載され,分子レベルにおいてもかなり解明されていると考えられている。 CRISPR-Cas9システム ゲノム上の標的領域と相補的なsgRNA(single guide RNA)とCas9ヌクレアーゼの二つにより、ゲノム改変を行うゲノム編集技術の一つ。sgRNAのデザインや作製が簡便な上、技術的開発も進められており、さまざまな生物のゲノム改変で最も多用されている。特に、受精卵や初期胚でも、効率よく特異的に標的配列に二重鎖切断を導入することができるため、ES細胞やiPS細胞のない生物種にも利用できる。さらに、母方由来と父方由来の両方の遺伝子を同時に標的破壊できるほど効率が高いため、一気にホモ接合ノックアウト生物が得られるのも特長となっている。CRISPR-Cas9はクリスパーキャスナインと読む。 Gli3 形態形成に重要な役割を担うヘッジホグシグナル伝達系において、下流の遺伝子群の発現制御を行う重要な転写因子の一つをコードする遺伝子。ヘッジホグシグナル伝達系に突然変異が生じると、初期発生において形態異常や成体では発がんに関与する。本研究では、その分子機構の詳細な解明を目指して、Gli3遺伝子の標的破壊を計画した。 遺伝子の標的破壊(ノックアウト) 2007年ノーベル生理学医学賞を受賞した「ノックアウトマウス」が有名。哺乳類ゲノムにおいて、標的とする遺伝子だけを相同組換えを利用して特異的に破壊する方法。なるべく長い相同配列をターゲッティングベクターに配することにより効率を上げるため、ベクター構築に手間がかかる。また、ノックアウト生物ができるのは、受賞当時はES細胞が利用可能な生物に限られていた。現在では、iPS細胞があればこの相同組換えベクターを用いる方法でノックアウト生物はできる。通常は片方の親由来の遺伝子一つだけ破壊する。そのため、両方の遺伝子とも破壊した「ホモ接合ノックアウト生物」を得るためには、さらに交配によってホモ接合生物を得る必要がある。 定型外翻訳 “セントラルドグマ”([3]参照)では、mRNA上のオープンリーディングフレームと呼ばれる配列の5’末端のAUGからタンパク質への翻訳が開始し、3塩基ずつ一つのアミノ酸としてタンパク質が伸張し、3’末端の終止コドンまで一つのペプチドとして発現すると分子生物学教科書に記載されている。今回発表した「定型規格から外れた翻訳illegitimate [...]

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